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靖国問題  ちくま新書

靖国問題(筑摩書房) 高橋 哲哉著
税込価格: ¥756 (本体 : ¥720)
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出版 : 筑摩書房
サイズ : 18cm / 238p
ISBN : 4-480-06232-7
発行年月 : 2005.4
利用対象 : 一般

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内容説明

戦後六十年を経て、なお問題でありつづける「靖国」を、具体的な歴史の場から見直し、それが「国家」の装置としていかなる役割を担ってきたのかを明らかにする。

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コメント・書評

根深い問題
濱本 昇
Nov 21, 2007 5:06:19 AM
評価 ( マーク )
★★★★★

「靖国問題」、私はA級戦犯を合祀した神社に首相が、参拝するという事に対する中国、韓国の反発という単純な構造の問題と考えていた。しかし、本書を読んで、それは、歴史・文化・感情等、国家の存在の意味を問う程、複雑で根深い問題であると再認識した。
著者は、まず、「感情の問題」として「靖国問題」を捉える。それは、遺族の感情である。戦場で死ねば、靖国で神になると信じて死んで行った人々の遺族。或る遺族の夫人の思いを伝える文章が掲載されていたが、それには、「靖国を悪く言われると、断腸の思いだ」との内容であった。この感情の問題は、国家が国に殉じる事を上手く奨励し、戦死を美化した賜物である。
次に「歴史認識の問題」、「宗教の問題」、「文化の問題」、「国立追悼施設の問題」と記述は、続いていく。「文化の問題」の中で、日本人は、死者の目線も感じながら風景を見るという記述があった。これは、日本人である私には、分かる感覚であるが、日本人以外には、理解出来ない感覚であろう。この美しき謙虚なる日本人の感情も深く「靖国問題」を形成していると思う。
靖国神社に首相が参拝して、外交問題となる度に、私は、無宗教の国立追悼施設を作るべきだと思う。しかし、千鳥が淵戦没者墓苑は、既にそういう機能を有しているのである。しかし、靖国神社に代えられないという所に、「靖国問題」の根深さが有る。
自国の戦争(憲法で戦争をしないから戦争と言わないでも)正当性を主張するための死没者の顕彰、これは、人間として自然な感情であるだけに、深い問題を感じる。
本書は、「靖国問題」を表面上の問題から、国家の存在自体を問う深い問題である事を認識させてくれた書であった。
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