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私の男
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コメント・書評 |
私の父親、私の男。
豆丸
Apr 13, 2008 4:18:03 AM
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評価 ( ★マーク )
★★★★
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タイトルから得た印象は、話の後半までずっと引きずる事になる。 この小説でもそうだったし、これの場合。中々刺激的な帯がついている。 「おとうさんからは夜の匂いがした」「なにもかもを奪い合う父と娘」 「朽ちていく幸福と不幸を描く、衝撃の問題作」などなどなどなど……。 この紹介文を読んでしまっては暫くは、普通に作品を読むことはできない。そう思った。で、先日に至る……。 結局、私にはこの小説が上記の煽りに描かれていた。 夜の匂いとか、朽ちるとか、はげしい父娘関係とかはあまり感じなかった。 ただ少し異質で、賞を取るには少し背徳的な感じがしたけれど、あくまでも父娘と娘の一つの形を描いたように思えた。 もちろん、小説通りの関係が現実にあったら困ったことになると思う。 けれど、小説だから許されると思ってしまえば面白い、良い親子じゃないかと思う。(犯罪はいけないけれど)
それよりも、この描き方が好きだ。 「異常な」父と娘の関係が崩壊(完結?)する娘の結婚の話から始まって、親子になり始める話で終わる。 過去に遡って描かれる小説はすくなくないけれど、それがとても効果的に思えた。
たとえば最終章 9歳の娘・花と25歳の父・淳悟が買い物に行く場面。 花は津波で家と家族を亡くしたばかりで、当然代えの服も無い。だから色々買い揃える事になる。 そこで下着を買うとき 「手をのばしてきて、ぽんぽん、と無造作にわたしの胸を叩いた。「……いらねねぇな」から「なんだ怒ったの?でも、俺のもんなんだから、どこ触ったって良いだろう」という流れ。 その章だけを読んだら微笑ましいような笑える場面だと思う。 無神経な新米父がおかしくて。 でも、序盤から二人の関係を知らされている読者は、この会話後の事を想像してしまいでびくりとする。 そういったことが、ちょくちょくあって面白かった。 不健全で罪の匂いが章を追うごとに薄らいで、でも読めば読む程、はじめの罪の匂いの元ががはっきりしてくる。 ああ、面白かった。 |
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