コメント・書評 |
「IT革命」の現代的見取り図
BCKT
May 7, 2009 12:33:08 AM
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評価 ( ★マーク )
★★★★
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序章 ウェブ社会―本当の大変化はこれから始まる 第1章 「革命」であることの真の意味 第2章 グーグル―知の世界を再編成する 第3章 ロングテールとWeb2.0 第4章 ブログと総表現社会 第5章 オープンソース現象とマス・コラボレーション 第6章 ウェブ進化は世代交代によって 終章 脱エスタブリッシュメントへの旅立ち
著者は1960年生まれ。出生地不明だが,たぶん東京都。父が劇作家で,妹が脚本家。幼稚舎から始まって慶應義塾大学(工学部)卒業までずっと慶応の学歴。東京大学大学院情報科学修士課程修了。アーサー・D・リトル に入社。シリコンバレーに引っ越し(94年,34歳)。MUSE Associates創業(97年,37歳)。岡本行夫と「パシフィカファンド」設立(00年,40歳)。(株)はてな取締役に就任(05年,45歳)。『シリコンバレー精神』,『ウェブ時代をゆく』,『フューチャリスト宣言』,『ウェブ人間論』など。ウェッブ好きだねぇ。本書刊行時に著者は46歳。本書カバーの著者近影の撮影者は,はてなの社長(近藤淳也)。 本書は『フォーサイト』と『正論』などに掲載された文章を「素材に書き下ろし」(243頁)たもの。まぁ,これは同じ人が同じテーマで書けばその文章が似通うのは当然。著者は,本書を書きあげるために午前3時に起床し(!),午前中までを,5週間を投じて書き下ろした(245頁)。(12-3)時間*5(週間)*7(日)=315時間。
本書は06年までのいわゆる「IT革命」の現代的見取り図。そのキーワードは,「インターネット」「チープ革命」「オープンソース」。この三つを用いて,著者はウェブ社会の未来像を描きつつ,「IT革命」の意義を問い,IT革命の第二段階(Web.2.0[うぇぶばーじょんつー])として(第一革命はYAHOO!とビルゲイツのWindows),Googleとamazon.com(の「ロングテール」)を取り上げ,ブログを通じた一億総表現者化(「総表現社会」)を描き出した。「革命」の進行とは,要するに,技術的にも費用的にも素人にとってアクセスや利用が容易化する社会への変質であり,素人でさえこの変化に合流することで多少の金が稼げる社会への転換である。本書副題「本当の大変化はこれから始まる」とは,要するにこれから素人がインターネット空間へと怒涛のように流入する事態を予測(予告?)している。
著者の学生時代の夢は「学問の研究を続けて大学に残ることだった」(167頁)。しかし現在,実生活では,ブログを通じて「バーチャル研究室」を運営し,日常的には研究者的な生活を送っているらしい。日々の生活に満足感を得ているようだ。羨ましい。
(1041字)
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