コメント・書評 |
オタクになるには?
ばー
May 24, 2008 10:55:29 PM
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評価 ( ★マーク )
★★★★
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オタクブーム(と言っていいのかもよく分からないが)は最近下火になってきた感がある。 ちょっと前、ほんのちょっと前、エヴァとか同人とかラノベとか2ちゃんねるとか。その他もろもろ。そういうのが折り重なって、「最近の若者はすっかりオタクだ」っていう声もあった(気がする)。私個人の見解から言えば、 もう既に「オタク」という言葉が使えないほど、皆オタクになっちゃってるんじゃなかろーか。 アニメ、漫画などの(なんて言うか、「そーいう感じのもの」)に「特に」詳しい者が、オタクではない。すでに。「オタク」は「何か」に「特に」詳しい者であり、その対象は特に限定されてない(はずだ。多分)。 過去にオタクだけに許されていた諸々はもはや世の中にばら撒かれ、消費されている。
本著は、「過去」のオタクの第一人者、岡田斗司夫のリニューアルされた文庫本である。 岡田というと、ダイエットですっかり有名になったようだが、やっぱりホームグラウンドはオタク的文化である。オタクとはどういうものかを一般的に世に広しめたのも多分この人だろう(っても、あんま私もここらへんの人達は詳しくないのですが)。
まさに「オタクのなり方」とでも言うべき本著であるが、やはり、今の時代に読むと、いかんせん時代を感じさせるラインナップである。その一方で、オタク的な分析法、その技術、その特異性などは今の時代にも通じる、むしろ、昔のオタクを通して今のオタクを見ることで、「オタク的」だと思われてきた事柄がくっきりと説明されているような気がする。さらにその一方で思うことは、やっぱり昔のオタクはなんていうかかっこいいような…萌え系の近年のオタクとは違い、理系的な、技術屋的なプロ的な強さを感じるんですよね。ビデオもなく、当然ネット環境も普及していない時代で、どのようにアニメを見るか、そして、それをどうやって一見で分析するか。どうやってそのアニメの構成、カメラワークなどを解析するか。その心意気は確かに、細部にこだわる、それこそ日本的な「粋」な見方であろう。
また、本文の中でも触れられているが、この本はオタク的作品の、作品論ではない。あくまで描かれているのは、見方であり、いや、そういう方法論ではなく、見る態度、姿勢といった、いささか精神論的なものである。そういった意味でも実に広い門構えである。言い換えれば、この本さえ読めば、どのように見るべきか、ということが分かる。
この本は、岡田が書いているという点からも、オタク一辺倒の、オタク万歳の観点である。東のように客観的な視点ではない。 だから、この本が書いていることは、オタク環境の中では間違いなくバイブルであり、入門書であるが、それ故の盲目さもある。オタク万歳を先に出さなければいけない地位の地盤の弱さももちろんあったろうが、当時のオタクの弱さを知りたかった、というのは高望みであろうか。
若干ブームが下火になってきている昨今、こういう本を読むことは、ちょっとした面白みがある。どのようにオタクブームを作ろうとしたのか、その熱情がよく分かる。じゃあ、岡田達はウハウハか?と言うと、あながちそうで無いんじゃないかな?岡田が求めているオタク像と、現在のオタクは違う。その違いは、富野(ガンダムの原作者。岡田との対談が巻末に付加されている)のガンダム観と、消費者のガンダム観との違いにも通じる。
この先オタクはどうなるか?ますますこの日本発祥の文化に注目してしまうのである。
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