コメント・書評 |
あなどるなかれ、”官僚力”
hisao
Aug 26, 2009 5:06:45 PM
|
評価 ( ★マーク )
★★★★★
|
1960年代、池田隼人(59年通産大臣、60年内閣総理大臣)佐藤栄作(61年通産大臣、64年内閣総理大臣)政権下、日本が途轍もなく元気な時代に活躍した風越(モデルは佐橋滋通産次官)を筆頭とする官僚たちの話である 世間に反官僚ムードの高い今、テレビ・ドラマ化され、なかなかの人気である 何故だろうか?複雑な思いもある ”ミスター通産省”・風越(佐橋)は親分肌で傍若無人の超官僚、開襟シャツ1枚、ノーネクタイで大臣、財界人を睥睨する テレビではより一層美化されているが、小説では辣腕官僚の傲慢不遜な”強権”ぶりもあからさまに描かれる 我が信念への絶大の自信ゆえ、大臣・財界人を馬鹿にし、吼える、恫喝する 自分の信念を実現する為、権力の頂点を目指し、意に叶った部下を集合し、組織の権限を守る 政治家は”人気取り”が命である、お役人は自分が案出する”政策”実現が命なのだ その為、お役人は政治家とは比べようもなく勉強する、政治家がゴルフ場で政治を決めている時に、エリート官僚達は政策論争に身体を張る、時にはもろに権力の刃を振るおうとする 官僚の力は絶大、政策は日夜官僚の手で創られる 近い所では反官僚をうたった小泉=竹中氏も結果的には”仕事の出来る”官僚グループを身内に結集する事で”政策”を実現したのだ 日本経済高度成長への突入期、”国際派”対”統制派”の対立の中で、風越は”統制派”のボスである 風越らの立案、命懸けで日本経済を守ろうとした”特定産業振興法”は政治力に負け葬られ、風越の人事構想は挫折する しかし彼らは生き残る その精神は官民協調方式と体制金融に生かされ、日本の強力な自動車産業、コンピューター産業を育成し、”日本株式会社”の奇跡を生む 凄腕の官僚達が打ち出す”政策”が正しいかどうか、歴史のみが証明する しかし、官僚達の”強権”を振りかざした命懸けの戦いを通してしか歴史は前に進まない 汚職や金銭欲・保身に汲々とする木っ端役人も居るだろうが、エリート官僚の”怖さ”はここにある |
|
|
| 現在の投票
はい:6人(86%)
いいえ:1人(14%) |
|
|
|