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鉄のライオン
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ひろし/あの頃を思い出しながら
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12の短編からなる本作を読み始めてすぐ、「え゛~・・・マジで!?」と声が出てしまった。重松氏の作品は、年代が近いせいもあっていつも胸に来るのだけれど。いわゆる青春時代だった80年代の、何と重松氏自身の「自分語り」的小説になっていたからだ。これまで重松氏の作品は相当読んできたけれど、こういうテイストの作品は初めてではなかろうか。しかしまぁ、ドラマチックな学生時代を過ごされたこと。「恋するカレン」「ホイチョイプロダクション」「ジョン・マッケンロー」「ふぞろいの林檎たち」「ボブ・マーリー」。どの単語を取っても、今40代半ばを迎えた僕らにはなじみ深くて、本当に懐かしい物ばかり。それらの単語がそのまま、…
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万能鑑定士Qの事件簿
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ひろし/仏様はどこにいると思う?
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京都を舞台に繰り広げられた本作品、莉子が今回挑むのはお寺の住職。たった5年で貧乏寺を京都1の有名寺、パワースポットに変えてしまったイケメン住職水無瀬の、詐欺行為を暴くのだが。その水無瀬はなんと、かつて莉子が師事した瀬戸内の兄弟子だった。水無瀬と莉子、二人の壮絶な頭脳戦が繰り広げられていく。宗教的な儀式やパワースポットなる物は、往々にして非科学的でありながらも人の心を捉えて離さない。だからそこにビジネスのチャンスも、詐欺行為も生まれてくるのだが。曖昧模糊としたその世界と、莉子の論理的な思考展開の対比が面白く読めた。また伝説の国宝を巡る謎解き的な部分は、かの「ダヴィンチ・コード」の日本版、的な面白…
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ゼロ
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ひろし/最終巻、ゼロが最後に産み出した究極の贋作とは
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終わってしまったか・・・実に感無量。ゼロに出会ってからどれくらいの月日が経ったのかと思い単行本第一巻を見てみたら、発行が1991年との事。実に20年もの間、ものすごく楽しい思いをさせて頂いた。これまで43年の人生でいくつか印象的な別れがあったけれど、ゼロとの別れもその一つになると思う。もし一度もゼロを読んだことが無い、という方はぜひ何巻でもいいから手に取ってみる事をオススメします。基本的に読み切り連載なのでどこを読んでも完結編、とても楽しめるはず。きっと楽しい時間が、いや楽しい人生が過ごせるようになると思う。それくらい、興味深くて意味深い作品だった。人類が産み出してきた、あらゆる作品。絵画や彫…
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風の中のマリア
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ひろし/誇り高きスズメバチの戦士の物語
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スズメバチの中でも最大の種である、オオスズメバチ(学名ヴェスパ・マンダリニア)を擬人化し、冒険小説に仕上げてあるのが本作品。誇り高き女戦士、マリアを主人公に壮大な物語が紡がれる。しかしスズメバチの非常に不思議で面白い生体が想像以上に詳しくアカデミックに描かれてあって、そういう点でもとても興味深く読める。だから小学校高学年~中学生くらいに、ぜひ読んでもらいたいなぁと感じた。もちろんそれ以上の年齢でも、とても面白く読める。オオスズメバチとして生まれ出たマリアが、自分の帝国(巣)を守るために、戦士として色んな生き物と戦っていくほんの1ヶ月ほどの一生が描かれている。昆虫界最強と言ってもいいオオスズメバ…
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いすゞ鳴る
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ひろし/お伊勢参りかくじら漁か・・・
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山本作品はどれもまっすぐで読みやすく、さらさらと読めてガツンと胸に来るものばかりなのだけれど・・・。本作品はそういう意味では、ちょっと読みにくかったか。どこに主眼を置いて読んで言ったらいいのかが、序盤で掴みきれなかった。最後にようよう考えてみたら、ああそういう事かと納得は行ったけれど、どうも読んでる最中は心が右往左往してしまった。帯には「いざお伊勢参りへ」と大きくあるし、四国の高知で始まる序盤の物語も、どうやら鯨漁師らがお伊勢参りへと向かう展開。この人々が主人公として物語は進んでいくのかと思いきや、大地震の起こった江戸ではまた別の物語が展開し、豪商伊勢屋とその一行がお伊勢参りに向かう。高知と江…
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アントキノイノチ
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ひろし/仏さんを助けに行こう。
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しかし本当に感心するけれども、さださんの作品はどれも外さず素晴らしい。日本が誇るミュージシャンでありながら、これほどの物語が紡げるというのは一体どういう才能なのか。さださんの作品はいつも、人の命、生命にまつわる物だ。色々書こうと思ったけど、読み終わった今うまく言葉にならない。何せとても素晴らしい。高校時代に友達に騙され、その男に友達を自殺にまで追い込まれ、今度はその男を何度も殺してやろうと決意する。そうしているうちに、どんどん心が壊れて行ってしまった主人公杏平。それからはうまく人と接することが出来なくなっていた。21歳になった杏兵が、父の勧めで「遺品整理業」会社で働き始める。主な仕事は、孤独死…
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夕映え天使
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ひろし/コクと深みを増した浅田作品
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「義士壬生伝」や「天切松闇語り」「プリズンホテル」など、人情味あふれる作品でつとに有名な浅田氏であるけれど。たまにとても不思議な読感のある作品を発表される。例えば「紗高楼忌憚」や「椿山課長の七日間」、「あやしうらめしあなかなし」あたりが挙げられるだろうか。一種異様、とも表現できるかもしれないが、もちろん決して嫌な物ではなく、浅田氏らしい人情味に、深みとコクを与えたような感触。これらの作品に共通しているのは、「超常」的な現象を扱っている、という事だろうか。霊魂や、死後の世界など。現代科学では解明できないような現象を取り入れる事で、作品に深みとコクを与えてとても独特な読みごたえを感じさせてくれる。…
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ビブリア古書堂の事件手帖
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ひろし/2作目にしてこのクオリティ
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前作を読んだ時は、こんな面白いテーマをよう見つけたものだと感心したもの。物語の締め方からして、これはきっと続編が出るだろうなと期待していた矢先に出たのが、本作。期待は高まるけれど、そうそう面白い物語を紡げる、簡単なテーマではないとも思う。だから半分くらいの期待で突入した物の、今回も十分面白いストーリーで大満足。どうやら「前作が人気だったので急きょ続編を」という感じでは無く、大きな物語が出来上がっていて、それを何冊かにまとめて発行していくと言う感じなのか。それなら今後さらに続編が発行されたとしても、本作以上のクオリティを期待できる。実際本作の終わり方も続編を感じさせるものがあり、次作も非常に楽し…
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万能鑑定士Qの事件簿
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ひろし/VS = →
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鑑定士シリーズもはや10作目。この作品では、莉子がどのようにして万物の鑑定が出来るような頭脳を持ちえたか、に触れる。というより、整理して物事を考える秘術を知るのである。そこで登場するのが、上の三つの記号「VS」「=」「→」。人生の師であるチープグッズの店長、瀬戸内陸。莉子は陸から、あらゆる事柄はこの三つの記号を用いて考える事で、必ず答えに行きつく事が出来ると教わる。最初こそ半信半疑だった莉子も、毎日陸から送られてくる難題を説きつつ、手ごたえを感じていくのだった。一方、今回起こる事件は「印鑑偽造」。美容室チェーンのレティシアが、実印を偽造されてチェーン全てをヤクザがらみの会社に乗っ取られようとし…
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宙ぶらん
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ひろし/伊集院静か夏目漱石かのレベル
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伊集院さんの作品は、もう長い事愛読してきたけれど。歳を重ねるごとに、凄みを増しているというか本当に独特の世界を築き上げてると感じる。クリエイターというより、もうアーティストの域に達してるのではとさえ思う。この読み口は、他のどこにもない。何とも深く濃く、どこかノスタルジックで胸の奥深い所に流れ込んでくる感じ。ふと思ったのは、例えば名だたる名画の、その生まれた経緯を物語にしたら、こんな短編が生まれるのではなかろうかという事。ゴッホの「ひまわり」は美しい名画だけれど、その作品が生まれた背景には、恐ろしいまでの人間模様がある。それを文章にして物語のようにしたら、この短編達のような読み口になるのではない…
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オリンピックの身代金
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ひろし/日本の未来の為に、日本を脅迫せよ!
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時は東京オリンピック開催直前の東京で、一介の東大大学院生が民主主義のあり方に疑問を抱いて国を相手に脅迫事件を起こすという本作品。上巻の最後で、とても犯人には思えなかった島崎国男が爆破犯とはっきりした。この下巻ではいよいよ、警察が威信をかけて東京オリンピックの開催と島崎国男逮捕に動き始める。しかし国男はスリの村田を味方に得て、奇跡的に警察と公安の追手を逃れ続ける。そしていよいよ、オリンピックの開催日がやってきた…。この物語、読んでいてちっとも嫌な気がしないのは、要は悪人がいないからだ。犯人の島崎国男は日本の未来を考えた時に、この社会構造はおかしいだろうと、国に一石を投じるために犯行を行っている。…
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オリンピックの身代金
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ひろし/さすがの筆致!面白い!
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時は昭和39年、日本は敗戦から二十年近くが経ち、翌年に控えた東京オリンピックに人も街も湧きかえっていた。そんな折に起こった、警察要人宅の爆破事件。犯人は過去に連続爆発事件を起こしまだ捕まっていない「草加次郎」を名乗る声明文を警察に送りつけた。その後も爆破事件は続き、その犯行声明文は、東京オリンピックでも爆破事件を起こしてほしくなければ、8千万円を用意しろという物。もしオリンピックで爆破事件など起これば、警察の信用どころか日本の国際社会における立場は地の底に失墜する。果たして犯人は本当に草加次郎なのか、警察の威信をかけた犯人捜査が始まる。ただの「爆破事件捜査」がテーマではないのが、本作品の面白い…
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新小岩パラダイス
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ひろし/幸せの意味を問う、そこそこ下品でとても素敵な物語
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混沌としてごった煮のような物語でありながら、がっちりと一本の筋が通っている、素晴らしい物語だった。その筋とは、「人生において、お金こそが幸せなのか」という事。これは誰もが考え、でも答えの出にくい一つの真理なんじゃないかと思う。主人公の正志は産み落とされてすぐに捨てられ、孤児院で育った25歳。生きがいなぞついぞ見つけられない毎日で、それでも勤めていた派遣業からもクビを言い渡され、その翌日には同棲していた恋人に有り金を全て奪われて逃げられた。無一文になった正志が死を覚悟した時、差し伸べられた太い腕は「えだ豆ハウス」に暮らすゲイの桂木泉だった。月3万円のその安アパートには、DJを目指すゲイから外国語…
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指名手配
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ひろし/ライトでコクのある刑事もの
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古今東西「警察物」というジャンルにおいて、物語は星の数ほど生み出されてきた。それだけ世の人々は警察物が好きなのだという事だろうけれども、斬新な物をとなるとやはりなかなかに難しい。そんな中にあって本作品は、斬新とまではいかない物の、ちょっとこれまでの警察物とは違う感触だった。主人公の七倉愛子は、30台半ばのバツイチ新米警部補。愛子は語学に堪能で、英語・フランス語にベトナム語他、数か国語を話す事が出来る。さらに記憶力が抜群で、何と絶対音感まで持っている。その特殊能力を買われて、見当たり捜査班に特別捜査官として配属されていた。見当たり捜査班とは指名手配犯の顔を徹底的に覚え、雑踏に潜む容疑者を検挙する…
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ほたるの群れ
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ひろし/神展開!
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まだ登場人物達が混沌の中にあった前巻。中学校と言う平和の象徴のような舞台の裏で繰り広げられた、血で血を洗うような戦いと殺戮。同級生喜多見を守る為に、力を覚醒させた永児だったが…。何せこの作品は、空気感が面白い。恐ろしい戦いが繰り広げられている、その表舞台を中学校に設定した事で、平和・や日常とのコントラストが空気を歪ませ、一種独特の雰囲気を持たせている。物語は全然違うけれど、以前観た映画「サマーウォーズ」にちょっとテイストが似ているかも。デジタル世界で大変な事件が起こっているものの、物語の舞台は牧歌的な田舎町で、平和な家族の中主人公の高校生がパソコンに向かって奮闘する。あの映画を観た時の不思議な…
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銀しゃり
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ひろし/色んな「思いやり」のカタチ。
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相手を「思う」事と「思いやる」事は全く違う。相手を思う事は自分本位になりやすいけれど、思いやる事は相手の立場になって最上であるように考える事。そしてそれは、あらゆる人間関係で一番大事な事ではなかろうか。親子、兄弟、夫婦、恋人同士、上司と部下、子弟、雇用者に被雇用者等々。その思いやりに「無私」の感情が入ったら、「愛情」となるのだと思う。となればこの作品は、たくさんの「愛情」が織り込まれた物語かもしれない。そのすべての形が、描かれている。さて毎度色んな職業目線から、江戸の風情と粋な文化を紹介してくれる山本作品。今回の主人公新吉は鮨職人。長い間修行を積んだ新吉が江戸に自分の店を構え、四苦八苦しながら…
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明日のコミュニケーション
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ひろし/わっくわくする!
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まず読み始めてすぐ感じたのは、何とも言えない高揚感。気持ちが何ともわくわくとしてくる。本作品は胸躍る物語でもなければ、感動的なドキュメンタリーでもない。昨今加速的にネット世界に浸透してきた「ソーシャルメディア」に関して書かれた、どちらかと言えば固い感じの作品。なのにこのワクワク感は、一体なんだろう。ソーシャルメディア、ツイッターやフェイスブックを知らない人はそうそういないだろう。実際に使っている、という人も身の回りに相当いるのではないかと思う。しかし「活用」出来ているかと言えば中々うまく行っていない人も多いし、商業キャンペーンに応用できているかとなると、「チャレンジはしたけど挫折した」という人…
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二天一流はなぜ強かったのか
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ひろし/もののふを読み解く
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当然と言えば当然だが、日本人はサムライが好きである。剣道は相変わらず盛んだし、色々なスポーツの場で活躍する選手やチームに、「サムライ」と呼称を付けたりもする。やはり日本人である以上、きっとどこかに残ったサムライのDNAが、そうさせるのではないかと思ったりもするが。では例えばサムライの流派や剣豪をどれほど知っているかと問われると、宮本武蔵に沖田総士、岡田以蔵が出れば物知りな方か。流派に至っては、千葉周作の北辰一刀流や徳川お抱えとなったの柳生新陰流ですら、あまり知られてはいないのではないか。サムライニッポンをこれからも謳うなら、そういったもののふたちの系譜を読み解いておくのも、とても興味深く大事な…
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流星の絆
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ひろし/長い割に・・・
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600ページを超える本作品、でも正直な所ここまで長くする必要があったのかとさえ思うし。内容からするとこの長さになっている事が不思議なくらい。「絆」という程、ものすごく強い兄弟愛を感じるでもなく。時間的な軸で言えば多少の広がりはあるものの、基本的にこじんまりとした作り。「流星」に多少のトリック?を思いついて書き上げたと思われるけど、終盤にあるドンデンは当然のごとく序盤から気が付くものだったし、結末もまた序盤の序盤に示された布石から十分推察出来てしまった。また末っ子の妹、女性の思慮が浅く情に流されやすい生き物ゆえ、兄弟の作戦が失敗してしまう、的な展開も何だかなぁと感じてしまった。「ここが面白い!」…
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ハッピー・リタイアメント
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ひろし/幸せなリタイヤメントと天下りの実態
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まず作品の掴みからして面白い。ある時浅田氏の元に一人の天下り職員が訪ねてきて、大昔に借用して既に法的債権は無効となった借金を、書類上だけ片づけて欲しいという。氏は色々と試行錯誤した後に、当時の借金を返す事にした。そこで天からドーン!と降ってきたという。これがまさかと思ったが、どうやら実話らしい。それをそのまま物語に使うというのは、浅田氏ならではの大胆さ。非常に斬新で面白く、すぐに物語に入り込めた。さて物語は二人の謹厳実直な国家公務員と、その天下り先の機関JAMS(全国中小企業振興会)の女性職員を主人公に、まずは日本の「天下り」システムの実態を暴く感じで進んでいく。実際「これは事実なのか…」とそ…
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おやすみラフマニノフ
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ひろし/特に、クラシック好きは外すべからず
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前作「さよならドビュッシー」に続き、特に、クラクシック好きにはたまらない一冊になっていました。本作品では音楽学校を舞台に、「ストラディバリウスの密室盗難」や「貴重なグランドピアノの破壊」などのミステリが展開されます。いわゆるフーダニットハウダニット系のミステリも上々で、十分楽しめるのですが。それがまた「音楽的観点」「音楽家的思考」が絡んで来るので、予期せぬ展開に翻弄されまくりでした。またこのシリーズの大きな楽しみに、クラシック音楽がある。今回も単に音楽学校を舞台にしているのではなく、そこで学び研鑽する学生達の実際が描かれるし、非凡なるものの存在や、その才能と自分を比した時の苦悩までもがリアルに…
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万能鑑定士Qの事件簿
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ひろし/モナリザへの挑戦
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これまで比較的「さらっと読めて面白い」感じだったこのシリーズ。9作目になる本作品では、これまでとは一味違う深さと興味を感じた。何せ相手はあの世界的名画、いや世界一の名画「モナリザ」なのだ。シリーズ7作目で、莉子がルーブルに展示されているモナリザを観て感じていた違和感。あれが布石となって、今回の作品へと繋がっている。何せモナリザには、色んな秘密や謎が付きまとう。実は絵のモデルはダヴィンチ本人ではないか、とか絵の中に色んなメッセージが込められているとか。その中の一つ、モナリザの「瞳」に関する謎が今回取り上げられている。日本にやってくるモナリザを守るために、ルーブルから臨時学芸員として認定された莉子…
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国防
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ひろし/恐ろしく頭の良い人
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非常に興味深く、面白い!とそれですべてな感じさえする。久々に、読みながら息が荒くなるような作品だった。300ページ程の本であるが、濃度はその2倍にも3倍にも感じた。防衛庁長官時代の石破氏を、よく覚えている。どんな討論であろうとも、いつも冷静沈着で、感情的になる事がない。それでいて話す言葉は非常に的確で、鋭い。テレビ討論など、何とも頭の良い人だなぁと見ていたものだ。しかし本作を読んでみて、その見解が少し変わった「何とも頭の良い人」どころか、想像だに出来ぬほど、素晴らしく頭の良い人だった。かつユーモアもあって勤勉で体力もある。ちょっとしたスーパーマンにさえ思えた。そして本当に、全身全霊で、日本に、…
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靖国への帰還
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ひろし/靖国問題を、英霊が語ったとしたら。
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この時期になると、こういう本をいくつか読みたくなる。戦争反対、誰が何を言おうと絶対反対。その意識を再確認して強めるためにも、こういう本を読んでおきたいと思う。この作品の下地となるのはタイトルからも分かる通り、毎年夏になると取り沙汰される「靖国問題」である。すなわち政府筋公人の靖国参拝の問題と、A級戦犯合祀の問題。色々な人が色々な立場で、毎年意見をぶつけ合うが。本作品の非常に興味深いのは、当のご本人たち、すなわち靖国に眠る英霊達がこの問題に言及したら、どんな事を言うのか。また今の日本と靖国を取り巻く問題を見聞きした時に、一体何を思うのか。それをテーマにした所である。誰しも一度は現代の繁栄と豊かさ…
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あすナロびより
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ひろし/ナロありがとう。
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「あすなろにっき」に続く、イラストレーターたかしまてつをさんの娘猫「ナロ」の、フォト&まんがエッセイ第二弾。相変わらず、というかさらに可愛さを増したナロの日常が、たくさんたくさん出ています。ナロはいつも何かに興味津々で、いつもいつも幸せそう。ちょっとご機嫌斜め?な表情はあっても決して悲しそうな顔はしません。楽しそうで幸せそうな表情ばかり、だから見ているこちらも、とてもとても幸せな気持ちになれるんです。それにこのシリーズの白眉な所は、「ナロ可愛い!」だけじゃない所。写真の解説とナロの日常を綴ったエッセイには時にぐっと来る物があるし、ナロファンにはおなじみの「あすナロまんが」もさらに磨きがかかって…
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赤朽葉家の伝説
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ひろし/生き生き生きて、死に死に死んで。
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物語は1950年代の山陰地方、地元の名家赤朽葉家が舞台となって始まる。読み口は何ともおどろおどろしく、世界観も独特な物を感じる。登場人物の様相や奇妙な名前や一種異様な描写から、少々オカルトチックな物を感じてしまうが、それは決してコケ脅しの世界で終始せず、重厚な物語展開と作者の類まれなる筆致ががっちりと支えている。あえて言うなら文豪と言われた作家の作品に感覚が似ているだろうか。例えば芥川龍之介の「鼻」や「羅生門」を彷彿とさせないでもない。そこに独特の世界観やSF的なエッセンスを加えてあると表現したら、この作品のテイストを想像頂けるであろうか。紅緑村という名の村落に、一人の少女が置き去りにされる。…
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研ぎ師太吉
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ひろし/みかん色の帯
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まず最初に、作品中の一文を紹介させて頂きたい。主人公の太吉の元に、近所の一善飯屋の娘おすみが訪ねてきた下り。― 店のお仕着せではなく、朝顔が描かれた浴衣に、みかん色の帯を締めている。履物は黒い塗り下駄で、鼻緒は帯に色味を合わせたような藤色だった。おすみが歩くと、下駄がカタカタッと音を立てる。太吉の姿を見つけたおすみは、下駄を鳴らして駆け寄ってきた。「よかった、太吉さんがいてくれて」― ・・・山本作品の大好きな所に、こういう何とも日本人DNAを揺さぶってくれる表現がある。「みかん色」なんて、なんて素敵な色の名前だろうか。これが「オレンジ色」と書かれていては、何の感懐もわかない。のっぺりとした、赤…
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中原の虹
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ひろし/世界の真ん中に咲く華の、行く末
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前巻でとうとう崩御した西太后。当然のごとくその後の世界を巡って、世は混迷する。東北王として君臨し、伝説の龍玉を持つ張作霖。清朝を倒して新しい国家を築こうとする新勢力、革命家の孫文。その勢力に対抗するべく復活した「天才的俗物」袁世凱。そして清朝の延命をはかる、実の皇帝宣統帝溥儀とその側近の者達。明日の中華を思う力がぶつかり拮抗し、今にも崩れ落ちそうになったそんな時。天才的指導者、「宋教仁」が現れる。選挙にも圧勝して中国を民主化の道へと導き、新しい世界が開けるのかと思わされた、その矢先。なんと宋教仁が暗殺され、あろう事か袁世凱が皇帝に即位してしまう。そして世にもおかしな皇帝が二人いる国家が誕生して…
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中原の虹
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ひろし/巨星落ち、天下が動き始める。
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前巻で絶対的権力者西太后が逝去し、いよいよ天下が動き始める。まだ幼少の皇帝「溥儀」が即位するものの、虎視眈々と日本を含め諸外国がその土地を、そして革命勢力が覇権を狙い始める。その勢力に対抗する為に袁世凱が呼び戻され、実権を握るようになる。しかし物語の主人公、白虎の張作霖が満州から東北地方を統べ、名実ともに「東北王」となった。そして覇者の印「龍玉」は、その張作霖の息子の手の中にあるのだ。果たして中華の国は、一体どのような命運を辿るのか。王朝崩壊から中華民国の樹立まで。中国の歴史の何と興味深く面白い事か。国ががらりとその様相を変えるあたり、日本における大政奉還にも似た感触があるが、まるでスケール感…
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中原の虹
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ひろし/西太后を描いた2巻
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清国時代の中国、その覇権を巡って馬賊の総元締めである張作霖が声を上げた1巻。掴みはオッケーというか心臓を鷲掴みにされて、息苦しさにような物さえ覚えたもの。2巻では早速張作霖の大躍進!となるのかと思いきや。泣く子も黙る清国の女王にして生き仏とまで呼ばれる、西太后を巡って物語は展開していく。その興味深い人間関係や、西太后の意外なまでにヒューマンな人間像に引き込まれ、またがっちりとハートを掴まれてしまう。そしてこの2巻から、いわゆる浅田節炸裂!という感がある。…泣けるのだ。それもじわりと涙がにじむのではなく、一瞬で滂沱の海と化してしまう。電車だろうが喫茶店であろうが、お構いなしに涙が噴き出してしまう…
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