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風雪の檻  新装版  講談社文庫

風雪の檻(講談社) 藤沢 周平著
税込価格: ¥560 (本体 : ¥533)
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出版 : 講談社
サイズ : 15cm / 303p
ISBN : 4-06-273587-3
発行年月 : 2002.12
利用対象 : 一般

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コメント・書評

緊迫を増していく物語とコミカルな小牧家の様子が魅力の作品
toku
Nov 30, 2009 7:04:49 PM
評価 ( マーク )
★★★★★

獄医立花登手控シリーズ第二弾。

本書の一話目で柔術の鴨井道場の三羽烏の一人・新谷弥助の非行問題を描いている。
鴨井道場に姿を現さなくなった弥助は、道場へ出かけるといって家を出るが、行方は分からない。
やがて弥助は、深川の地回りらしき男たちと飲みまわっていたり、女と一緒にいるといった姿を目撃されていたが、心配した立花登が連絡を取ろうとしても、梨のつぶてである。
何かの問題に巻き込まれていると心配した登が、弥助を調べるとよからぬ連中の用心棒になっているようであった。

本書は、各話それぞれの小さなうねりの他に、この弥助問題を本書全体に共通する物語とし、最後の五話目『処刑の日』で、この問題が解決するという大きなうねりを描いている。
さらに登が居候している小牧家の息抜きな的話では、前作「春秋の檻 -獄医立花登手控え〈1〉」で、拐かされた従姉妹のおちえを救出した登の株が少しだけ上がり、扱いが変わりつつある状況をコミカルに描いている。
相変わらず叔母の人使いは荒いのだが、少しだけ気遣いを見せるようになったり、おちえの登の呼び方が変わったりなど、緊迫感が増していく本作品の中で肩の力を抜かせてくれる。

本書の一番の読みどころはやはり最後の五話目『処刑の日』
『処刑の日』は、大津屋助右衛門が人殺しの冤罪で捕まり、この事件に疑問を持った登が、助右衛門の処刑の日が迫る中、真相を解明すべく駆け回るという緊迫した物語。
父・助右衛門を心配して牢に様子を見に来るおゆきの姿が、駆け回る登にさらなる緊迫感を与え、加えて本書を貫く大きな物語である、窮地にある弥助の救出劇が合わさって、息をすることも忘れてしまいそうな展開が待っている。

そして、その緊張状態から解き放ち、ほっとさせてくれるのが、登とおちえの関係の進展である。
ラストに暖かい気持ちにさせてくれる出来事が読者を待っている。
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