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失敗の愛国心  よりみちパン!セ

失敗の愛国心(理論社) 鈴木 邦男著
100%ORANGE装画・挿画
税込価格: ¥1,260 (本体 : ¥1,200)
出版 : 理論社
サイズ : 20cm / 230p
ISBN : 978-4-652-07834-1
発行年月 : 2008.3
利用対象 : 中学生   高校生

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内容説明

深く、複雑な「愛国心」をまるごとそのからだで体験してきた新右翼の雄が、自らの「失敗」を足がかりに示す、「力」よりも「言葉」へ、「正義」よりも他者を受け入れる真摯な「謙虚さ」への、切実な問いと願いに満ちた軌跡。

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コメント・書評

40年間、「右翼」をやってきた、と言い切れる人生だったから、今の鈴木さんがある。
りっちゃん
Jun 14, 2008 9:47:47 AM
評価 ( マーク )
★★★★★

 この本では、鈴木さんの人生と、そこから会得したものが書かれている。このパンセシリーズは高校生へのメッセージでもあるらしい。素敵なメッセージだと思う。ますますファンになった。
ミッションスクールでは、キリスト教を強制されたから反発を感じたとのこと。もともと「自由」が好きな性格なのね。
 「右翼度70パーセント、左翼度30パーセント?」では、私自身どうなんだろうかと考えてしまった。自分は左翼のはしくれとばかり思っていたが、もともと「左翼」とは暴力革命を前提とした上での「急進派」とのこと。いや、それでは私は「左翼」ではありません。命を大事にしたいし、暴力は嫌よ。もちろん戦争も。「脳と同じだ。情緒をつかさどる右脳と、論理をつかさどる左脳がある。両方あって人間だ。いま、気がついたが右翼は右脳的だ。情緒的に考える。左翼は左脳的で、論理的に考える。両方バランスがとれて人間なのだろう」を読むと、絶対私って論理的というより情緒的。ひょっとしたら、右翼度85%ありそう。ただ、日本をもっと良くしたいから、選挙では左翼といわれる方に投票してきた。
 わたしのイメージとしては、右翼って、純な人が多い。ただ、方法が間違っている。暴力はいけません、街宣車の騒音もいただけません。なんかダサいです。
 「四十年も右翼運動をしていると、多くの人を見ることになる。「自分こそ愛国者だ」と言っている人の中にもくだらない人はいる。一方「愛国心なんか必要ない」と言っている人の中にも立派な人はいる。「何を語るか」ではなく、「何をやるか」だ。
 そんなことがやっと分かった。「思想」ではなく、人間だ。そんな簡単なことが分かるのに四十年もかかった。その、迷い、悩み、失敗してきた経過を書いてみよう」
 人間、幾つになっても学ぶことがたくさんあるんだなぁ。
 「本島等長崎市長へのテロ」についての「朝生テレビ」出演。小田実に「テロを支持するのか?」と聞かれ、一人イイエと答える。「鈴木君以外はみな、テロ支持だという。だったら、こういう話をしていても、気に食わなかったら殺すといぅことだ。そんな人たちと話せるか!」と指摘されてから、「僕らはべつに人を殺したり、傷つけるために愛国運動をしているわけではない」、ということに思い至る。・・・「我々の側がまず、「テロ否定宣言」をすべきではないか。それによって「言論の場」がすぐに来ないとしても、たとえ小さな声でも言論でやるしかない。僕はそう思った」。
 「いろんな失敗をしたから、広い世界が開けた。その時、失敗しないで、「成功」していたら、「小さな世界」に安住し、そこから脱出できなかっただろう」
 「極端なことを言ったら、投げたり、殴ったりなんかは教わらなくていい。受身だけを習ったらいい。さらに言えば、「人生の受身」を教えたらいい。失敗した時、どうするか。死のうと思い絶望した時、どうするか。どう「受身」を取るかだ。また、「謝り方」も教えたらいい。人間はみな、間違うのだ。その時、素直に謝れるかどうか。「ごめんなさい」と「ありがとうございます」。この二つさえキチンと言えれば、人生は渡れる」
 「人生の「受け身」については、前にいったように、自分を別の角度から見ることだ。客観的に、突き放して見る。これしかない。そして、「そのうち笑い話になるさ」「そのうち、『失敗してよかった』と思えるさ」と信じることだ」
 「さらに大事なことがある。何があっても死なないことだ」(昔は情報が少なかったから、自殺なんてことも知らずにすんだ)
 「いまを楽しまないのでは、何のためにいまを生きているのか分からない。今、生きているのは、それなりの理由があるからだ」
 「神々だって、その子孫の天皇だって、こんなに間違いがある。失敗がある。殺し合ったり、争い、憎み合う。ましてやわれわれ人間はもっと間違う。だから反省し、謙虚な人間になろう」
 いいこと言うなぁ。日本の歴史についても、勉強になりました。
 「平安時代の約三五〇年間は、日本は「死刑廃止の国」だった。仏教の影響もあるだろう。人を殺すと崇ると考えられた。大火事、大地震などは死んだ人の祟りだと思っていた。だから殺さないで、遠島に流した」
 「日本は「武器の進化」を止めた唯一の国だ。ふつう、刀から鉄砲、大砲……と、武器は進化する。進化したら過去の武器は捨て去る。ところが日本は種子島に鉄砲が伝えられ、織田信長はそれを大いに使ったが、これが主流にはならなかった」
 「江戸時代は、国家としての軍備はなかったのだ。藩には兵隊がいたが、国家を守る軍隊はない。ずっと、「非武装中立」の国だったのだ」
 やっぱり日本人で平和好きだったのねぇ、と納得。
 「加えて、ずっと謙虚な国だった。大化改新のころは中国、朝鮮から人もものもドッと来た。外国の文化を限度なく受け入れた。こんな国はほかにない。外国の人や文化を尊重し、受け入れたのだ」
 明治以降についてはちょっと見解が違う。彼は、自虐でもいい、謙虚が一番というが、自虐と謙虚は明らかに違う。自虐の場合は元に自分を否定しているがゆえに、他人や他国に対して否定、傲慢、攻撃しがちになる。自分に自信を持っての謙虚さなら、吸収も早いし、相手にも優しくなれる。
 鈴木さん自身「40年間、「右翼」をやってきた」と言い切れるだけの人生を歩んでこられたからこそ、失敗の部分にも目がゆくし、訂正もきくのだと思う。
 「侵略や虐殺などすべて嘘だと思っていた。
ところが、どうも、いろんなことがあったらしい、と分かるようになってきた」
 「(日本が)神の国というならば、世界中が「神の国」だ」
 そして、「西欧の植民地支配に反対する」といって戦争をしながら、同じように植民地支配をしたのだから、弁解の余地はない。
国家も個人も同じだ。失敗したら謝る。間違いも謝る。そこから、仲よくなることもできるんだ」
 「ごめんなさい」は勇気がないとなかなか言えないものだ。だが、それ以前に、失敗や間違いを認める、素直さと頭脳が必要かも。鈴木さんは頭がいい上に、素直で勉強家でもある。右左を問わず、誰からも学んでいる。日本人がもともと持っている美徳だ。今は、ともすれば、目をつぶって現実を見ようとしない、自分の意見と違う立場の人の話しに耳を傾けようともしない人が多い。もっと広がりたいねぇ。私も、鈴木さんみたいにいろんな人から学ぼうっと。
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