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三色ボールペンで読む日本語 三色ボールペンで読む日本語
りさこ/ボールペンは別売です
残念ながら文庫版には三色ボールペンは付いていません。別売です。最初は何とも思わなかったんですが、これが味噌でした。読んでいるとですね、ものすごく引きたくなるんですよ、線を。この本自身にも引きたくなるし、すぐに他の本を読んで引いてみたくなります。それくらい斎藤孝の説明はうまいし、楽しそうなのです。本の中には例が豊富です。人の例もあるし、文章の例もあります。とにかくとっても楽しそうです。特に私がいいなと思ったのは、子供たちがこの方法に取り組んでいるところ。すごいなと思ったのは、子供たちがこの方法でドストエフスキーもどんどん読んでしまうというところです。ああ、早く真似してみたい、そういう衝動に駆られ…  全文読む 評価する

ウー・ウェンのおいしいよ!うちのご飯 ウー・ウェンのおいしいよ!うちのご飯
りさこ/ウーさんちの子になりたい
この料理本は私のバイブルとなりつつあります。私はあまりお料理が得意ではありません。毎日何作ろうかとない知恵を絞っている日々を送っています。昔オレンジページを購読していた時期もありましたが、これが全然私の力になってくれませんでした。そしてある日この本とめぐりあいました。何気なく手に取ったんですが、なんかすごく食欲をそそるんです。んでもって、自分でも作れそうなんですよ。やはり料理が苦手な人にとって「自分でも作れそう」というのが大きなポイントだと思います。ウーさんの作る料理はどれもお母さんの作る料理です。中華と和食の融合でもあります。ちょっと変化のあるご飯を作りたいなというときにとってもいい本です。…  全文読む 評価する

ポラロイドライフ ポラロイドライフ
りさこ/ポラロイドをもって街へ出よう!
この本はポラロイド本体の魅力、写真の魅力、撮り方(遊び方)の魅力の三つから構成されています。オールカラーです。このオールカラーってところがすごくいいんです。ポラロイド本体のコレクションをカラーで見るととってもカッコイイ。(絶対欲しくなる)紹介されているポラロイド写真を見るのももちろんいい。(ヌードもあったりしてドキッととする)これを見るとポラロイドカメラを持っている人はすぐに写真を撮りたくなりますし、持ってない人はポラロイドが欲しくなります。最後には撮影のテクニックも紹介してあります。接写とかフィルタ撮影とか。ってことで、私も引っ張り出しました。JOYCAM(ジョイカム)っていうフィルムが小さ…  全文読む 評価する

OUT OUT
りさこ/コンビニ弁当の奥に広がる物語
まだ上巻しか読んでいないのです。だから、結末を知らない。いろいろなことが私の心の中で渦巻きながら、これを書いています。あなたはコンビニでお弁当を買ったことがありますか。特製幕の内弁当、カルビ弁当、小分けそば・・・あれだけの数のお弁当を作るとなるとお弁当工場は24時間体制を取らないと追いつかないでしょう。そこではたくさんの数の人が働いている。主婦もいれば、外国人労働者もいるでしょう。その一人一人に家庭があり、人生がある。夫を殺した主婦がいれば、借金まみれの主婦もいる。引きこもりの息子を持った母もいる。祖国を離れて異国の空の下で米飯を詰める外国人もいる。物語はこの工場から始まるのです。直球勝負でぐ…  全文読む 評価する

殺しの四人 殺しの四人
りさこ/梅安に惚れるとやけどするよ
藤枝梅安ってむかしむかしドラマでやってましたね。緒形拳でした。あのときもかっこいいなって思ってたけど、本を読んでますますいいのだ。頭のてっぺんから足の先、影や、梅安の残り香までが、絵になるのだ。江戸という街に、梅安という男に、池波正太郎という作家に、仕掛人という仕事に恋をしてしまいそうです。池波正太郎の本のもう一つのお楽しみは、お酒と食べ物。お酒とか、おそばとか、ちょっとした小鉢料理とか、読んでいるだけで苦しくなるほど食欲をかき立てるのだ。私は池波正太郎の本は老後になんて思っていたのだが、一冊読んだらもう止められない。人には勧めずにはおれない作家の一人です。  全文読む 評価する

大学病院ってなんだ 大学病院ってなんだ
りさこ/読んでから入院するか、入院してから読むか
患者の取り違え、医療ミス、カルテの改ざんなどなどたくさんの問題が世間を騒がせている。それでも患者は大学病院に押しかける。いまはそんな世の中です。よほど医療の世界に詳しい人じゃない限り、大学病院のことなんてわからない。この本がすべてを批判しているわけではないけれど、実態の一部を見せていると思えば冷静になれるかもしれない。私はこの本を読んだ後に大学病院に入院する機会があって大変面白かった。部長先生と私の主治医の先生はうまくやっているかしらとか、あの外賀部長は絶対独裁だとか、いらぬ想像をしつつ入院生活を楽しんでいた。日本の医療がお金とうまく切り離せて健康と結びついた線路を走れるのはいつの日になるのだ…  全文読む 評価する

箱男 箱男
りさこ/これって小説じゃないな
これって小説じゃないな。じゃあなに? 半分ホント、で半分は作ってる。だって途中に写真がはさまってるんだけど、あれなんて別に撮った写真じゃなくて、絶対箱から撮った写真だと思うもん。すごくリアルなんだ。私の印象として、読者に本物っぽく思わせて書いたっていうんじゃなくて、どうしても自分で箱に入ってみたくてやってしまったちょっとねじのはずれたおじさん、しかもちょっと独自の哲学を持っているような薄気味の悪さ。そういうのがぷんぷんする。箱男は町をさまよう、街を観察する、女を探しまわり、偽者登場…。変な本だけど、一度は読んだことある人に感想を聞いてしまいたくなるような魅力もある。一度読んどいて損はないでしょ…  全文読む 評価する

私の田中角栄日記 私の田中角栄日記
りさこ/身内という立場の女の書いた田中角栄
田中角栄という男のことを書いた本は山のようにある。わたしはこれまで一冊も読んだことがなかった。政治に興味がなかったということもあるし、なんとなく終わった人という気がしていたからだ。しかしなぜだかこの本を読んでみる気になった。それは女の人が書いていたからだ。理由はそれだけだった。読んでみて驚いた。この人は、田中角栄の愛人であり、秘書であり、政治の世界ではそれはそれは顔の利く人物だったのだ。汚職にまみれた田中角栄を弁護するような話がたくさんあるが、それを差し引いてもなかなか興味深い本だった。日本という国が機関車のように前進あるのみという感じでばりばりと進んでいた時代だった。いまの日本ではこうは行く…  全文読む 評価する

Riko Riko
りさこ/第十五回横溝正史賞受賞作
私が柴田よしきという作家とであった一冊目であった。RIKOは緑子と書く。女性の刑事だ。バイセクシャルだ。恋人もいる。少なからず過去も背負っている。自分とはかけ離れた存在だけれども、男の中で働く緑子の姿に共感を覚えた。それがこのRIKOシリーズの人気の秘密だろう。一つの事件を解決していくという形で物語は進んでいく。さすが横溝正史賞を受賞したなと思うのは事件だけではなく、恋も、愛も、性も濃厚に混じっていて、それがもう息苦しいほどなのだ。これを書き上げた柴田よしきの筆力にちょっと驚いたのだ。軽い気持ちで読むと酔いますよ。  全文読む 評価する

死刑執行人の苦悩 死刑執行人の苦悩
りさこ/苦しみを知る苦しみ
死刑を執行すれば、死刑囚は死ぬ。死刑囚は死ぬ前に手記を書いて出版することがある。どんな犯罪を犯したのか、どんな人間だったのか、どう育ったのか。いろいろなことが明かされる。また、被害者やその家族が本を出すこともある。残された者の悲しみや苦しみを綴る。では死刑執行人はどうか。私たちはこの立場の人の苦しみを知らなかったのではないか。仕事とはいえ人を死なせなければならない。サラリーマンのように日々をこなすのとは話が違う。この人たちがどの様な仕事をしているのか、どの様に感じているのかを知る大切な一冊である。日本から死刑がなくならない限りこの人たちの苦悩は続くのだ。死刑が必要かどうかとう議論とは別に、とて…  全文読む 評価する

結核病棟物語 結核病棟物語
りさこ/楽しい闘病生活
結核ってまた最近増えているらしいですねえ。怖い病気です。いまでも人間を死にいたらしめる病気ですから。斉藤綾子という作者のキャラが全面に出た書きっぷりで、それはもう痛快なのです。入院生活、入院患者同士のふれあい(ふれあいなんてもんじゃないくらい)、病魔に取り付かれながらも彼(不倫です)との愛の生活も忘れないしさ。私も入院したことあるけど(結核じゃないよ)、こんなに楽しくなかった。それなりに楽しかったけどね。日常から非日常へ移ると、非日常を楽しみつつも日常が懐かしくなる。人間無い物ねだりです。しかし、健康は大切よ。この本が入院している人の差し入れとしてふさわしいかどうかは、読んでみてから判断してね…  全文読む 評価する

夜ごとの闇の奥底で 夜ごとの闇の奥底で
りさこ/消耗感が残った
小池真理子作品には珍しく男性が主人公。私は小池真理子は絶対に女性主人公の名手だと思っている。だからちょっと物足りなかった。読んだ後の心地よさがなく、消耗した感じ、汗が変に渇いてベタベタした感じ、のどが渇いた感じ、そして嘘っぽい感じ。もっと恋の話が読みたいという方には向かないです。  全文読む 評価する

蜜月 蜜月
りさこ/甘い香りで恋を誘う一冊
「欲望」(小池真理子著)と表紙が似ている。複数の植物の葉が、複数の女性の愛を表現しているのかもしれない。人は生きている間にいくつもの恋をして、破れたり実らせたりする。その恋の激しさは人それぞれでそっと見守るだけの恋もあれば、相手を燃え尽くしてしまうほどの恋もあるだろう。この物語は、一人の男性の死をきっかけに複数の女性が過去の恋を思い出す。短編集という言い方はしたくない。というのは全部で一人の男性を表現しているから。読み終わって感じたことは、自分も一人の女性としてこの中の一人になり、天才洋画家・辻堂環と激しい恋をしてみたい、ということだった。それが怖くもあり、甘くもあり、禁断の果実のようである。  全文読む 評価する

欲望 欲望
りさこ/小池真理子路線まっしぐら
表紙の植物の葉が怪しげでエロチックな印象です。小池真理子ファンならこの物語は絶対に読んで欲しい。人間の性という名の欲望、人を愛するという力、他人に対する嫉妬との葛藤。そして最後に残るのはかなわぬ思い。ああ、こうもありふれた食材でおいしいお料理が作れるなんて…。もう一つの楽しみとして、三島由紀夫の作品について話し合うところが出てくる。その紹介の仕方がうまくって、これを読み終わったらそちらも読んでみようという気持ちになる。そういう読書の連鎖って楽しい。三島由紀夫なんてありふれてると思うかもしれないけど、案外そういう名作って読んでないもの。これを機会に手をつけてみるのもいいものよ。  全文読む 評価する

方舟さくら丸 方舟さくら丸
りさこ/いまはもういない安部公房
安部公房が亡くなってもう何年たつだろう。名前だけしか知らない作家の一人だった。「文学」という感じの難解さを抱えた人物のように思っていた。死んでしまえばもう二度と新しいお話は生まれてこない。となると、いつ読んでもいいのだが、ふと思い立って読んでみた。これはある四人の男女の物語。読み始めてみると全然難解ではなかった。どちらかというと冒険物語だった。文章の表現のあちこちに安部公房という作家の才能が数多くちりばめられていて、さすがという感動を覚えた。単なる冒険物語に終わっていない、それでいて難解すぎない。私は安部公房への認識を改めた。ほかの物語にもぜひ挑戦したい。  全文読む 評価する

死の棘 死の棘
りさこ/実話の怖さ
ある男が浮気をします。妻は毎日、二人の子供とともに夫の帰りを待つ生活をします。帰ってくる日もあれば、帰ってこない日もあります。それが数年続きます。妻は夫の浮気を知るようになります。調べます。浮気相手に激しい嫉妬を燃やし、だんだんその思いを募らせていきます。浮気相手が一人ではないことも知ります。物語はここから始まるのです。妻は毎日のように夫に詰問します。夫は仕方なくその問いに答える。問う、答える、これが生活の中心になっていくのです。当然子供たちもそうした両親の毎日を見ていて、だんだん普通ではなくなっていきます。家庭が崩壊して、一人一人の人間も崩壊していく。その本人がこの物語を書いているのです。実…  全文読む 評価する

わたしのグランパ わたしのグランパ
りさこ/スーパーおじいちゃん
星が三つの理由から書こう。短いのだ。短すぎるのだ。あっと言う間に読み終わってしまうのだ。それはもうアイスクリームを食べるのがもったいないのだけど、早く食べてしまわないと溶けてしまうというような歯がゆさなのだ。じゃなかったら星は4つだ。しかし、この短さがいいのかもしれない。NHKのみんなのうたで「コンピュータおばあちゃん」という歌がある。おばあちゃんはすごい人だという歌なんだが、このグランパはスーパーおじいちゃんだ。日本中こんなかっこよくて、やさしくて、めちゃくちゃで、頼りがいのあるおじいちゃんばかりだったら、みんなおじいちゃん子になってるだろうなあ。誰にだっていじめられたり、クラス中の人に総す…  全文読む 評価する

雪の死神 雪の死神
りさこ/ブリジットの才能はここまでなのか…
正直に言おう。前半は一流のミステリーだ。後半はB級映画以下だ。後半を「映画」といったのは、盲目の主人公の状態にあわせて、読んでいる方も盲目状態ながらに混乱と解決を体験できるからだ。見えないなりの視覚化状態だったように感じた。それにしても、どうしてこうなっちゃったんだろう。「マーチ博士の四人の息子」(ハヤカワ文庫)、「森の死神」(ハヤカワ文庫)はものすごく面白かったのに。筆を重ねるごとに安直なストーリーになっていくような気がするよ。次はもう読まないかも。でもまだ上記の二冊を読んでない人は絶対読んでね。びっくりするほど面白いから。ということは、これはびっくりするほど面白くないかも。  全文読む 評価する

Akira Akira
りさこ/男のロマン?かな
バイクに乗ったり、機械をいじったり、悪いことしたり、女の子を好きなったり、好きになれたり、戦ったり。男の子がこの漫画に思い入れる理由が分かりました。かっこいいのかたまりなんだろうなあ。女の私にはちょっとグロイ表現が多くて、ちょっと気持ち悪かったなあ。でも一度は読んでおいて損はない作品だと思うよ。  全文読む 評価する

第三の噓 第三の噓
りさこ/ほんとか嘘かなんてどうでもいいことだ
『悪童日記』『ふたりの証拠』に続く三部作の完結編となる。正直言って『第三の嘘』を読み終えたときにほっとした。これ以上つらい物語が続くのは心苦しかったからだ。それほどに嘘と真実の狭間で傷ついた人々の苦悩は深かったのである。何が嘘で、何が真実であったかどうかは最後はどうでもよくなる。どこを取っても日本人の私には感情移入できない物語だったけれど、人々が生きた証、作者が表現しようとした世界は太い流れとして充分に伝わってきた。  全文読む 評価する

拉致 拉致
りさこ/韓国はほんの隣なのになぞに包まれている
私がこの本を購入した日、中薗英助氏の死去が発表された。その偶然にちょっと怖くなった。金大中氏が日本から突然いなくなったことは知っていた。そのとき母がやけに興奮して騒いでいたから。しかしそのとき私は全然関心がなかった。私が子供過ぎたということもあるし、世界の中の日本、韓国の隣国としての日本という立場を全然理解していなかったからだ。この物語は、事実と創作を取り混ぜて作ってある。つまり全部が真実ではない。しかし何も知らないよりは輪郭が見えてくる程度に分かってくるだろう。金大中氏はいまは韓国の大統領に収まっているけれど、これほど苦労しているとは。苦労の輪郭も見てくる。もっと知りたいという人は韓国の文化…  全文読む 評価する

水の翼 水の翼
りさこ/あの時代の小さなドラマ
私は小池真理子のファンである。だからこの本を読んだ。ファンじゃない人がこの本を読むとちょっと嫌になるかもしれない。というのは、小池真理子の人物描写とか心理描写に癖があるからだ。心の動きを言葉を変えて何度も繰り返して表現することが多い。それを楽しめるか、しつこいと感じるか。そこが好きになれるかどうかの分かれ目になるだろう。できれば、「恋」を先に読んで欲しい。「恋」も「水の翼」もそうだが、学生運動の激しい時代が舞台になっている。学生のギラギラした精神と、一見彼らとは無関係に生きているように見える社会人がちょっとしたきっかけで接点が生まれる。ここに一つのドラマがある。たとえ小さなドラマでも人生を大き…  全文読む 評価する

マークスの山 マークスの山
りさこ/山登り同様に困難さだった
「最後まで読むぞ」と思わせるまでに、200ページくらいかかった。登山と同じく困難な本だ。感想をざっと羅列してみよう。・合田刑事は他の作品も読んでみたい人物像だった・男の人が書いたような乾燥さを感じた・映画ではだれがだれを演じたのか興味がわいた・事件は解決したけど、犯人の精神の原因が不明だったちなみにこの本、第109回直木賞受賞作です。山が好きな方はおすすめ。私はよく考えると海派でした。  全文読む 評価する

ヒカルの碁(ジャンプ・コミックス) ヒカルの碁(ジャンプ・コミックス)
りさこ/このわくわく感
この漫画の影響で、ちまたでは少年たちが目を輝かせながら碁を打っているらしい。それを知って1巻を読んでみました。主人公は小学6年生だから、子供たちにとっては等身大なんでしょう。大人が読んでも面白い。大人であっても子供であっても、自分の成長を感じ取れたり、強敵と対戦したり、新しい友達ができたりするという刺激はわくわくさせられるもの。さて、2巻を買いに行こう。  全文読む 評価する

お父さんは時代小説が大好き お父さんは時代小説が大好き
りさこ/自腹と偏見を克服できるか
本を選ぶのって難しい。だって、読まなきゃ内容はわからない。がっかりしたくない。お金を払っただけの価値を決めるのはやはり読んだあとだ。となると、だれか先に読んだ人の感想が気になる。そこで出てくるのが書評だ。その書評も自分との相性がある。これを見つけるのも一苦労だったりするんだけど。まあ本を選んだり読んだりするのは、そうした過程も楽しむことができるわけです。プロの書評家はいただいた本の書評を書くこともあるでしょう。以前、沢木耕太郎が映画評を書くのに、最初は配給会社の試写室で見ていたんだけど、それは自分に向いていないということで、お金を払って見に行くことにして映画評を続けたというのを読んだことがある…  全文読む 評価する

東大落城 東大落城
りさこ/今は見る影もない
 以前仕事で東大に行ったことがある。赤門をくぐって、その奥に安田講堂があった。これがあの安田講堂か…と感慨深く眺めた。キャンパスは平和そのもの。緑が目に鮮やかで、鳥がさえずっていた。とてもあの騒動があったとは思えない。 佐々氏の本は『連合赤軍「あさま山荘」事件』に続き二冊目。警察側の視点から事件を捕らえている。自身も東大の卒業生。 もし私がこの時代に生きた学生だったら、この運動に参加しなかったか自信がない。読み終えてみると愚かだなあという印象を持つ学生たちだが、自分の立場に置き換えると、集団心理と勢いでヘルメットをかぶって声をからせていたかもしれない。大人たちへの反発もあるだろうし。 私の母は…  全文読む 評価する

闇の楽園 闇の楽園
りさこ/題名と中身がマッチしてないような気がする
 読み終わってみて考える。この題でいいのかしら。題名に反して娯楽性のある小説だった。 現代の社会の悩みを投影している事象がたくさん登場する。松本清張原作、馳星周と山上龍彦がかわるがわる書いている感じ。男の人には面白い作品だと思う。女の人にはどうかなあ。男が女の性的魅力にすぐ食いついてしまうのは短絡的な気がする。  全文読む 評価する

マン島の黄金 マン島の黄金
りさこ/本を読むには順番というものがありました
 私がアガサ・クリスティーの作品の中で読んだことがあるのは、『そして誰もいなくなった』だけでした。だから特に彼女のファンであったわけではない。どちらかというとマニア度が高くて敬遠していた。今回は書名に引かれて買ってみた。 本を読むには順番があります。やはり長編とか代表作を読んでいって、その人となりを知ってから、秘蔵の作品を読んだ方が満足度もぐっと高くなる、と私は思っている。私はあまりアガサ・クリスティーを知らないうちに秘蔵作品を読んでしまったようだ。失敗…。 しかしね、その辺りを差し引いても印象深い作品がいくつかあった。謎解きじゃなくて、人生ドラマみたいな劇的なもの。こういうのもうまく書ける人…  全文読む 評価する

われ万死に値す われ万死に値す
りさこ/島根の知名度を押し上げた男
 竹下登、彼は彼が越えようとした田中角栄よりもとても体の小さい男だった。誰よりも野心家で、誰よりも努力家で、誰よりも淋しく悲しい男だった。 私は彼と同じ島根県出身だ。日本の片隅で、これといった大きな産業もない小さな県である。東京の人に出身を聞かれて説明しても、たいていの人は鳥取県と間違えるような影の薄いところだ。しかし竹下登の出身県だというとたいていの人は、ああという顔をするが、喜んだりはしない。それは竹下登という人が、どういう政治をしてきたかということを日本人がよく知っているからだろう。 いま鈴木宗男氏が世の中を騒がせている。彼が北海道にしたこと、北方四島にしたこと、アフリカにしたことが次第…  全文読む 評価する

弥勒 弥勒
りさこ/読むこと以外語り尽くせない一冊
 この物語は奥が深すぎる。99%の真実と1%の虚構、いやその反対かもしれない。99%の虚構と1%の真実。実際に「読む」ということ以外にこの本を語ることはできないほどだ。 彫刻家は石や木で作品を作るのではなく、その中にあるものを掘り出すという。この物語はまさにこれだ。篠田節子が作ったのではなく、篠田節子が書かされたのだ。だれに? 弥勒に? かつての日本のようでもあり、地球上のどこかの国のようでもあり、北朝鮮のようでもあり。地上の楽園とはよくきくが、地上の地獄、まさに地獄。読み終わると、食べることに困らず、布団もあり、着るものもたくさんあり、労働も適切なこの国に生まれて住んで生きていてよかったなあ…  全文読む 評価する

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