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私の男

私の男(文藝春秋) 桜庭 一樹著
税込価格: ¥1,550 (本体 : ¥1,476)
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出版 : 文藝春秋
サイズ : 20cm / 381p
ISBN : 978-4-16-326430-1
発行年月 : 2007.10
利用対象 : 一般

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内容説明

【直木賞(138(2007下半期))】優雅だが、どこかうらぶれた男。一見、おとなしそうな若い女。アパートの押入れから漂う、罪の異臭。家族の愛とはなにか。この世の裂け目に堕ちた父娘の過去を圧倒的な筆致で抉りだす。『別册文藝春秋』連載を単行本化。

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コメント・書評

私の父親、私の男。
豆丸
Apr 13, 2008 4:18:03 AM
評価 ( マーク )
★★★★

  タイトルから得た印象は、話の後半までずっと引きずる事になる。
 この小説でもそうだったし、これの場合。中々刺激的な帯がついている。
「おとうさんからは夜の匂いがした」「なにもかもを奪い合う父と娘」
「朽ちていく幸福と不幸を描く、衝撃の問題作」などなどなどなど……。
 この紹介文を読んでしまっては暫くは、普通に作品を読むことはできない。そう思った。で、先日に至る……。
 
 結局、私にはこの小説が上記の煽りに描かれていた。
 夜の匂いとか、朽ちるとか、はげしい父娘関係とかはあまり感じなかった。
 ただ少し異質で、賞を取るには少し背徳的な感じがしたけれど、あくまでも父娘と娘の一つの形を描いたように思えた。
 もちろん、小説通りの関係が現実にあったら困ったことになると思う。
 けれど、小説だから許されると思ってしまえば面白い、良い親子じゃないかと思う。(犯罪はいけないけれど)

 それよりも、この描き方が好きだ。
 「異常な」父と娘の関係が崩壊(完結?)する娘の結婚の話から始まって、親子になり始める話で終わる。
 過去に遡って描かれる小説はすくなくないけれど、それがとても効果的に思えた。

 たとえば最終章
 9歳の娘・花と25歳の父・淳悟が買い物に行く場面。
 花は津波で家と家族を亡くしたばかりで、当然代えの服も無い。だから色々買い揃える事になる。
 そこで下着を買うとき
 「手をのばしてきて、ぽんぽん、と無造作にわたしの胸を叩いた。「……いらねねぇな」から「なんだ怒ったの?でも、俺のもんなんだから、どこ触ったって良いだろう」という流れ。
 その章だけを読んだら微笑ましいような笑える場面だと思う。
 無神経な新米父がおかしくて。
 でも、序盤から二人の関係を知らされている読者は、この会話後の事を想像してしまいでびくりとする。
 そういったことが、ちょくちょくあって面白かった。
 
 不健全で罪の匂いが章を追うごとに薄らいで、でも読めば読む程、はじめの罪の匂いの元ががはっきりしてくる。
 ああ、面白かった。
この書評はいいと思った・・・
 
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