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ニューロマンサー
ハヤカワ文庫 SF
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コメント・書評 |
21世紀を先取りした新世代SF
yjisan
Jan 2, 2010 3:53:26 PM
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評価 ( ★マーク )
★★★★
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<電脳空間>(Cyber Space)。それは特殊な電極(trode;electrodeの略)を使って脳の神経(neuroニューロ)とコンピュータ端末(deck)を接続し、世界を覆い尽くしたコンピュータ・ネットワークの全データ、そして全プログラムを頭の中で視覚的・感覚的に再構成した仮想現実。だが、その幻想世界は電子的には実在し、それを構成するデータは現実世界を動かす力を持つ。 いわば<電脳空間>は現実世界とパラレルに存在する情報宇宙なのである。そして、デッキを介して意識をマトリックス(matrix)世界に没入(junk in)し、ウイルス・ソフトを使って企業の侵入対抗電子機器(Invasion ounter Electric=ICE)を破ってデータを盗むハッカーたち、それがコンピュータ・カウボーイだ。サイバネティック・テクノロジーによって不死性を獲得した最大最強の同族企業、テスィエ=アンシュプール(T=A)。そしてT=Aが生み出した、自らの意志を持つ高度のAI・ウィンーミュート (WINTERMUTE)の蠢動。電脳世界に張り巡らされた陰謀。次々と現れる謎と裏切り。人間とテクノロジーが融合し、国境を超越したグローバル企業が地球を覆う灰色の世界で、一流カウボーイ、ケイスの冒険が始まる。 痺れる設定。壮大な世界観。華麗なイメージの氾濫。電撃的な文体。ジェットコースターのような急展開。サスペンスフルなストーリー。黄金時代のSFロマンを現代に甦らせた「ニュー・ロマンス」。
そして何よりも、SF界に「サイバーパンク」という新しいジャンルを開拓した記念碑的作品であり、1980年代を代表するSF。本作なくして『攻殻機動隊』や『マトリックス』は生まれなかった。今日の無機質で無国籍で刹那的で猥雑で得体の知れないネット社会、虚無感と絶望が漂う格差社会を予見した内容には脱帽。 |
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