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官僚たちの夏  改版  新潮文庫

官僚たちの夏(新潮社) 城山 三郎著
税込価格: ¥580 (本体 : ¥552)
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出版 : 新潮社
サイズ : 16cm / 352p
ISBN : 4-10-113311-5
発行年月 : 2002.3
利用対象 : 一般

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コメント・書評

城山三郎の作品は注意して読め!
塩津計
Aug 27, 2009 9:27:06 PM
評価 ( マーク )
★★

城山三郎は平然と歴史を捻じ曲げ大ウソをつく。これ、すべて売文のためであり、カネ儲けのためである。無知な大衆というのは単純な勧善懲悪を好む。城山の戦略は正にこれで、複雑で思いもよらない展開に満ちた歴史というドラマを城山は、まるで遠山の金さんや水戸黄門のように編集し直してしまう。ここに城山「文学」の最大の問題点がある。

今、「官僚たちの夏」がTBSで放送され話題を呼んでいる。これはこれで結構なことではあるが、ここで展開される「米国=強大な国力をバックにいたいけな弱小国に圧力をかける悪者」「自由貿易・国際派=新自由主義者=弱肉強食の信奉者で悪者」「貧しいながら焼け跡から懸命の努力を重ね立ち直ろうとする日本=善玉」「保護貿易派=弱者の味方=善玉」という極端な二項対立の図式は「自信を失った日本国民の浅薄なナショナリズム」に付け込んだ大ウソである。事実は、多少の摩擦はありがらも引き続き日本に広大な自国市場を寛大に開放し続けた地球の父にして母である慈愛に満ちたアメリカさまに日本製品が大量に輸出できたお陰で日本の奇跡の高度成長は完結したのであり、その意味でアメリカという偉大な大国こそが日本の大恩人であり、世界でほとんど唯一の「儲かる市場」「大のお得意様」であったのである。そして、なぜそこまで日本がアメリカに日本製品を輸出し続けることができたかといえば、最大の理由は「共産主義という人類共通の悪魔に対抗する為には多少の犠牲は甘受する」という冷戦下でのアメリカの割り切りと、「統制経済派=保護貿易派の姑息な抵抗を日本が抑え込んで自由貿易に踏み切った結果、トヨタ自動車以下の日本メーカーの競争力が劇的に向上した」ことに尽きるのである。日米自動車摩擦華やかなりし頃、当時の日本政府の交渉責任者の地位にあった通商産業省の天谷直弘審議官は言ったものだ。「昭和30年代、当時のトヨタ自動車社長だった石田退三氏は通産省に毎日のように現われては、日本は米国からの自動車輸入を解禁してはならない。解禁すれば日本の自動車メーカーはひとたまりもなく壊滅し、日本は米国の自動車メーカーに乗っ取られることになるだろうと力説していた。しかし当時の通産省は彼の言い分を抑え込んで自動車の貿易自由化に踏み切った。いま日本はアメリカから日本の自動車メーカーの競争力が強すぎると文句を言われているが、これすべてあの時自由化をわれわれが決断したからだ」。諸君、事実はこの通りなのである。

まあ、城山三郎ごときが書いた売文のための売文はマンガとして読めばよい。これぐれも「昔の官僚は優秀だった。それに引き替え今の官僚は」などと間違った原因に基づく間違ったあさってな悲憤慷慨をしてはならない。時間とエネルギーの無駄である。
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