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死神の精度  文春文庫

死神の精度(文藝春秋) 伊坂 幸太郎著
税込価格: ¥570 (本体 : ¥543)
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出版 : 文藝春秋
サイズ : 16cm / 345p
ISBN : 978-4-16-774501-1
発行年月 : 2008.2
利用対象 : 一般

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内容説明

【日本推理作家協会賞短編部門(第57回)】

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コメント・書評

高い精度と上質、洗練に充たされた方程式
ねねここねねこ
Mar 7, 2008 8:09:48 AM
評価 ( マーク )
★★★★

上手いなあ、とつくづく。そしてわかりやすい。エンタテイメントに徹したプロの作業であると思う。
「旅路を死神」が白眉。「死神と藤田」「死神対老女」もやはりいい。うるっと来るようなところも確かにあり、ミステリ仕立ての語りではそつない仕上がりのものに思う。全編を通してのものもすばらしい。精度は高く、とても上質。
 
しかしながら、例えば数十年持つだけの耐久力があるかと云われれば、答えに詰まる。
軽妙洒脱と云われること多い伊坂に思うが、この作も短編集という構成を置いたところで、そのものは思えど、太さ、のようなものはあまり感じられない。物語は物語として上手であるが、熱の入り方がドライである。淡白、というのも違う。別地にあるクール。ある種現代的であり、機械的、という言葉が適すだろうか。
 
この作と、伊坂についての印象がある。
例えば試験をしたならば、求められている範疇で90%の点を取る。ポイントを抑える。論旨も明確。そつなく巧妙、精度も高い。前から思っていたものだが、大衆性、人気が高いのも頷ける。
しかしながら、世界自体を狂わすほどの大きな力は無く感じる。数学で例えを云うならば、ゼロでその数を割ってしまうごときの力は持ちはしない。方程式の解法を見せられている快と不快。
割り切ったエンタテイメントとしては非の打ち所がないものだが…。しかし勢い、というか、一点突破、というかの…。違うな。突き抜けた、ものであること。範疇を超えているもの。暴力的なまでの。崇高な、神懸りな、というかの。…そうしたものではないということ。
慣れている、巧妙である。読後感も優れ悪くない。しかしながら、この作も妙に軽く思う。テーマは面白い。なのに不思議なことだ。
優れた才、秀才が持つもの。既に存在する世界のなかにある規定。冒険心は感じない。良かれ、悪しかれ纏まったイメージが残る。例えば『グラスホッパー』『魔王』にしてすら。『オーデュボンの祈り』『アヒルと鴨のコインロッカー』ならそれでも一考するのだが…。
 
伊坂は秀才のイメージがとても強くなった。
破綻すれすれの限界。未然偶然の彼岸にあり、臨界値にある気配を醸す。若しくは天上をゆらり漂う。そのような世界を書物に求めるが、伊坂は枠の内にある。遠く彼岸の極北より、近きのポップを軽やかに仕上げる。掬いし救っているのだが、そのものがどうも軽く感じる。
破綻はしないのだろうな、と思う。「都市的」「現代的」な作家だ。良かれ悪しかれ、優れた工業品のよう。この作も都市の現代に馴染むものだが、深い罅割れや抒情を永年に残すものであるかは疑問に思う。
 
個々人の求めるものにも依るのだろう。
『死神の精度』この作品のレヴェルも大変高い。
上手く、とても上品。優れた職人、プロだとつくづく。
ただしこの作にとって、彼は芸術家ではない。僕が言うまでもないことだが。感じるでなく、考えて構築されたものの印象。
それはそれで悪いものではないのだが…。
 
オーデュボンや、アヒルと鴨~のような作品を再度読んでみたく思う。
何か大きなものを感じた、当時の伊坂を再び見たく思う。
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