コメント・書評 |
ベスト・ショットは「もう大丈夫です。お茶の水博士……」という場面
消息子
Jul 5, 2009 9:49:21 PM
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評価 ( ★マーク )
★★★★★
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アルバムを繰ると、私の最初のお絵描きの写真はアトムである。浦沢版アトムがアトムの意匠を裏切るのとは別の意味でアトムに見えない代物だが。 遙か昔に読んだはずの『地上最大のロボット』の細部はまるで覚えていないまま、『プルートウ』は単行本が出るたびに読んだ。何しろ私の最初のアイドルだったわけだし。よく覚えていないにしろ。 それにこれは「浦沢直樹×手塚治虫」と書かれているように「地上最大のマンガ家」の対戦というところにも興味をそそられた。いや、片方は天上か。 連載に5年以上もかかっていりゃあ読む方はストーリーも忘れる。もう一度第1巻から通読。見事に伏線が張られ、ストーリーが練り上げられていく技倆に感嘆。お茶の水博士やヒゲオヤジが違うのに似ているのは、映画版『20世紀少年』のキャストが漫画と違うのにものすごく似ているようにみえるのと、どこか似ている。「まねでもそのうち本物になる」というのも本作の箴言のひとつだろうけど。 しかし浦沢直樹のロボットは、「毎日かあさん」サイバラも指摘するように下手だなあ。旧式のロボットもプルートウもすべて人間の造形にしてもよかったような気がするが。他方、ベスト・ショットは、復活したアトムが「もう大丈夫です。お茶の水博士……」という場面かな。 アトムの他の作品への言及も随所にあるようだが、これも忘れてしまったので、私にはよくわからない。なんとか『火の鳥』の「ロビタ」くらいは認識できた。そのほかにも、傷ついたプルートウとアトムが横たわってともに星を見上げるのは『デビルマン』ではなかろうか。天馬博士はどうみても碇ゲンドウだし、そうすると彼が作ったロボットであるアトムはエヴァンゲリオン? あちらこちらで記憶がくすぐられる。これは漫画文化の堆積の上に打ち立てられた作品なのだ。そして、覚えているとか忘れるというのが最大のテーマ。覚えていたり忘れたりするのが人間だから。 |
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