コメント・書評 |
緊迫を増していく物語とコミカルな小牧家の様子が魅力の作品
toku
Nov 30, 2009 7:04:49 PM
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評価 ( ★マーク )
★★★★★
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獄医立花登手控シリーズ第二弾。
本書の一話目で柔術の鴨井道場の三羽烏の一人・新谷弥助の非行問題を描いている。 鴨井道場に姿を現さなくなった弥助は、道場へ出かけるといって家を出るが、行方は分からない。 やがて弥助は、深川の地回りらしき男たちと飲みまわっていたり、女と一緒にいるといった姿を目撃されていたが、心配した立花登が連絡を取ろうとしても、梨のつぶてである。 何かの問題に巻き込まれていると心配した登が、弥助を調べるとよからぬ連中の用心棒になっているようであった。
本書は、各話それぞれの小さなうねりの他に、この弥助問題を本書全体に共通する物語とし、最後の五話目『処刑の日』で、この問題が解決するという大きなうねりを描いている。 さらに登が居候している小牧家の息抜きな的話では、前作「春秋の檻 -獄医立花登手控え〈1〉」で、拐かされた従姉妹のおちえを救出した登の株が少しだけ上がり、扱いが変わりつつある状況をコミカルに描いている。 相変わらず叔母の人使いは荒いのだが、少しだけ気遣いを見せるようになったり、おちえの登の呼び方が変わったりなど、緊迫感が増していく本作品の中で肩の力を抜かせてくれる。
本書の一番の読みどころはやはり最後の五話目『処刑の日』 『処刑の日』は、大津屋助右衛門が人殺しの冤罪で捕まり、この事件に疑問を持った登が、助右衛門の処刑の日が迫る中、真相を解明すべく駆け回るという緊迫した物語。 父・助右衛門を心配して牢に様子を見に来るおゆきの姿が、駆け回る登にさらなる緊迫感を与え、加えて本書を貫く大きな物語である、窮地にある弥助の救出劇が合わさって、息をすることも忘れてしまいそうな展開が待っている。
そして、その緊張状態から解き放ち、ほっとさせてくれるのが、登とおちえの関係の進展である。 ラストに暖かい気持ちにさせてくれる出来事が読者を待っている。 |
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