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ミスミソウ  3  ぶんか社コミックス

ミスミソウ(ぶんか社) 押切 蓮介
税込価格: ¥690 (本体 : ¥657)
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出版 : ぶんか社
サイズ : /
ISBN : 978-4-8211-8817-8
発行年月 : 2009.6

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コメント・書評

久々に本気で怖かったホラーマンガ
もりこ
Jul 2, 2009 8:26:43 PM
評価 ( マーク )
★★★★

廃校が決まった山村の中学校。最後の卒業生たちにとって部外者である転校生・春花へのいじめが凄惨な事件に発展し、完結となるこの3巻で、悲しくも怖ろしい復讐劇の幕が下りる。
表紙からしてすごく上手い絵とは思わなかったが、火も雪も花も、景色のすべてが心象風景につながる構図はすごいし、心情をダイレクトに表す表情は寒気を感じさせる。
全体的にはドラマチックでさえあるホラーフィクションだが、事件のひとつずつ、それぞれの心理をとってみれば、現実にあるものしか描かれていない。PTSD、自律神経失調症、強迫性障害、共依存など、誰もが落ちる可能性のある穴の中でもがく登場人物たち。そこに子供ならではの残虐性が加わって、一気に恐怖が加速する。
子供には大人が望む子供らしさだけではなく、負のらしさも必ずある。しかし大人はしばしばそれを忘れ、素直と従順を履き違え、(時には現実問題からやむを得ず)子供の意思を置き去りにして、大人にとって都合のよいらしさの枠に子供を当てはめようとする。「私は家族を焼き殺された」。帯に書かれた衝撃的な事件は、そんなところから始まっているのではないか。現実の厳しさや責任の重さに思いやりを失う大人たち。子供はそれを子供特有の思考回路で転写しているだけに見える。
両親を亡くした春花に「おじいちゃんがついてる」と肩を抱く祖父。彼もまた息子を亡くして泣くに泣けない父親であり、先の見えた老人である自分しか頼る者のない孫に、どんな気持ちでそう言うのか想像すると、ラストシーンがあまりに切ない。
怒りと憎しみに主人公は燃え尽き、読者に自己問答の余地を残す。忘れられない作品のひとつだ。
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