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秘密  文春文庫

秘密(文芸春秋) 東野 圭吾著
税込価格: ¥700 (本体 : ¥667)
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出版 : 文芸春秋
サイズ : 16cm / 452p
ISBN : 4-16-711006-7
発行年月 : 2001.5
利用対象 : 一般

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コメント・書評

どの視点からでも感情移入できる一冊。
オレンジマリー
Apr 24, 2009 12:38:32 AM
評価 ( マーク )
★★★★★

久しぶりに、続きが気になる、気になって仕方が無いっていう書籍に出会った気がする。
地下鉄の中、授業中の休憩時間、寝る前のひと時、いたるところでどんな時でも本書を
開いては、没頭した。どの視点からでも感情移入することができる珍しい一冊だと思う。

始まりは、痛ましい事件の幕開けからだった。
そこで起こった不思議な出来事から展開される、さまざまな事。妻である直子の気持ち、
娘としての立場の気持ち、そして夫である平介の言いようの無い嫉妬心。
自分がこの登場人物の立場だったら…やはりこう思うだろうという流れなので、妙に
リアリティがある。平介の、色んな事に対する心情が、対応が、一般的なのである。
だれもがそう思うだろうね、言うだろうなっていうポイントを突いている。

そして吹き出してしまった箇所があった。
平介が札幌に行った際に時計台を見た時の感想である。ああ、私も正しく同じ事を
感じていたっけと懐かしくもあり、可笑しくもあった。知っている地名や場所が
出てくるだけで、その情景が脳裏に浮かんできて面白さが増す。自分が辿った道のりを、
平介も物語の中で辿り、同じことを思っているというのは妙な感覚だった。

そして娘の成長。
それと共に失っていくものがあり、心が痛む。
いつしか娘は高校に入り、当たり前の事だけど色んな経験をしていく。
そんな輝かしい青春時代を送っているのを見届ける、平介の心情と取ってしまった
行動、読者としては複雑ながらも納得がいってしまう。

平介が努めて誠実にしている姿、それに報いようとしている妻、直子。
様々な葛藤が渦巻き、そして苦悩して、逃げ出したくもなり、苦渋の決断を下す。
物語の終盤では、うっすらと読んでいる字が滲んできたくらいだった。
それが一番の道だろう、だけど苦渋の選択だねと同情してしまう。
そして途中で発生した謎解きも面白い点の一つだと思う。

映画にもなったという名作。
東野圭吾の作品の中でも本書は読者に近い、現実味の中で味わえる面白さを体験
できる一冊だと思う。本書をきっかけに東野圭吾の書籍を買うようになったという
友人も結構いたくらいである。
この書評はいいと思った・・・
 
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