コメント・書評 |
ロバート・F・ヤングのタイム・トラベル・ファンタジーが、とてもよかった。彼の短篇集『たんぽぽ娘』の刊行が、ますます楽しみになりました。
東の風
Oct 24, 2009 11:56:20 PM
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評価 ( ★マーク )
★★★★
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タイム・トラベルを扱った作品を九篇収めたアンソロジー。カバー表紙に記された“ジャック・フィニイ”“ロバート・F・ヤング”の名前に惹かれて購入しました。
あまりに技巧が勝ち過ぎていてぴんとこない作品もあったなかで、私が気に入ったのは、時空を超えたラブ・ロマンスをストレートに歌い上げた作品。ロバート・F・ヤングの「時が新しかったころ」、C・L・ムーアの「出会いのとき巡りきて」の二篇がとてもよかった! 読んでいって目頭が自然熱くなったこういう作品こそ、タイム・トラベル・テーマ作品の王道じゃないかなあって、そう思いましたです。
ロバート・F・ヤングの短篇には、同じ作者のタイム・トラベル・ファンタジーの名品「たんぽぽ娘」に通じるテイストがあって、その文章にまず「あっ。いいなあ」と。こんなのです。
<立ったまま見おろしていると、少女は寝返りを打って横を向き、うなじで短く切りすぎたキンポウゲ色の髪が、火の光を受けて金赤色に染まった。カーペンターの頭の中はこんな連想でいっぱいになった。キンポウゲに覆われた春の牧場、温かく清らかな太陽が昇ってきて、露の宝石をちりばめた一日の到来を告げる・・・・・・。>p.179 市田泉訳
ロバート・F・ヤングの短篇集『たんぽぽ娘』(河出書房新社【奇想コレクション】シリーズより刊行予定)への期待がいや増す短篇。ヤングのタイム・トラベルものはやっぱり良いなあと、魅了されましたね。
【シャンブロウ】シリーズと、早川文庫の表紙カバーに描かれた松本零士のイラストが忘れられないC・L・ムーア。彼女の収録短篇は、人類の創成期から未来の果てにかけて、互いを探し求める男女の物語。時間の中を前に後ろに跳躍しながら、相手の女を訪ね求める主人公エリック・ロスナーのただひとすじの想い。弓弦から放たれた一矢が、女のスモークブルーの瞳をめがけて飛んで行くがごとき味わい。じんと震えが走ったラストまで、これもよかった。
余談ですが、タイム・トラベルのアンソロジーでは、以前新潮文庫から出ていた『タイム・トラベラー』が大変充実した内容です。時間SFがお好きな方で未読な方には強烈にプッシュ、おすすめいたします。 |
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