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ボックス!
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コメント・書評 |
男たるもの。
ばー
Nov 29, 2009 4:25:39 PM
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評価 ( ★マーク )
★★★★
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興奮冷めやまぬまま、ページを閉じた。 久しぶりに「ものすごく」引き込まれる作品に出会った。一気に読み終えたことも幸いしてか、久しぶりに「ものすごく」読書はしんどい、と感じた。もちろんだが、良い意味でだ。
なんというか、「俺も男やったら体鍛えなあかん!」って思った。 上手く言葉に出来ないけれど、「ものすごく」ごつごつした、男性的な文章だと思った。
テーマはボクシング。 大阪の高校生が主役の、青春スポーツ小説。
主人公は真面目で努力家だが、いじめられっ子の木樽。 もう一人の主人公は、ちゃらんぽらんだが天才的なボクシングセンスを持つ鏑矢。 物語はこの二人の主人公を幹にして、圧倒的なスピード感で進む。
一方は、努力の結果めきめきとその才能を開花させ、もう一方は、自分の才能に溺れた結果、大きな挫折を味わう。 一人の少女の死をきっかけに、天才肌の少年が、本当の意味で男になる瞬間は、思わず目頭が熱くなった。
努力、友情、勝利全てがこの小説に含まれているが、読後の感想はそういった物語がもたらす爽やかさとはかけ離れたものだ。 そういった爽やかさではなく、もっと、なんというか、原始的なもの。 思わず目をそむけたくなるような、酷く無残なもの。
「真に強い軍鶏は嘴が折れても闘う。腹を切り裂かれてはらわたが飛び出しても闘う。頭を割られて脳みそが飛び散っても闘うんや」 作中、あるボクシングジムのトレーナーの老人が言う言葉だが、本来人間も、ましてや男、オスもこのようなものでは無かったか。 元来弱肉強食のこの世に生れ落ちた男ならば、胸の奥には、煮えたぎる闘争本能があるはずだ。
まるで、その真理を我が物とせんとでも言うかのように、一人の天才がなにもかもかなぐり捨てて、勝利に飢える獣に変貌するシーンは、思わず息を飲む。 闘技場で血まみれになって剣を振るう、かつての猛者たちのように。 物語後半で「惨劇」と銘打って描かれる闘いは、なんとも言えぬ余韻をもたらす。勝利をもたらした死闘はまぎれもなく、現代から見ると、「惨劇」だ。
かつてとは比べるもなく、狭く、不自由になった四角い闘技場の中で行われる決闘は、ボクシングというスポーツが、スポーツ小説という枠をこじ開け、これこそが闘いだ、と盛んに主張しているようだ。
これでいいのか。 男が思わず自問自答してしまうような小説。 男性だったら読んでおいて損はない。
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