コメント・書評 |
ファンタジーを超えたリアル
mayumi
Sep 23, 2008 8:21:19 PM
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評価 ( ★マーク )
★★★★★
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「狼の骨」の伝説を追ってきた町では、イッカクが水揚げされる。それは、長年土地を巡ってあらそってきた町を根底からひっくりかえすきっかけになりえるものだった。 行商人ロレンスと賢狼ホロの旅「対立の町」の完結編。
このシリーズ、元々「魔法も剣もないファンタジー」といわれている。そして、ファンタジーたらしめているのが若い娘の姿だけど実は狼だというホロの存在。しかしながら、作者はその存在に依存することなく、この経済ファンタジーを成立させている。 もう天晴れとしか言いようがない。 女性行商人エーブと、商業組合のかけひきにいやおうなしに引き込まれるけれど、実際には何の力もないロレンス。その力がないこと、存在の小ささを、真っ向から描いている潔さ。 主人公の小ささを、これほど前向きに描いた小説があっただろうか。 自分の器を知ることは、前に進むこと、そしてそれをどう踏み出すかということにとても必要なことだと思う。 ロレンスは、それをホロや、出会う様々な人から学んでいる。
ホロの活躍が少ないので、ケレン味が足りない感じもしないわけでもないが、ここはやはりきっと一回り大きくなったロレンスの成長を堪能したい。
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