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未完の小島信夫  水声文庫

未完の小島信夫(水声社) 中村 邦生著
千石 英世著
税込価格: ¥2,625 (本体 : ¥2,500)
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出版 : 水声社
サイズ : 20cm / 290p
ISBN : 978-4-89176-736-5
発行年月 : 2009.7
利用対象 : 一般

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内容説明

なぜ、いまなお私たちは小島信夫に魅了されるのか? 屈曲した語りで読解行為をスリリングな宙吊り状態へと誘う、小島信夫の魅力とその実像を、作家と評論家が縦横に語りつくす。小島信夫との発掘対談も併録。

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コメント・書評

「未完」という名の可能性
けんいち
Jul 20, 2009 10:31:34 AM
評価 ( マーク )
★★★★★

小島信夫をめぐる、エッセイ・対談・批評によって構成された本書は、小島信夫という主題に向けて、編著者の千石英世/中村邦生が投げかけた、読み/思考の混成体そのもので、おそらくは良い意味で「未完」であり、その様態は混沌としている。もちろん、きっちり証拠を出しながら論理が進められていく議論がないわけではない。しかし、小島信夫に魅せられた2人のこと、さらには「話し言葉」の部分が多いこともあいまって、ともすれば散漫な印象すら与えかねない言葉が、饒舌に書き綴られているのが本書だが、そおらくはそこにこそ、本書の/小島信夫の「未完」を解き拓く鍵があるはずだ。理詰めで考えられるなら、小島信夫の小説など、不要である。小島信夫を主題とした千石英世/中村邦生の批評にしても、もちろんそうだろう。ならば、そうした(近代的な)方法では届き得ない、小島信夫文学のエッセンスに、どのようにしたら照明を当てることができるのか? その実践こそ本書の構成であり、飛躍と逡巡を兼ね備えたような本書の議論であるに違いない。少なくとも、そこには、小島信夫の「未完」ぶりを、小島信夫の「可能性」へと転換していく、しなやかで粘り強い読みの経験が蓄えられている。
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