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走ることについて語るときに僕の語ること

走ることについて語るときに僕の語ること(文藝春秋) 村上 春樹著
税込価格: ¥1,500 (本体 : ¥1,429)
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出版 : 文藝春秋
サイズ : 20cm / 241p
ISBN : 978-4-16-369580-8
発行年月 : 2007.10
利用対象 : 一般

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内容説明

専業作家としての生活を始めて以来、世界各地で走り続ける村上春樹。走ることは彼自身の生き方をどのように変え、彼の書く小説をどのように変えてきたのか? 自分自身について真正面から綴った画期的書き下ろしメモワール。

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コメント・書評

同時代の幸福
kc1027
Feb 24, 2008 10:03:39 PM
評価 ( マーク )
★★★★★

この本は、走る小説家・村上春樹さんのメモワールである。
有名人としての村上春樹さんは書くことがまずあって、走ることは
書くために必要なこととして始められたという。何事も、始めの理由は
大事なもので、走ることをはじめたのは、肉体労働並にハードワークな
長編小説の執筆のため、つまりは良い小説のために走り始めたそうで、
その合理的な誠実さを知っただけでとてもラッキーな気分になる。

この本は要所要所にグッと来る言葉が散りばめられているのだけれど、
その中でもサラッと書かれたこの文章に触れたときは、村上春樹さんと
同時代に生きる(もしくは走る)幸福を最大限に味わうことが出来た。

「いずれにせよ、ここまで休むことなく走り続けてきてよかったなと思う。
なぜなら、僕は自分が今書いている小説が、自分でも好きだからだ。
この次、自分のうちから出てくる小説がどんなものになるのか、それが
楽しみだからだ。」

最初の文章と次の文章が「なぜなら」でつながっていることがとても
気持ちいい。走り続けることが書くことになって、書くことで自分を
好きになって、そしてまた走る。タイムが落ちたって走っていれば
また書けるかもしれないし、書くことでまた走りたくもなるだろうし、
このいつまでも続いていく感覚は読者の幸福感と地続きになっている。

充実した日々を送るのに、必要なことはそんなに多くはない。
本当に好きなことが2つか、あるいは3つぐらいあれば、それで充分なのだ。
悟ってみせているわけではなく、たぶんそれは本当だ。
この本を読むときの幸福感は、それを充分に伝えてくれる。
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