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ウルトラ・ダラー

ウルトラ・ダラー(新潮社) 手嶋 龍一著
税込価格: ¥1,575 (本体 : ¥1,500)
出版 : 新潮社
サイズ : 20cm / 334p
ISBN : 4-10-382303-8
発行年月 : 2006.3
利用対象 : 一般

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内容説明

昭和43年暮れ。東京・荒川に住む若い彫刻職人が忽然と姿を消した。それから35年以上の月日が流れ、ダブリンに超精巧偽100ドル札あらわる。震源は「北」! 前NHKワシントン支局長が放つドキュメンタリー・ノベル。

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コメント・書評

手島龍一のウィンク
くにたち蟄居日記
Jul 9, 2007 10:27:55 PM
評価 ( マーク )
★★★★★

大変面白く読んだが 若干の戸惑いもあった。本書は スパイ小説なのか事実に近いノンフィクションなのかが 読んでいてはっきりしなかったからだ。


 スパイ小説だと考えるなら もっと上手い書き手はいくらでも居る。手島は少なくとも小説家の資質が飛びぬけているわけではない。「創作された小説」として読むなら細部に詰めの甘さも感じるし サスペンスの盛り上げ方も幼い。またもっとエンターテイメント性も出すはずだ。手島が時折サービスのように挿入するエンターテイメント的な場面はいささか浮いている。照れていると言って良い。やはり ジャーナリストという出自だからであると思う。小説家とジャーナリストは 同じように言葉を武器としても まったく「文法」が違う。


 一方 ジャーナリストが書いたノンフィクションかというと それは有り得ない。例えば登場人物でもモデルを特定できる人も出てくるが その中身はおそらくフィクションである。この内容が全てこのまま本当だったとしたら かような本などは発行されないし 手島自身がどうなってしまうのかわからないと思う。


 この本の面白さは「どこまで創作なのか わからない」点にある。これは「どこまで本当なのか わからない」と言う言い方と 同じ事を言っているようで 実は全く違う。
創作だと思っていて読んでいるだけでは読み取れないということだ。


 本全体に流れる一種の「説得力」を感じてしまうと「もしかしたらこの部分は本当かもしれない」と思わされてしまう事がしばしば出てくる。おそらく手島は 解る人には解るような書き方をしているはずだ。そんな 手島のウインクが 端々に感じられる。

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