コメント・書評 |
青い鳥
消印所沢
Nov 11, 2007 12:18:47 AM
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評価 ( ★マーク )
★★★
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冒頭いきなり,めまいを起こして倒れる小兵衛. あとがきで常盤新平も書いているように,読んだ者なら誰でも,これは作者の健康状態の反映だと思うだろう. ▼ 違う. これは計算である. ▼ 後期剣客商売シリーズがそうであった以上,誰しもが,本編も「老い」を巡る話だと,誰もがその時点で思ってしまうだろう. 著者は逆にそれを利用して,痛快冒険譚を展開しているのである. 冒険の目的は,表面的には事件の謎解き.だが,深層部分のそれは「不老不死の妙薬探し」.徐福伝説の頃から既にある,古典的な物語テーマだ. 隠宅が見張られているというだけで,めまいのことなど忘れ切ってしまう小兵衛. 襲撃を受けたときに眩暈を起こしても,小兵衛にとってはあんな程度. それどころか,敵側の医師を拉致して拷問したりと,いつにも増してアクティヴ. 後半には,めまいの影も形もなくなってしまう. ▼ 結局,本作品は「チルチルミチルの青い鳥」なのである. 「探していた青い鳥(不老不死の妙薬)は,身近(剣客としての修羅場)にあった」 という,そういうオチなのである. なにせ,小兵衛ばかりか,退屈していた松崎老人まで,それで「若返って」しまうのだから. ▼ 「とよまつ,は,豊松であろう」 等,池波文体も楽しめる. ▼ 読め. |
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