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刀語
第12話
炎刀・銃
講談社BOX
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コメント・書評 |
話の内容より、維新がこの本で披露する歴史観、それがいい。それだけで★五つは甘いか、でも予想外です、いいこと話してます、見直しちゃった・・・
みーちゃん
Apr 8, 2008 9:23:00 PM
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評価 ( ★マーク )
★★★★★
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いよいよ最終巻になりました。前巻のラストで意外な展開を見せたお話は、結局そのまま走ることになり、全体としての軽いという印象は決して変わることはありません。特に、第四章の家鳴将軍家御側人十一人衆との戦いは、いくらなんでも、これはないだろうという頁稼ぎ的なものではあります。
だって、その手の戦いは一人一巻ということで書かれちゃっているわけだし。ま、山田風太郎先生だったらもっと面白おかしい戦闘風景を描いただろうな、とはあらためて思います。ただし、全部が全部同じようなあっけなさで敗れ去っていく十一人を見れば、これも維新の予定通りの行動なのでしょう。
この巻で特に書いておきたいことは、家鳴匡綱の存在感の薄さです。総じてこの物語、登場人物に魅力がないのが特徴ですが、やはり重要な地位に居る人間はそれなりのものであるべきか、とは思います。結局、誰が一番得をしたかといえば、途中登場の否定姫と左右田右衛門左衛門、それと話半ばで姿を消してしまった七実ではないでしょうか。
逆に、この最終巻で最も意外なのは、我が家の高二次女も言っていたのですが、維新が述べる歴史認識です。歴史というのは、学問的には文字で記されたものだけが真実とされるのですが、ではそれが全て事実かといえばそうではありません。勝者に都合のいいものだけが残される、とは昔から言われ続けられ、だから史料批判が必要になるわけです。
しかし、さらに進んで維新は、創り上げられ捏造されたものもじつは歴史であり、それが混在しているのが現実であるといいます。さらに、それは最近よく言われる「作られた記憶」のように、私たち一人一人の中で歪められ或は増幅され、殆ど人類の数だけの歴史があるとも(ま、維新はここまで極論は言っていませんが)。
諸外国と日本の歴史認識の違いはよく言われますが、それは拉致問題、領土問題、国境問題においても見られ、世界に緊張をもたらしています。維新が描くこのお話も、荒唐無稽ではありながらも、決して絵空事と片付けられないものである、と言えないこともない、そう読むことも可能です。いずれにしても、私はこのラスト(イラストもですが)、納得して読みました。これで『刀語』との一年が終った・・・
蛇足ですが、私は全12巻揃ったものの懸賞には応募しませんでした。だって、巻末とはいえ本の頁の一部を切って送れ!とはないでしょ。それって12冊全部を傷物にしろってことなんですよ。本は読むものではありますけど、愛でて楽しむものでもある。いくら応募者全員にくれるものがあるとはいえ、まちっと上手いシステムを考えてくださいよ、講談社さん!
最後にデータ篇
目次ですが
序章 一章 別離 二章 家鳴匡綱 三章 城攻 四章 家鳴将軍家御側人十一人衆 五章 鑢七花 終章 アトガタリ となっています。基本の五章構成。そしてデザイン関係は
画:竹 筆:平田弘史 本及ビ箱装幀:ヴェイア 版面構成:紺野慎一(凸版印刷) 本文使用書体:FOT-筑紫明朝 Pro L
竹さん、ご苦労様でした。貴方なくして『刀語』十二巻は語れません。むしろ竹さんの絵で救われたところも多かったと思います。栞、大切にします。
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