コメント・書評 |
明かされる疑問と自らが感じ取る疑問が存在する小説。カカシ・島民・主人公との関わりや繋がりに心を打たれる作品。
らんぷ
Feb 9, 2010 3:25:21 PM
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評価 ( ★マーク )
★★★★★
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「カカシが喋る!?」 まずこの登場人物(?)に驚いた。しかもそのカカシは「未来が見える」という。
カカシ・優午は未来が見えるが、決して未来について語ろうとしない。そんなカカシだが島民は信頼し、一般人が神父や僧侶を慕うような存在(あるいは神様)として描かれている。そんなカカシ・優午の語り口調や島民との関わりを読んでいくと非常に心地よく、私は知らぬ間に優午が好きになっていた。
主人公・伊藤はカカシと出会う。伊藤はコンビニ強盗に失敗し逃走中の身であったが、気がつくと存在が知られていない「荻島」にいた。この島は江戸以来から外界との接触はなく、喋るカカシや人を銃で撃つことを許された人など伊藤の知っている法律や常識とは異なった世界であった。
そんな世界に戸惑う中、カカシが殺される。「なぜカカシは未来が見えるのに自分の死を防げなかったのか?」「誰に殺されたのか?」など様々な疑問が浮かんでくる。 それよりも「なぜこの人は銃で人を殺すことを許されているのか?」「カカシは一体どのような理由でいつから存在するのか?」「なぜ未来が見えるのか?」「この島の言い伝えにあるこの島に足りないものは何か?」など読者の心を鷲掴みにするような疑問が次々と存在し、ページがどんどん進んでしまう。
徐々に探していた答えが浮かび上がってくる中で何度もカカシ・優午の存在について考えさせられる。優午は長年田園に立ち続け、島民の成長や時代の流れをどのような思いで見ていたのか。そんな自分をどう思っていたのか。「私は神様ではない」島民に訴え続けていた思いとは。それが後半~終末に 感じとれる。 私は優午の隠された悲しさと住民との長年(先祖代々)の絆に心を打たれた。 あなたはどう感じますか? |
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