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時には昔の話を 時には昔の話を
みなとかずあき/映画を補完する本として、こんなの見たことないでしょう
映画『紅の豚』が公開された当時に刊行されたものだ。映画の主題歌と登場人物の1人・ジーナの声を担当した加藤登紀子と、映画の脚本・監督の宮崎駿がコラボレートした、その名も「中年の絵本」だ。2人とも戦時中の生まれと言う同世代で、映画公開頃に50代となったばかりというところだ。加藤登紀子の詩と映画の中で使われた歌、そして映画の音楽作りのヒントとして宮崎駿が久石譲に手渡したという詩が6編。さらに映画のエンディング用に宮崎駿が描き下ろしたイラストに、2人の対談が収められている。個人的な趣味から言えば、宮崎駿のイラストがカラーで収められているのが一番うれしい。アニメーションとして描かれた絵にも魅力はあるのだ…  全文読む 評価する

ナウシカの「新聞広告」って見たことありますか。 ナウシカの「新聞広告」って見たことありますか。
みなとかずあき/私はナウシカの新聞広告を見た覚えがあります。切り抜きにした覚えもあります。
挑戦的とまでは言わないまでも、ちょっと刺激的なタイトルの本です。『風の谷のナウシカ』が映画公開されたのは1984年で、まだ宮崎駿の名も広く知られていないどころか、この映画で映画製作から身を引くことも考えていた監督(と言うことは、宮崎駿はずっと同じことを言い続けてきたのかもしれません)の映画の新聞広告などほとんど気に留めてもいなかったでしょう。その『ナウシカ』から、この本の刊行された当時の最新作『猫の恩返し』までのスタジオジブリ(その前身も含めて)の映画の新聞広告に焦点を当てた本です。と言っても解説書や資料集ではなく、ほとんどのジブリ映画の新聞広告を担当したアートディレクター原美恵子氏を初めとす…  全文読む 評価する

虫眼とアニ眼 虫眼とアニ眼
みなとかずあき/『ポニョ』の原点を見つけた
1997年から98年にかけての宮崎アニメでいうと『もののけ姫』の頃と、2001年の『千と千尋の神隠し』の頃の、養老孟司と宮崎駿の対談を収めたものです。初出は『広告批評』『キネ旬ムック』『致知』です。前2者は比較的知られている雑誌やムックだと思いますが、『致知』はあまり知りませんでした。調べてみると創刊30年になる人間学の雑誌のようです。たいした脈絡はなく、ただ単に2人の対談を集めて、ジブリアニメ『猫の恩返し』公開に合わせて出版したというもののようです。なので、基本的には養老孟司と宮崎駿が、2人の興味関心の赴くままに話をしている印象があります。対談以前から知り合いであり、ほぼ同世代とも言える2人…  全文読む 評価する

詩と死をむすぶもの 詩と死をむすぶもの
みなとかずあき/「詩」は「死」を表そうとするものであるのかもしれず、「死」は「詩」のようなものかもしれない
時々谷川俊太郎の詩に無性に触れたくなることがある。「読む」というのとも違う。ただ単に「感じる」というのとも違う。谷川の言葉にいろいろと感じさせるものがあるのだろう。そしてさらに谷川の散文などにも感じさせるものがあるので、エッセイなどもよく読んでいた。その中の1冊のつもりで買い求めたのだけれど、この本はただ触れるだけではとても重いものが載せられているように思う。それは共著者(?)である徳永進の言葉と、その言葉を生みだしている彼の普段の臨床のせいのように思える。この本は、谷川俊太郎と徳永進の2年にわたる往復書簡が1冊の本となったものだ。徳永進がホスピス診療所の院長であることなどから、人が死に至る過…  全文読む 評価する

転移 転移
みなとかずあき/中島梓/栗本薫の最期を知りたくて
2009年にショックだったことの1つが栗本薫/中島梓の死だった。ネットのニュースで彼女の死を知った時にはしばらく茫然というか、いわゆる何も手に付かない状態だった。何がどうというわけでなく、ただただショックだったのを今でも覚えている。もちろん彼女がガンだったというのは知っていたし、『ガン病棟のピーターラビット』の最後で転移について触れられていたので、いずれはこういうことはあるとは思っていたが、それにしてもこんなに早かったとはとしか言いようがない。ネットのニュースでは中島が亡くなったことと彼女の業績について触れられていたが、彼女の最期がどんなだったかについてはあまり触れられていなかった。でも、ファ…  全文読む 評価する

精神科医は腹の底で何を考えているか 精神科医は腹の底で何を考えているか
みなとかずあき/これって私のことですか
何ともやっかいな本だと思います。昨年刊行されて比較的すぐ読んだのですが、どうにも書評が書きづらく、今日までためらってしまいました。ですが、このまま放っておくのも居心地が悪く、何とか落としどころを見つけたいと思うのですが。何がそんなに書きづらいかと言えば、この本のタイトルを読めばたちまち私にとっては『私は腹の底で何を考えているか』になってしまいますし、あるいは『同僚は腹の底で何を考えているか』とか『部長は腹の底で何を考えているか』や『医局長は腹の底で何を考えているか』とか『教授は腹の底で何を考えているか』と、本当のタイトルの「精神科医」のところに何人も具体的な名前が浮かんでしまうため、読めば読む…  全文読む 評価する

うつ病新時代 うつ病新時代
みなとかずあき/双極スペクトラムを臨床に生かしていくのに参考になる本
著者自身が「あとがき」で、「本書のお話をいただいたとき、粗忽にも私は、「精神科医へのメッセージ」という名のシリーズと勘違いした」と述べているように、「精神科医からのメッセージ」というシリーズとしてはやや難解な本かもしれない。だが著者が勘違いしたからこそ、私のような者には大変刺激的な本だった。『うつ病新時代』とタイトルされているが、この本のメインとなるものは副題にある「双極2型障害という病」である。一般の人にはまだ聞きなじみにくい「病名」であるかもしれないが、日々うつ病の人たちに接していると、この「双極2型障害」を抜きにして今のうつ病治療を考えることはできないとの思いを新たにした。と言ってしまえ…  全文読む 評価する

宗像教授異考録 宗像教授異考録
みなとかずあき/やはり縄文時代は私たち日本人の大事な部分を生み出した重要でかつ豊かな時代だったのかと思う
中編2つと短編1つが収められた第十二集ですが、圧巻は「第2話 生と死の女神」でしょう。刊行時の帯にも「星野之宣がいざなう、遥かなる古代・縄文の世界」とか「美しくて不可思議…世界最高の造形美を誇る縄文土器の情熱に、宗像が迫る!!」と書かれているように、この第2話で取り上げられている縄文土器と八ヶ岳と黄泉の国との話は、歴史に興味を覚える者としてはたまらない話です。しかも「第3話 神の背中」は第2話の後日譚のような話にもなっていて、作者の思い入れもそこにあったのかと思わせられるほどです。話のベースになっているのは、これまでも何度か取り上げられている日本の国造り神話イザナギ・イザナミに纏わる話であり、…  全文読む 評価する

三谷幸喜のありふれた生活 三谷幸喜のありふれた生活
みなとかずあき/中身を読めばわかるけれど、このタイトルを見た時にはつい小松左京の『復活の日』を思い出してしまったという人は、きっと三谷幸喜と同世代の人だと思う(と、同世代の私は思う)
いつも同じような書き出しになってしまいますが、これが三谷幸喜の朝日新聞に連載されているエッセイを単行本化したものの8冊目になります。2008年4月11日から2009年4月17日に載ったものだそうで、三谷の仕事に照らすと、映画『ザ・マジックアワー』公開、テレビドラマ『古畑中学生』放送、舞台『グッドナイト スリイプタイト』『returns』公演の頃だそうです。地方に住んでいると映画やテレビは見ることは出来ても、舞台はなかなか見られないので、このエッセイを読み続けているとそのあたりが歯がゆくなります。このエッセイのシリーズ5冊目『有頂天時代』の時にも書きましたが、現在なお三谷幸喜は大活躍中で、「脂の…  全文読む 評価する

徒然王子 徒然王子
みなとかずあき/全2部に纏めてしまうのはもったい内容に思えます
第一部を読み終わった時に「最終的にどのあたりに話が纏まっていくのかわからないけれども、今の日本とこれからを考えていく手立てとして、ぜひとも完結まで読み進みたい」「語ろうとしているのはこの日本の歴史そのもののようだ」と期待して続きを待っていたのですが、なんとこの第二部で完結だということです。「ブンゴー渾身の大作」とまで呼ぶのならば、せめて5部作とかそんなもんにしてほしかったとは思いますが、もともとこれくらいの話で留めておくつもりだったのでしょうか。第一部の終わりで前世巡りに出ることになった主人公・テツヒトが、この第二部で巡るのは紀元前の中国から日本へ、源平合戦後の平家の落人部落、安土桃山時代、そ…  全文読む 評価する

風雲児たち 風雲児たち
みなとかずあき/安政の大獄前夜といったところでしょうか
表紙に登場する人物は、川路聖謨、岩瀬忠震、プチャーチン提督だそうだ。だが、読んでみるとこれらの人々は第一章で出てくるのみ。第16巻は以下のような話だ。 第一章 さらばプチャーチン 日露修好通商条約締結の後日談的に、川路聖謨とプチャーチンの交流が描かれたのち、幕府内で井伊直弼が権勢を奮いつつあるところを描いている。途中佐久間象山が出てきたりもする。 第二章 密勅降下 孝明天皇が1858年に認めたという戊午の密勅が水戸家に下される一件が描かれている。これはこの巻の後にも繋がっていくことで、幕末の一大事ということらしい。その割には通り一遍の日本史では教えられないような気もするが。 第三章 水戸家大パ…  全文読む 評価する

加藤和彦ラスト・メッセージ 加藤和彦ラスト・メッセージ
みなとかずあき/2009年の重大事を改めて知らしめてくれた1冊
2009年でショックだったことの1つが、加藤和彦の死だ。何がショックかと訊かれてもうまく言えないのだけれど、ともかくショックだったのだ。それは未だに彼についての報道やコメントやその他もろもろを見聞きするにつけ、心が揺さぶられてしまうことだ。何か居てもたってもいられず、慌ててCDを何枚か買ってしまい、何度も聴き直していた。そんな矢先に出版されたと知ったのが、この本だった。まあタイミング良くこんな本を出す人や出版社があるものだと思ったのだけれど、インタビュアーで構成をした松木直也によるとこの本のアイディアというか発案者は加藤和彦自身で、すでに2年前に作られ始めていたというのだから、すべては加藤和彦…  全文読む 評価する

ペンキ木馬の恋人 ペンキ木馬の恋人
みなとかずあき/ペンキ木馬っていう言葉があるんですか?
ある程度予期していたことではありますが、読み終えてみてため息が出てしまうのはやはりさびしいです。 勝気に見えて弱いところを多くかかえ健気でもある女性。その女性が恋焦がれる(?)自分の生き方を全うする一種生活破綻者の男性。一方、優柔不断なことが多いのだけれど時に一所懸命さを発揮する男性。その男性にからんでくる情緒不安定な女性。 思い返してみるとどの柴門マンガにも必ず出てきていたようなキャラクターが、また同じように絡まりあって恋愛模様を描き出すというパターンを繰り返した1冊のように思えます。もちろん、それに共感できるところが多くて読んでいた時代もあったのですが、それにしてもねえと思ってしまうのは …  全文読む 評価する

真夜中のユニコーン 真夜中のユニコーン
みなとかずあき/これを伊集院大介シリーズとは言ってほしくないけれど、別の意味で面白い話でした
副題に「伊集院大介の休日」とあり、刊行時の帯にも「書下ろしシリーズ最新作」とあるように、どうみてもあの伊集院大介シリーズの1冊と位置付けられてはいるのですが、いったいどこに伊集院大介が出てくるのか。すごくうがった見方をすれば、「伊集院大介の休日」なので、「この話では伊集院大介はお休みです」と宣言しているのかもしれないなんてことまで思ってしまいます。それだけ彼は出てきません。かろうじて助手の滝沢稔/アトムくんが出てきますが、それとてもすでに皆知っているからなのか、文章中にはどこにも「伊集院大介の助手の」といった但し書きは出てきません。しかも舞台はほとんどつぶれかかっていると言ってもいいテーマパー…  全文読む 評価する

水曜日のジゴロ 水曜日のジゴロ
みなとかずあき/栗本薫がここで語りたかったことはよくわかるけれど、探偵小説としてはあまり面白くない話だ
伊集院大介シリーズにはさらにシリーズ内シリーズとでも呼べるものがいくつかある。一番代表的なものが「天狼星」シリーズだろうし、栗本薫が登場する(むしろ栗本薫こそ主人公のような)話も「猫目石」などのようにある。本作の語り手となっている藤島樹が登場するものは、『魔女のソナタ』に次いで二作目になるかと思う。前作に続いて、レズビアンだのホストだのといったたぐいのことにからめて樹が物語を進行させていくのだが、栗本薫はよくよくこういった世界が好きなのかしらん。これをさらに突き詰めていくとヤオイになっていくのだろうけれど、一応伊集院大介シリーズなのでまだまだ大人しいと言うべきかもしれない。それに一応探偵小説な…  全文読む 評価する

BILLY BAT BILLY BAT
みなとかずあき/あまりの壮大過ぎて、どう理屈をつけていいのかわからない
その昔、石ノ森章太郎の『マンガ家入門』だったかで、雑誌連載の時には連載の1回ずつに見せ場がなくてはいけなくて、特に最後は続きを読ませたいという気持ちにさせるような終わり方をしなくてはならないというようなことを読んだように思う。そんなことをこの第2巻を読んで思い出してしまった。以前からその傾向はあって、それが時に批判的にも言われているのだけれど、浦沢直樹の作品は基本的に雑誌連載をベースにしているので、1話ごとに見せ場や決めのコマなどがある。それが大きな物語全体として伏線になったり、サイドストーリーになったりするのだから、そのような物語を作り出し描くことができる浦沢直樹はやっぱりすごいと思う。だけ…  全文読む 評価する

早春の少年 早春の少年
みなとかずあき/かくして名探偵は名探偵となるべくして生まれてきたのだ
この本を読みながら、常に頭をかすめたのがテレビドラマ『古畑中学生』でした。後に名刑事となる古畑任三郎の中学生時代を描いたドラマで、中学生の大人になりきれない中途半端な、だけど自我意識だけは強い頃を事件を絡めながら描いたものですが、何がどうと言うのでなく似ていると感じてしまったのです。確かに中学2年生が終わる3学期から春休みにかけて、中学生の伊集院大介が子どもながらに殺人事件を推理していくという話のおおまかなストーリーはあのドラマのようです。もちろんそこは栗本作品ですから、他の作品の舞台にもなった平野という町の言い伝え、伝承と絡めて不思議な世界を作り出しています。あくまで架空の町だからでしょう。…  全文読む 評価する

マザー・グース マザー・グース
みなとかずあき/ロンドン橋と6ペンスのうた
マザー・グースをどのように楽しむと良いのか時々考えてしまいます。もともとフォークロアとして、声に出して語り継がれてきたであろうものを、活字として読むというのも何でしょうし、かと言って英語でペラペラ喋れる訳でもない私たちとしては、まず日本語で読むことから始めるしかないのかとも思いますし。谷川俊太郎訳の『マザー・グース』文庫版第2巻はそれでも、あの超有名なうたが載っているので、何だかホッとします。ロンドンばしが おっこちる おっこちるったら おっこちるロンドンばしが おっこちる きれいなきれいな おひめさまでもこれって、結構長いうただったんですね。ロンドン橋が落ちないように、粘土と木で作れと言った…  全文読む 評価する

星新一空想工房へようこそ 星新一空想工房へようこそ
みなとかずあき/『星新一』ガイドブックと言っても良いかもしれません
新潮社の「とんぼの本」と言えば写真やアートを主体としたカラーの本だと思っていたので、星新一をどのように取り上げるのかと思いましたが、最相葉月監修と言うことで、いわば『星新一1001話をつくった人』のビジュアル版といった感じです。あの分厚い伝記を読む時の参考書(?)にしても良いでしょう。この本と合わせて2冊で星新一の世界を楽しむという方法もあるかもしれません。そう思わせられたのは、「chapter1 Mr.ショートショートの居た場所」で出てくる本郷駒込、箱根・強羅、戸越、銀座・まり花、高輪での古い写真や遺された品々の写真などからです。『星新一』の文章だけではわかりにくかったかつて星が過ごした家や…  全文読む 評価する

星新一 星新一
みなとかずあき/子供の頃のあこがれの人でした
巻末の参考文献を除いても全部で560ページを超える本なんて久しぶりに読んだ気がする。読む前にも何度か躊躇したのだけれど、書かれているのが星新一なので読まないわけにはいかないとは思っていた。そして読んでみて、ただただ圧倒されるだけである。それは、本の分厚さだけの問題ではない。これでも星新一を初めて読んでから30年以上もたつので、また一時期は日本SFを読み漁ろうとしていた時もあったので、ここで書かれていることの大雑把なところは知っていることではあった。本の帯には「知られざる生涯をたどる」というようなことも書かれているが、ちょっとしたSFファンなら知っているだろうことのようにも思う。それでも星の幼年…  全文読む 評価する

ロトの紋章 ロトの紋章
みなとかずあき/いっそ悟空らしき人もいてくれると一層面白いのに
続編(?)も早くも9巻目に入りました。雑誌連載でなく単行本化されるたびに読んでいる者としては未だにストーリーがよく掴めていないところがあり、各巻でのエピソードを楽しんでいるうちに何となく全体を思い出してくるといった感じです。9巻は「イシス編」となっています。たぶん前作でもそうだったと思いますが、イシスでの4年に1度の武闘大会なんて『ドラゴンボール』を思い出してしまい、つい笑ってしまいます。悟空たちが出てこないだけで、ほとんとまんまなのですから(9巻では武闘大会は始っていませんが)。老ファンなど亀仙人そのまんまですし、チャンはクリリンですか。長い物語なので、途中でそんなエピソードもあっても良いの…  全文読む 評価する

新ブラックジャックによろしく 新ブラックジャックによろしく
みなとかずあき/いつまで続くのこの暗さ
生体腎移植を題材にして臓器移植の問題について扱っている【移植編】が続いているが、相変わらず暗い。扱っている問題が深刻なものを含んでいるということから、ことさら明るくはできないのだろうけれど、それにしてもだ。そこにさらに主人公斉藤先生のプライベートな問題も加わって、深刻さが「これでもか、これでもか」と並べられるともう辛くなる。そしてその印象を助長するかのような画面がある。画面自体が暗いのだ。スクリーントーンを多用しているせいとも言えないだろう。スクリーントーンにも画面を明るくするものがある。そうではない暗さが、これはもう漂っているとしか言えない。【移植編】で続いているストーリーとしての問題は、他…  全文読む 評価する

対談 現代詩入門 対談 現代詩入門
みなとかずあき/詩あるいは詩人の世界がこんなにも豊かなものだとは知りませんでした
決して詩が好きと言うわけではなく、ただ谷川俊太郎のいくつかの作品は惹かれるものがあり、時々無性に谷川の詩やうたを読みたくなったりする。たぶん、この本はそんな時に買い求めて、でも対談だったのでそのままにしてしまったというところかと思う。カバー絵が安野光雅だったというのも理由の1つかもしれない。巻末に「本書は、「現代の詩人」(全十二巻、中央公論社刊)付録の月報に連載された対談に、連載時に紙数の都合で割愛せざるを得なかった部分を補ったものです」とあるように、今からおよそ四半世紀前に刊行された詩のアンソロジーのおまけ(?)で、後1985年に単行本として出版されたものの文庫化したものだ。対談そのものは5…  全文読む 評価する

気まぐれスターダスト 気まぐれスターダスト
みなとかずあき/今改めて星新一
真鍋博のイラストが懐かしさを誘うカバー絵で、タイトルもいかにもと言う感じの「気まぐれスターダスト」。そして未刊行ショートショートが収められていたり、「幻のジュニアSF」も収録されているとなると、星新一ファンとしては放っておくわけにはいかないだろう。星新一の全集とでも言うべきものは、1974年から75年にかけて新潮社から刊行された「星新一の作品集」全18巻と、ショートショートが1001編に達した後に3分冊で刊行された「星新一ショートショート」しかないままなので、この本はそれを補う1冊にもなりうる。収められたショートショートは20編。やや長めのものもあるが、これぞ星新一ショートショートと言うべきも…  全文読む 評価する

青の時代 青の時代
みなとかずあき/70年代大学生の時代を垣間見せてくれるのでしょうか
まだ伊集院大介が自他ともに認めるような名探偵となる前のエピソードがいくつかありますが、そのうちの1つ。時代は1973年で、いわゆる70年の学園紛争が終わったあとの学生演劇を舞台としたものです。もっとも語り口は、現代の大女優が自分の若かった頃のことを思い出しているという形になっています。なので、『青の時代』ということなのでしょう。栗本薫が70年代を語る時に時々とっているのですが、ここでも各章のタイトルが歌からとられています。第1章 あの時代を忘れない第2章 蜜の味第3章 翼を下さい第4章 ライク・ア・ローリングストーン第5章 時の過ぎ行くままに第6章 大団円――BECAUSE誰のどういう歌なのか…  全文読む 評価する

アルファベット26講 アルファベット26講
みなとかずあき/良い本は何度読んでも良いのだけれど、せめて読んだことくらい覚えておきたい(反省)
人間の記憶なんて当てにならないもので、ましてや歳を取っていくとその傾向は強くなるようで、この本を23年前に文庫として刊行されて間もなくして読んでいたなんてことはすっかり忘れていました。このところ谷川俊太郎ものをいくつか読んでいたので、その繋がりで何気に手にして読んだのですが、どれもこれもが新鮮で、あとになってすでに読んでいたことがわかって、自分で自分を情けなく思ったわけです。閑話休題。それでも20数年ぶりに読んでみて、そこそこ拾いものだったと言えるかもしれません。 谷川俊太郎が、「1961年の6月から12月にかけて、<スチューデント・タイムズ>という若い人むけの英字新聞に日本語で(!)連載した…  全文読む 評価する

未来を切り拓いたモノ創り 未来を切り拓いたモノ創り
みなとかずあき/未来創造堂
この本の基になっている日本テレビ系でついこの間まで毎週金曜日の11時台に放送されていた『未来創造堂』が好きで良く見ていたので、そのつながりで読んでみたのですが。これって、「追加取材」とは書いてあるので、テレビで放送された時よりは何らかの情報が追加されているのだとは思いますが、その語り口というか文章の書き表し方はテレビの語り口そのままでした。「メイド・イン・ジャパン」を体現しているモノについて12話収められていますが、そこにはほとんど脈絡がなさそうです。ちなみに、飛行機コンタクトレンズファックスオセロ巨大水槽包丁ビーチサンダルビリヤードのキュースポーツサングラスホイッスルハーモニカニット編み機と…  全文読む 評価する

ぺ
みなとかずあき/「「ぺ」については、過去およそ三十年間、私はさまざまな機会をとらえて発言をつづけてきた」
「この作品は1982年に講談社文庫として刊行されたものに、谷川氏が加筆され、和田誠氏がこの版のために新しく描かれた装画を基に新装した上で、出版いたしました。(編集部)」とあるように、もともとは27年も前に刊行されたものであり、さらに当時の著者あとがきを見ると「その大半が1960年代前半に書かれたもの」ということで、23編がどれもどう読み込めば(と言うほど1編1編の量があるわけではないのだけれど)良いのか考えてしまいます。そもそもショートショートと言えば星新一と思ってしまう私なので、あの谷川俊太郎が詩ではなく、うたでもなく、ショートショートを書いたというのが意外でもあり、言葉を扱う人なのだから「…  全文読む 評価する

音楽は自由にする 音楽は自由にする
みなとかずあき/坂本龍一も自伝を出すような年齢になったんです
坂本龍一の自伝だ。まさか、そのような本を読むことがあろうとは。これまでもメディアのジャンルを超えて様々な作品などを残してきた人だし、本本堂を起こした人であるし、村上龍などとコラボレートした本もすでに出している人なので、本を出版することに違和感はないのだけれど、それにしも「自伝」なのだ。坂本龍一もそんな本を出す年齢になったのかと思うと感慨深い。そして、そんな本を読みたくなってしまう自分の年齢も考えてしまう。このところYMOが復活(?)したりして、確かに坂本の過去を振り返るような発言もあちこちで見られたり、聞かれたりはしていたが、これだけまとまって過去を振り返るという作業はなされていなかったと思う…  全文読む 評価する

ペンキ木馬の恋人 ペンキ木馬の恋人
みなとかずあき/画業30周年だそうだ
迷いました。1980年代から1990年代は迷わず、柴門ふみのマンガと言えば必ず手に入れていました。多少世代が上だったとは思いますが、ほぼ同世代、同時代の若者を描いている作品は、それぞれのキャラクターに好悪はあるものの、どこかに必ず共感できる部分があったのだと思います。だから迷いはありませんでした。 しばらく柴門ふみの新作にお目にかからなかった時期があるように思います。むしろ旦那の方がマスコミに取り上げられたり、登場したりして、もう柴門マンガも終わりかと思ってしまった頃かと思います。 しばらくして、また新作が目に止まるようになりました。でも、そこで繰り返されているのは、すでに時代遅れと言ってもい…  全文読む 評価する

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