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海賊の子  ハヤカワ文庫 SF

海賊の子(早川書房) カリン・ロワチー著
嶋田 洋一訳
税込価格: ¥1,050 (本体 : ¥1,000)
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出版 : 早川書房
サイズ : 16cm / 568p
ISBN : 978-4-15-011729-0
発行年月 : 2009.10
利用対象 : 一般

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内容説明

【オーロラ賞】【ゲイラティック・スペクトラム賞】

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コメント・書評

読了後、一歩先に進むことの出来る、トランスジェンダーなSF。
ちひ
Nov 8, 2009 10:44:54 PM
評価 ( マーク )
★★★★

 海賊にさらわれ、巧妙に育てられ、抜けられなくなり、とうとう自分も海賊になってしまった子が主人公。
 
 三部作の第三部ということで、物語は第一作・第二作を踏まえて展開される。物理的な展開としては第二作が一と三をつなぐのだが、内容的には一と二の間を三がつないでる感じである。
 
 海賊にさらわれて後継者として育てられた、第一作とはまた別の主人公の「今」と「昔」が交互に語られて展開する。謎は少しずつ解かれていく。やがて第一作と第二作が広げに広げた大風呂敷が、第三作・完結編によって見事に畳まれていく。‥‥のか?(第四部がそのうち書かれたとしてもあんまり驚かない。)
 
 多分いわゆる「トランスジェンダー」的な話になっていくところがあって、ちょっとわたしは、本人は一応ヘテロのつもりでいるので、一部すごく苦手でした。でもつまりこれは、よく対比されるオースン・スコット・カード『エンダーのゲーム』のみならず、ル=グウィンの『闇の左手』にも挑戦しているということなので、それはそれでとても価値ある試みなんだろうなあと思う。
 
 エンターテインメントとしては問題なし。すごく楽しめる。
 
 かと思うと、深刻に、胸に手を当てて・自分を棚上げせずに考えないわけにはいかない要素もある。
 
 読む前と読了後で、たぶん読者は主人公に引っ張られて多少はきちんと変化できる、ちゃんとしたSF作品。「読んだ」ということだけではなく、内容的に、普段あまりいじっていない、自分では触れようとしていない部分をじわじわ触らないと読めない。そういう意味で、大変に疲れる作品でもある。
 
 読書の良さは、読了後にただ「ああ面白かった!」と感じるだけでなく、時に「‥‥むむむ」と考えさせられることの中にも潜んでいると思う。そこまで含めて読書の醍醐味なのだろう。
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