コメント・書評 |
もしもシリーズ
消印所沢
Oct 7, 2007 9:19:05 PM
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評価 ( ★マーク )
★★★
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もしもシリーズ「もしもこんな剣客がいたら?」の一編. 今回のテーマは「もしも親バカな老剣客がいたら?」 ▼ さっさと孫を避難させる小兵衛.おかげで三冬は殆ど出番なし. 小兵衛の眉毛がひくひくするさまに,思わず息を呑む与兵衛(p.80) わざと捕まる小兵衛(p.115) 「わしとしたことが,いささか早まりすぎたわえ」(p.126) 自分一人が力み返ったような気がしてしまう小兵衛(p.217) 箸を叩きつけて叫ぶ小兵衛(p.226) 大治郎と睨み合う小兵衛(p.226) 「こうしたときこそ,落ちつかねばならぬと,私は思います」と大治郎に諭される小兵衛(p.227) 「ちかごろのわしは,どうかしている……」(p.228) ▼ 基本筋は,ほんの小さな手掛かり一つから,その全容を掴むまで. ホームズ物の「赤毛連盟」に似たパターン. ただし本書は推理主体ではなく,親バカ主体なので,推理のヒントは読者には与えられず.読者は小兵衛と一緒に手探りするのみ. 「物事は尋いてみるものだのう」(p.32) 「猫のような真似」をしてみせるおはる(p.46) 「わしを爺あつかいにするなら,今夜は,たっぷりと足腰を揉ませてやるぞ」(p.102) 鼻を摘んでおはるを起こす小兵衛(p.109) 老剣客が重患を脱した姿に勇気付けられる小兵衛(p.175) かつて見たことがなかった,元奥御祐筆の冷たい目の光り(p.209) ▼ 常盤新平による解説にもあるように,「暗殺者」波川については好意的に描写. 浪人に斬りかかられた翌日には転居してしまう波川(p.43) 針のように両目が光る波川(p.135) 両目を細くすることで,動揺が眼の色に現れることを本能的に防ぐ波川(p.136) 思いがけぬ反応を示す波川(p.263) 「今も世話を受けているからと言って」……(p.268) 波川を主人公とした仕掛け人物を希望したいところ. ▼ ただ,著者には以心伝心幻想があるようで,そこだけが違和感. 「無口でも心が通じ合う」というのは実際には幻想.現実には,そういう気がするという,根拠のない話でしかなし. 「偽りの返事を聞かされるよりは~~」(p.142)というのは単なる後ろ向きな諦念. さらに,そういう無口という設定にしたため,ストーリーの中で自然に波川の素姓を語らせることに失敗した模様.唐突に説明される波川の素姓. そこだけが残念. ▼ 意知殺害等をもって締めくくられる,物悲しげなオチ. ▼ 読め. 【関心率0%:全ページ中,手元に残したいページがどれだけあるかの割合.当方の価値観基準】 |
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