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道化の町  KAWADE MYSTERY

道化の町(河出書房新社) ジェイムズ・パウエル著
森 英俊編
白須 清美訳
宮脇 孝雄訳
税込価格: ¥2,310 (本体 : ¥2,200)
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出版 : 河出書房新社
サイズ : 20cm / 309p
ISBN : 978-4-309-80108-7
発行年月 : 2008.3
利用対象 : 一般

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内容説明

道化師ばかりが住む町で発生した殺人事件。被害者はもちろん道化師、凶器は投げつけられた毒入りパイだった−。表題作ほか巨人殺しのジャックが持ち帰った金の卵を産むめんどりの盗難事件など、12の短篇ミステリを収録。

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コメント・書評

カバーが内容をよく表している、っていいますか、シャープというよりはまるい。いや、カバーに負けてる。だって、小説にキレがないんです、どれも
みーちゃん
Aug 1, 2008 7:29:09 PM
評価 ( マーク )
★★★

河出書房新社では、奇想コレクションが私好みのシリーズで結構好きなんですが、ちょっと最近はマニア向け過ぎるというか、マイナーすぐ手空振り気味。そんな時に見かけたのがこの本。全体の印象から、てっきり文藝春秋社が出したミステリだと思ったのですが、なんと KAWADE MYSTERY とあります。一向に衰えぬミステリ人気に河出までが乗ってきた?

それはともかく、誰もが一度は手にしたくなる装丁で、誰が担当しているのかと思ったら大御所・和田誠。特にカバーデザインに関しては上手いもので、我が家の長女も誉めることしきり。『村上春樹全作品』の、あの切手を模したデザインをしている人だよ、と教えたら「さっすがー」と肯いていました。

さて内容ですが、奇想コレクションみたいだと困るなあという心配は無用でした。ミステリとSFという違いがあるのでしょう、論理的にしっかりしていなければミステリではない、という有名なチャンドラーの言葉じゃありませんが(ウソです、はい)、理に落ちるという点は外していません。

目次の順に全作品を初出とともに簡単に紹介しておきます。

◆最近のニュース Have You Heard the Latest?(Caper Magazine,April,1967):妻の言うことはいつも頓珍漢、今日もありえないようなことばかり言って・・・

◆ミスター・ニュージェントへの遺産 A Bequest for Mr. Nugent (EQMM,February,1994):資産家のミセス・ボウルズのところに現れた客は・・・

◆プードルの暗号 The Code of the Poodles (EQMM,October,1990):プードルがモールス信号下会話する・・・

◆オランウータンの王 The King of the Orangutans (EQMM,September,1992):オラウータンのイグナティウスが約束してくれたのは・・・

◆詩人とロバ The Talking Donkey (EQMM,Mid-December,1987):10年時間を与えてくれれば、ロバに会話をさせると王に約束した詩人は・・・

◆魔法の国の盗人 The Theft of the Fabulous Hen (EQMM,November,1973):ラウル王に取り上げられた金の卵を産むメンドリが盗まれた・・・

◆時間の鍵穴 A Keyhole in Time (EQMM,September,1993):ホガースに殺人を勧めるのは未来からきたというヴォイス夫婦・・・

◆アルトドルフ症候群 The Altdorf Syndrome (EQMM,May,1969):ダイヤモンドを盗んだのは誰だ・・・

◆死の不寝番 The Vigil of Death (EQMM,July,1982):連続殺人犯は吸血鬼、いや彼らを憎む老人・・・

◆愚か者のバス The Dunderhead Bus (EQMM,August,1985):各国でもてあまし気味の無能力なスパイたち一掃計画・・・

◆折り紙のヘラジカ The Origami Moose (EQMM,July,1986):連続殺人を阻止するはずの探偵はドアにホチキスで打ち付けられ身動きが出来ない・・・

◆道化の町 A Dirge for Clowntown (EQMM,November,1989):今はもう道化ではなくマイムが主役の時代、そんなとき道化師がパイを投げられて・・・

ミステリに魅せられたユーモア作家 森英俊 

あとがきで森英俊がエラリー・クイーンの片割れであるフレデリック・ダネイのことばとして書いている「だれにでも合うわけではないが、そのとりこになれた人々は幸せだ、なぜなら彼らにはこれまでに読んだことのないような物語が待っているからだ」がいいです。要するに誰もが納得する面白さではない。

確かにそうです。クイーンのような切れ味はありません。ユーモアもさほどではない。ユニークという点ではどうでしょう。たしかに「折り紙のヘラジカ」にだけは感心します。これって映像化したらかなり笑える。しかもこんな奇妙な設定。でも、他はそこまでではありません。ま、普通。ブームがなければ読まれない作家ではないでしょうか。
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