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沖で待つ
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コメント・書評 |
庶民の矜持と言い分
読み人
Aug 20, 2008 11:07:50 PM
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評価 ( ★マーク )
★★★★
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久しぶりに絲山さんの作品を読んでみました。 表題作の「沖で待つ」と「勤労感謝の日」の2作が収録された短編集です。
【勤労感謝の日】 30代で失業中、未婚の女性の勤労感謝の日の 断るに断れなかったお見合いのお話しが描かれています。 絲山さん、お得意のダメ人間のお話しで (私の登場人物をダメ人間っていうなら、完璧な人を紹介して と、前、発言されていました) この、世間では、負け組みとか、言われている女性の 矜持とも言い訳とも、取れる心情がずーっと綴られます。 で、お見合いの相手は、なんと一流大学、一流企業、趣味は仕事という 究極の勝ち組みというか、エリート。 ところが、実は、この勝ち組みのお見合い相手も、 この女性からの視点によって別の意味では、 ダメ人間の負け組みでは、ないか、と絲山さんは、示しています。 で、ラストは、ダメ人間同士でお互いを慰めあるかのような、 癒しのスポット、救いの場所を (女性に比べると、しっかり働いている男性が経営するお店ですが こういう、この客足でどうやって経営しているのだろう?っていうお店あるでしょ?) 女性に与えています。 これで、このダメ人間の女性も、居場所があり生きていけるかもしれません。
【沖で待つ】 こちらも、ダメ人間とは、いえないまでも、 社会人としては、どうにかこうにかやっている会社の一サラリーマンのお話し。 事故死してしまった同期の同僚のパソコンのハードディスクを壊すという 話で、この行動を前後にはさみ、中間は、会社であくせくやっているサラリーマンの ささやかながらしたたかな矜持が描かれています。
面白いというか、バブル期、金余りでみんな遊んでいたというよりは、 サラリーマンは、仕事が立て込んで、めちゃめちゃい忙しかっただけ というバブル期の違う側面が見えるあたりでしょうか?
この短編も、社会の底辺で生きる人間の言いわけ、矜持、生き様が描かれています。 両編とも、ある意味、絲山さんの十八番ですね、、。
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