|
PerlユーザーのためのRuby入門
|
|
トリフィド/PerlとRubyを行ったり来たりする人に
|
こういう切り口の本を探している人は多いのではないだろうか。Perl者のためのRuby入門である。プログラムのさまざまな細かい構成要素について、PerlのコードとRubyのコードを対比させて説明しており、すでにPerlを習得した人にとっては、かなり良いRuby入門書になっているのではないだろうか。クセの多い言語であるPerlをなんとか御している者にとって気になる点である、Rubyのクセや特徴、妙な所や落とし穴についてもちゃんと触れられている。つまり、Perlでのこの処理に相当するコードはRubyではどう書くのか? どう書くがもっとも最適なのか? というような関心に応える入門書なのである。また、本…
|
|
|
詳解!PC最新テクノロジー
|
|
トリフィド/最近のPCの中の人
|
PCをめぐる技術の移り変わりはまさに日進月歩で、ちょっと注意を払うのを怠っていると、聞いたこともない方式が主流になっていたり、自分のPCが「前世代の遺物」になっていることに気がついたりして、目をまわしたりする。で、最近、ちょっと時代に遅れてるなと認識したので、このムックに当たってみたわたしである。この本は、自作系ユーザのためのPC雑誌『日経WinPC』の技術解説系の連載記事「WinPC Labs」の1年分をまとめたものである。CPU、メモリ、ディスプレイから、デジカメやADSLまで、PCの内部やその周辺で用いられているさまざまなテクノロジーの原理や仕組み、それを取り巻く現状、将来的な展望などが…
|
|
|
BLAME!
|
|
トリフィド/真っ黒な本
|
最近ますます凄味を増して目が離せない、SFコミックの傑作の最新巻だ。まずは前巻につづき、主人公霧亥が怖い! ますます怖い(^◇^;)。そして霧亥の歩みと共にさまざまな顔を見せる都市構造体の姿は、ますます磨きがかかってすばらしい。じっくり眺めてしまおう。奇妙な相棒を得たものの、霧亥はふたたび1人に戻り(?)、物語は1巻の雰囲気に戻った感じだ。そして出会う、さまざまな存在たち、さまざまな思い……また、暗闇の使い方や空間の描き方もすばらしいのだ。闇また闇、そこをわずかに照らし出す光。闇の中にポツンと輝くディスプレイ。暗闇の中に霧亥の顔だけがボウッと浮かぶ。あるいは、途方もなく巨大な施設の中を孤独に歩…
|
|
|
FreeBSD expert
|
|
トリフィド/FreeBSDのムック最新版
|
PC-UNIXというと、とかくLinuxばかりが脚光を浴びているが、かのBSDの流れを汲むFreeBSDも、地味ながら堅実なシステムとして絶大な支持を得ているUNIX系オペレーティングシステムである。PC-UNIXに入門しようとしている人にも、Linux使いの人にも、ぜひFreeBSDをおすすめしたいと思う。本書は、1年前に出た<a href="/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi/?aid=&bibid=02102062&volno=0000" target="_blank">『FreeBSD Expert』の第2弾である。第1弾と同様、非常に密度の高い内容で、入門者も…
|
|
|
新編別世界通信
|
|
トリフィド/色々な本が読みたくなるブックガイド
|
『別世界通信』は、昔から定評のあったファンタジーのブックガイドだ。その方面のコミュニティでは、基本図書などとも云われていたように思う。本書は、その25年前の本のアップデート版である。わたしもファンタジーは結構読み込んでいるつもりなので、「いまさらブックガイドなど……」という気持ちを抱きつつ、いちおう読んでおくか、くらいのつもりでこの本を紐解いたのだが……いや、とんでもなかった。ファンタジーというものは、本来とても間口が広いものだったのだなと、いつの間にか見失っていたことを思い起こさせられた。いつの間にかファンタジーというと『<a href="/cgi-bin/srch/srch_detail.…
|
|
|
子どもと性被害
|
|
トリフィド/ある悲惨な現実の一側面
|
子どもに対する性的虐待についてのルポルタージュである。子どもに対する性暴力は、情けないことに、マスコミでは「いたずら」などという軽い言葉で適当に誤魔化されている。だが、この「いたずら」なるものが、被害者にどれほど甚大なダメージを与えるものなのか、その点に関する一般の認識はあまりにも低すぎるのが現状である。娘を強姦する父親、子どもの訴えを信じない母親、被害を訴える子どもを異常者を見る目で見る大人たち——被害者である子どもは、時として疎外され、排除される。さまざまなケーススタディを扱ったパートは悲惨な話の連続で、正直なところ、次のページを開くのが辛かったりする。だが、目を閉ざそうとする人々のそうい…
|
|
|
HTML+CSS handbook
|
|
トリフィド/適度に良い本
|
インターネットが日常的に用いられる世の中になり、ネット書店の読者書評や、色々なものの評価をしまくる人々の存在によって、「良い本」を見つけ出すことが非常にたやすくなったという認識を持っていた。が、やはり通用しない分野はあるもので、今回、久々にHTMLの参考書を買おうとしてみて、ハタと困ったのであった。なにしろキーワードで検索してみようにも、“HTML”というWeb世界で超ポピュラーな文字列は地獄的な数のヒット数を持ち、また、新しい本が次々に出ているため、はたまたHTMLの規格自体が次々に更新されているため、旧い情報が富士山よりも高く積み上がっている始末。と云うわけで、情報を求めてWebサイトを駆…
|
|
|
観用少女
|
|
トリフィド/花冠
|
ミルクと砂糖菓子、そして愛情を糧とする愛らしい少女の生きた人形、観用少女。その観用少女——プランツドール——と彼女たちに関わった人々が織りなす物語を綴ったシリーズの第4巻。野外へ、陽の光の元へという傾向は相変わらずだが、初期の頃のようなダークな物語も収められている巻だ。ユーモラスな物語、美しい物語も収められているが、この巻の白眉は、何といってもうしろ半分を占める「メランコリィの花冠」。観用少女の頭に花を咲かせるという、へたをするとお笑いになってしまうテーマがうまく料理されているのは、川原女史の美しい絵ゆえというところか。それにしても、人形屋のおにいちゃんは、いつもいい味を出している。さて、これ…
|
|
|
観用少女
|
|
トリフィド/明るい陽の光の中へ
|
観用少女——それは、ミルクと砂糖菓子、そして愛情を糧とする、この上もなく美しく、そして繊細な生きた人形。彼女たちと関わった人々が織りなすさまざまな物語を収めたシリーズの第3巻である。このシリーズは、巻が進むにつれ、屋外へ、郊外へ、陽の光の元へという傾向が見えるように思える。絢爛たるイラストの装幀のこの巻は、前巻までと比べて、かなり明るいものとなっている。人々の楽しげな笑い声が聞こえてくる感じである。収められている物語も、前向き、上向き、ハッピーエンドというものばかり。雰囲気が変わったが、これもまた良い。ところで、その値段を知った者は例外なく目玉を飛び出させている観用少女の値段。具体的にはどれく…
|
|
|
観用少女
|
|
トリフィド/歌う人形
|
ミルクと砂糖菓子、そして愛情を糧とする愛らしい少女の生きた人形、観用少女。その観用少女——プランツドール——と彼女たちに関わった人々が織りなす物語を綴ったシリーズの第2巻。天使の微笑みを見せるこの上もなく愛らしいプランツドールも、時には禍々しさの焦点となる。この巻には、そんなホラー風味の物語から、心温まる物語、哀しいく、美しい物語などが収められている。観用少女の美しさもさることながら、服装や背景や小物などの美術にも注目したい。すばらしく手の込んだ美しい品々、デザインである。背景やメカなどを、イラストレーターの佐藤道明氏も描いているように思うのだが、氏のイラストの退廃的な雰囲気もまた、いい味を出…
|
|
|
観用少女
|
|
トリフィド/夜の空気
|
観用少女——それは、ミルクと砂糖菓子、そして愛情を糧とする生きた人形。とてつもなく高価で、すばらしく可愛らしい少女の人形である。舞台となるのは、どこか香港を思わせる、SF的な超高層ビルの建ち並ぶ中国風の都市。これは、この観用少女と関わった人々が織りなすさまざまなストーリーを集めた作品集だ。この第1巻は、冥い夜の雰囲気を色濃く漂わせている。そこはかとない、デカダンの薫り……語られるのは、あるいは皮肉な物語、あるいは恐ろしい人の心の闇、そしてこっぱずかしいラヴラヴ(^◇^;)なによりも、川原女史の美しい絵が目を引く。この上もなく愛らしい生きた人形たち。こんな作品が存在することが奇蹟に思えるほどの、…
|
|
|
ホビットの冒険
|
|
トリフィド/『指輪物語』をより深く味わうために
|
とはいえ、やはり『ホビットの冒険』は『指輪物語』の前日譚なのである。この物語では、ビルボが「ひとつの指輪」を手に入れるに至った経緯が描かれるが、そのことはそう重要ではない。なによりもこの物語を読むことで、『指輪物語』で描かれたさまざまな出来事や登場人物たちの喜びや哀しみに共感できるようになり、またさまざまなアイテムの出自について知ることもできるようになるのだ。『指輪物語』でさりげなく出てきた「つらぬき丸」やミスリルの鎖帷子、ガンダルフの剣グラムドリングの由来は、この物語で描かれる。旅の一行は、途中、レゴラスの父に囚われの身となる。そしてモリア坑道へと消えたバーリンも、この物語の登場人物のひとり…
|
|
|
ホビットの冒険
|
|
トリフィド/竜退治とお宝探し
|
本書は、『指輪物語』の前日譚。『指輪物語』をより深く味わうために読んでおこう、などと、まるで添え物のように言及されることが多い。しかしそれは少々可哀想である。『ホビットの冒険』もまた、冒険あり、喜びと哀しみありの、ちゃんとした完全な物語なのだから。軽妙な語り口で面白おかしく語られる物語は、わかりやすい、ストレートなプロットだ。ホビット庄から、はるか彼方のはなれ山まで、ドワーフたちが竜に奪われたお宝を取り返しに行くのだ。これは、その、ゆきて帰りし物語である。完全な善人でもなく、もちろん完全な悪人でもないリアルなキャラクターたちは、とても人間臭くて共感が持てる(ガンダフルでさえ、お宝には目を輝かす…
|
|
|
M・R・ジェイムズ怪談全集
|
|
トリフィド/怪奇小説の原初の姿
|
20世紀初頭の怪奇小説の黄金時代の一翼を担った巨匠のひとり、M.R.ジェイムズの2巻からなる怪談全集の第2巻。内部の構造は、ジェイムズが出版した本を合本したかのような形になっており、それぞれ本の序文も抜かりなく収められているマニアぶりだ。第1巻には『考古家の怪談集』、『続・考古家の怪談集』が収められ、第2巻には『痩せこけた幽霊』、『猟奇への戒め』それに拾遺集と未完作品が収められている。第2巻には、うちわ受けの怪談や、ボーイスカウトたの合宿で語られた物語なども収められている。特定の読者を想定したと思しいこれらの怪談は、さすがに戸惑うものがあるが、しかし身近にこういう怪談を語れる人物がいたというの…
|
|
|
M・R・ジェイムズ怪談全集
|
|
トリフィド/古物趣味と怪談
|
20世紀初頭の怪奇小説の黄金時代を形作った巨匠のひとり、M.R.ジェイムズの怪談全集全2巻の第1巻である。この全集は、かつて創土社から出た『M.R.ジェイムズ全集』からファンタジー『五つの壺』を除き、その後書かれたものや未刊行作品を追加したもので、最も完璧なものと云えるであろう。題名に「怪談」とあるのがミソで、M.R.ジェイムズの作品は、なるほど怪奇小説ではなく、怪談というのがしっくり来る。妙な話だが、この古物趣味や、後の世の作品群のように、妙な理屈づけなどがなされていないあたりに、心が洗われるようなすがすがしささえ覚えてしまう。
|
|
|
グレー・レンズマン
|
|
トリフィド/そして舞台は銀河系を越え
|
レンズマンシリーズの新訳版第2弾。迫力もスケールもますますエスカレート。敵が残したシュプールは、隣接する異銀河を指し示す。深まる謎また謎。そして次々と繰り出される驚くべき新兵器の数々!「自然科学の力で発明され合成されたものは、自然科学により分析し複製することができる」この(あたりまえの)コンセプトを全面的に取り入れた作品が、このシリーズの他にあまり見当たらないのは残念だ。今日の味方の新兵器は、明日の敵の兵器である。その結果、驚くべき新兵器が次々と登場することになる。実に楽しい。宇宙艦隊や驚異のSF兵器が大好きなSF者は、このシリーズをもって座右の書とすべき。SFの基本は、このシリーズから!!*…
|
|
|
銀河パトロール隊
|
|
トリフィド/壮大なスケール!圧倒的パワー!
|
この稀有なシリーズを、どのように表現したらいいものか——時間と空間と次元を越えた壮大なスケール。力と力の激烈なぶつかり合い。知力の限りを尽くした心理戦。謎また謎——今日でも、このシリーズを越えるパワー、スケール、迫力、勢いのスペースオペラは存在しない。どれもこれもパワー不足か、あるいは行き過ぎてバカSFになっているかだ。このシリーズはまことにもって、稀有なバランスの上にある。古い作品だが、回顧的な理由からではなく、まさにいま楽しむために読む価値が十分にある——いや、それどころか、読む *必要* があると断言させてもらおう。これを読まずしてスペースオペラを語るなかれ!
|
|
|
Perlによるシステム管理
|
|
トリフィド/システム管理の自動化
|
システム管理において、Perlを如何に使うかの解説書である。あるいは、スクリプティングを用いることで、如何にシステム管理を自動化、簡素化するかという本であると云えるかもしれない。大量のユーザ登録を簡単に行ないたい、ログを自動的に処理したい——そのスジのメーリングリストなどでも良く出る質問だ。そういう場合には、Perlでスクリプトを書くのである。優れたシステム管理者は、大量のPerlスクリプト(まあ、perlではないかもしれないが)を駆使して、日々の管理作業をこなしているのである。本書はその「Perlでシステム管理」の方法について懇切丁寧に説明した本。システムの構成に関する基礎的な話や、関係する…
|
|
|
AV女優
|
|
トリフィド/名著『AV女優』の第2弾
|
AV女優へのインタビューをまとめた名著『AV女優』の第2弾です。単行本は前から出ていたのですが、このほどやっと文庫本になったわけです。永沢氏のインタビューは相変わらずうまく、彼女たちの人生について、もろもろの話を上手に語らせています。インタビューされる女性たちの、さまざまな態度、哀しい物語、信じ難いほどの凄まじい人生。それらは皆、良くも悪くも現実の姿であるわけです。ただ、前著と比べて少々暗めで、輝きが足りないような気もしました。ま、読んだ時の精神状態によって感じ方が大きく変わりそうな本ですから、気のせいかもしれませんが。『AV女優』を読んで感じるものがあった人は、ぜひこちらもどうぞ。
|
|
|
Rubyアプリケーションプログラミング
|
|
トリフィド/第2段階Ruby本
|
Rubyでひととおりのことができるようになった人が次のステップへと進むために最適の一冊だ。というか、つまり、ちょうどPerl界における『実用Perlプログラミング』に相当する本だと云って良いだろう。扱っているのは、Rubyでなにか実用物をプログラミングしてみようとする時に役に立つ情報の数々だ。CGI関係から、スレッドの使い方、ネットワーク関係、Ruby/Tkを使ったGUIプログラミング、そしてRubyの拡張、Rubyインタプリタの他システムへの組み込みなどなど。いずれもサンプルコードを豊富に挙げ、他システムとの協調動作といった実用的なレベルまで、丁寧に徹底的に説明してある。リファレンスも充実、…
|
|
|
なるたる
|
|
トリフィド/あやうく、もろい日常
|
これも、『エヴァンゲリオン』後の作品ということになるのだろうか。いや、このいい方も、そろそろ意味を失ってきたか……小学6年生の少女シイナは、夏休みに島で謎の生き物と出会う。ホシ丸と名付けたその生き物〈竜の子〉を連れ帰ったときから、シイナの日常が変わりはじめる。彼女の前に現れる、謎の存在、謎の人々……可愛い系の絵柄は、しかし線の細さがどこか神経質である。精緻に描き込まれたメカや背景も、どこか危うさを窺わせる。そこはかとなく冷酷なものを感じるのである。絵柄とは裏腹に、物語はかなりハードだ。水面下に異常な状況を孕みつつも、何ごともないかのように淡々と続く日常、その中で、突如爆発する暴力、さりげない残…
|
|
|
DASH村開拓記
|
|
トリフィド/DASH村の本
|
テレビ番組『THE鉄腕DASH!』の「日本地図にDASH村を載せよう」というコーナーから誕生して、日本全国のお茶の間に農村の暮らしを届けているDASH村。すばらしい自然の情景や、農作業のイロハ、日本家屋の再生から、炭焼きまで、田舎の暮らしの色々を見せてくれる。この本は、そのDASH村のファン必携のムックである。開拓日誌からグラビアから、うれしい情報や写真が山盛りである。ファンはぜひ1冊手元に置いておきましょう。
|
|
|
廃墟霊の記憶
|
|
トリフィド/無気味っぽい廃墟本
|
廃墟本のひとつ。意外なところから出ていたので、発見が遅れたなり(^◇^;)。十五の全国の廃墟を巡ったフォトエッセイである。よくも悪くも著者の個性が出ている本で、この方向性は、気に入る人と違和感を感じる人がいるだろう。写真も意識して狙っていることが伝わってくる。うむむ、見えたものを見えたままに記録して欲しかった。また文庫本のサイズにも不満が残る。10年前に出された本の文庫化だそうで、その後のフォローアップもされているが、少々ちぐはぐな感じか。もう少し大きなサイズの本だと良かったのにと不満も残るが、安い本だし、廃墟な人は、一応チェックされたしである。
|
|
|
アド・バード
|
|
トリフィド/広告こそすべて
|
『水域』『武装島田倉庫』とともに、椎名誠のSF3部作をなす作品。日本SF大賞受賞作だ。「広告」を風刺したSFというと、50年くらい前のアメリカSFで良くあったな……と思いつつ読みはじめたのだが……し、しかしこの世界は……(^◇^;)この物語は、「広告」戦争で荒廃した世界が舞台だ。そして、例のごとく例によって、妙なネーミングの奇怪な生き物たち。加工人間にアンドロイド、そしてこの世界律——生態系の軸は広告! 世界は広告のための存在する! なぜ世界がこのようになってしまったのか、それが物語の進行とともに少しずつ明らかになってゆく。ユーモラスで哀しく、そして頭がわやわやになるようなへんてこな物語世界で…
|
|
|
トールキン
|
|
トリフィド/軽めの伝記
|
『指輪物語』の創造主、J・R・R・トールキンの伝記である。内容は短めで、やさしく、子ども向きといえるでしょうか。あの大部『指輪物語』を読み切った人にとってはもの足りないのではないかと思う。そういう人には、先日新装版が出た、カーペンターの『J・R・R・トールキン 或る伝記』をおすすめしたい。この本は、本来もっと軽装で、もっと安価に出るべき本だったのではと思えてならない。手っ取り早くトールキンの人生について知りたい人には良いだろうか。
|
|
|
ク・リトル・リトル神話集
|
|
トリフィド/荒俣宏氏によるクトゥルー神話アンソロジー
|
「ク・リトル・リトル」というのは、「クトゥルフ」「クルウルウ」と同様に、一般的に「クトゥルー」と呼称されるものの発音のヴァリアントである。と云うわけで、この本は、荒俣宏氏の篇によるクトゥルー神話大系に属する作品のアンソロジーである。古いものであるが、他では読むことのできない作品も掲載されており、いまだに読む価値のある本である。セクションごとにつけられた荒俣氏によるコメントや、ヴァージル・フィンレイのイラストが掲載されている点もポイントだ。また、巻末には、「ク・リトル・リトル神話事件簿」と題して、神話世界での出来事をまとめた年表が載っている。なかなか想像力を刺激してくれる年表である。クトゥルー神…
|
|
|
2ちゃんねる中毒
|
|
トリフィド/DeepInside2ちゃんねる
|
2ちゃんねるの著名な人々が、2ちゃんねるのさまざまな側面や内情について語ったコラムをまとめた本。2ちゃんねるで名前を見ただけの正体不明のモノの正体がわかったり、断片的な知識しかなかった点に網羅的な情報を得たり、アレはソレだったのかとか、あのときはそんなことがあったのかと思ったりなどのご利益はあるが、しかしこの〈死んだテキスト〉は、本来的に〈生きたテキスト〉の集積であるあのコミュニティの、良くも悪くもスナップショットでしかない。なるほどなるほどと面白く読んで、しかし読み終えたらそのまま忘れてしまうような、そんな食べた気がしない本であった。こういう性質の本は、本質的に、年次報告書のような感じで毎年…
|
|
|
水域
|
|
トリフィド/水の世界の愛と冒険の物語
|
『アド・バード』『武装島田倉庫』とともにSF3部作と呼ばれるもののうちの1冊。舞台は文明が崩壊し一面の水に覆われた世界。主人公の青年ハルは、小舟でこの苛酷な世界を旅する。この水の世界に跋扈するのは、例によって妙な名前の奇怪な生き物たち、したたかに生きる、しかしあやしい人々、悪人に善人。そして愛しい人とのつかのまの暮らし……どこかへんてこで、ひょうひょうとしていて、そして最後はしっかり感動的。ほんとうにシーナワールドと呼ぶのがふさわしいような、不思議な愛と冒険のストーリーだ。この3冊を見逃しているSF者は多そうだ。要チェックですよ。
|
|
|
トールキン指輪物語伝説
|
|
トリフィド/読み手を選びそう
|
指輪物語のさまざまな要素と、現実のさまざまな神話、伝承や物語との関係を探る本。いわば、『指輪物語』の文化的背景をまとめた本とでも云えるか。内容的には手抜きもなくすばらしい仕事に仕上がっている。アラン・リーによるイラストも多く、美しい本である。神話や伝承に興味のある人は楽しめるかも。と思いつつ、しかし、本書で取り上げられている範囲の神話、伝承をすでに熟知している者にとっては、少々強引さと、もの足りなさと、そしてこれらの伝承の類が『指輪物語』を軸に結び語られていることに違和感を感じるかもしれない。一方で、指輪者と指輪談義に盛り上がる時には読んでおいた方が良い本ということもできるだろう。と云うわけで…
|
|
|
ラヴクラフト全集
|
|
トリフィド/「夢の国」の物語
|
20世紀最後の怪奇小説作家H.P.ラヴクラフトの全集の第6巻。この巻にはランドルフ・カーターを主人公とする諸作と、初期のダンセイニ風掌篇を収録されている。収録作は以下の通り:「白い帆船」「ウルタールの猫」「蕃神」「セレファイス」「ランドルフ・カーターの陳述」「名状しがたいもの」「銀の鍵」「銀の鍵の門を越えて」「未知なるカダスに夢を求めて」前半の幻想的な物語群は、怪奇小説作家としてのラヴクラフトを期待する向きには少々不満が残るかもしれない。自らのファンタジー世界を舞台にした小品である。後半の諸作は、ラヴクラフトの分身ともいわれる、神秘家ランドルフ・カーターを主人公としたシリーズだ。内容的には、も…
|
|