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したくないことはしない
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明日のジョー/植草甚一の時代性あるいは反時代性
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J・J氏こと植草甚一について私は決して熱心な読者ではなかったが、70年代サブカルチャーのカリスマの一人だったことはよく覚えている。ただ、個人的にいろんな意味で切羽詰まっていた学生時代のこと、「雨降りだからミステリーでも勉強しよう」などという心とおカネの余裕はなく、彼の散文をちらちらと読むことはあったものの、植草ワールドに深く浸ったという経験がない。一昨年、世田谷文学館で回顧展が開かれていたことも知っていたが、見逃してしまった。それでも、あの爺さん、どういう人だったんだろう。なんであんな変な人があの時代に脚光を集めたのだろう、という関心は持続していた。本書は70年代の若者からカリスマ的な人気を集…
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サッカーという名の神様
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明日のジョー/常識でこね固めた世界観にフェイントを
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サッカー本はそれなりに読むが、ロナウジーニョのパスの秘訣、中田がロッカールームで怒った理由、トッティの彼女はスーパーモデルなんてのは、まったく関心がない。ましてや「オシムの戦術は企業経営にも活かせるか」(無理だろうけど)なんていう手合いのサッカー便乗本は願い下げだ。 それよりも、なんというか、サッカーをもうちょっと違う視点から、たとえば政治・経済・文化の観点から位置づけて語るというのが好き。もちろん、ピッチでの90分のボールと足の動きは、それ自体は政治ではないし、戦争でもないし、ましてや経済でもないけれど、サッカーというスポーツを人類の営みの一つとしてメタにとらえれば、そこに色濃くあらわれる政…
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ベルリン陥落1945
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明日のジョー/ベルリン攻防戦、憎悪の連鎖を描く上質ノンフィクション
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戦史ノンフィクションものはめったに読まないのだが、夏に行ったベルリンという都市が、60年前にはどのような状態であったのかという興味から手にとってみた。ベルリン攻防戦は、東ドイツ国家の成立を含むドイツの戦後過程、そして東西冷戦の原点に当たるものだからだ。これがむちゃくちゃ面白い。面白いというと顰蹙を買うかもしれないが、ソ連軍の進攻とナチおよびドイツ国防軍の抵抗を軸に、刻々と変わる戦況を、兵士や市民の手紙も含む膨大な資料と証言から再構成するその筆致は見事というしかない。1926年生まれでロシア語やポーランド語も解するという訳者・川上 洸氏の、当時の軍事用語を駆使した的確な翻訳ともあいまって、上質の…
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靖国問題
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明日のジョー/戦争神社としての靖国の本質
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靖国問題について、戦前の仏教やキリスト教は靖国とどう対峙したのか。戦後直後に靖国神社廃止論というものはあったのか──という2つの疑問が私にはあり、本書を手に取った。 本書第三章「宗教の問題」で、著者は前者の設問に答えている。 ここで主に紹介されるのは、浄土真宗大谷派の行動だが、靖国神社に反対するどころか、積極的に迎合してこれを支えていることがわかる。「阿弥陀法の信仰は皇法の中に包摂される」つまり真宗の教義は、天皇に帰一する大政翼賛の体制の中に含まれ、そこから逸脱するものではないという「戦時教学」がその論理になっている。 こうした包摂を可能にする教学の論理は、戦時中のキリスト教団も同様だった。戦…
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転がる香港に苔は生えない
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明日のジョー/香港がつまらなくなったという人に
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2003年7月、基本法23条反対のデモで揺れる香港から帰ってきた翌日に、星野博美『転がる香港に苔は生えない』を読み出す。580ページを一気に読了。これ、とてもいい。 私もしがないフリーランスのライターだが、フィールドは経済・ビジネス畑。ある雑誌の仕事で、ここ5、6年毎年1回、香港の経済事情を取材に行く。マクロな経済の話となると、取材先は、エコノミストや金融系アナリスト、香港系、中国系、日系の企業経営者、いわゆるホワイトカラーの専業人士(プロフェッショナル)ばかり。もっぱら香港島サイドで取材をし、泊まるホテルは高級で、移動はタクシー。取材もほとんどが英語だ。この本の著者の星野さんがこだわった、…
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謝罪します
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明日のジョー/人間性喪失と回復の物語として
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よど号事件の亡命者の元妻の手記。内容は、すでに新聞・テレビ等で数多く引用されているが、あらためて読むとショッキングだ。漠然と自己実現をはかりたい、世の中を変えたいと思っていた、70年代には無数にいた政治的ミーハー少年少女たち。「北朝鮮の社会主義を現地で勉強してみないか」と誘われ、喜び勇んで北に行くと、強制結婚をさせられ、思想改造(洗脳)の果てに、有本恵子さんの拉致に関わっていく。国全体が密告社会ともいうべき北朝鮮では、拉致・詐欺の被害者もまたなんらかのかたちで加害者に転化しなければ、生き延びることができない。「数奇な運命」といってしまえばそれまでだが、奇怪な革命思想にとらわれることで、まっとう…
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