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ベルカ、吠えないのか?

ベルカ、吠えないのか?(文藝春秋) 古川 日出男著
税込価格: ¥1,800 (本体 : ¥1,714)
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出版 : 文藝春秋
サイズ : 20cm / 344p
ISBN : 4-16-323910-3
発行年月 : 2005.4
利用対象 : 一般

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内容説明

1943年、日本軍が撤収したキスカ島。無人の島には4頭の軍用犬が残された。捨てられた事実を理解するイヌたち。やがて彼らが島を離れる日がきて−。それは大いなる「イヌによる現代史」の始まりだった!

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コメント・書評

「血」と本能
はな
May 2, 2007 9:56:38 PM
評価 ( マーク )
★★★★★

 面白かった。というと私の感想を一言で言い表していない気がする。
 すごかった。
 第二次世界大戦中の1943年から、冷戦終了の90年代初頭までを描いた物語。軸となるのは徹底して「イヌ」たちである。人間でも世代が移り変わる数十年、当然イヌたちは何代も何代も世代が移っていき、その「血」は世界中に散らばっていく。歴史に記されることはない、けれど確かな足跡を残しながら。
 人間の政治、戦争、歴史に弄ばれるようでいて、その実、イヌたちはそれぞれの場所で確固としたアイデンティティを築いている。その様子が丹念に描かれる。
 正直に言って、背景となる現代史も、イヌたちの系図も、正確にはほとんど理解できていない。それでも問題はない。なぜならイヌたちもそんなものは理解していないから。それを理解していなくても、イヌたちは、自らの血と本能でもって、しっかりと歴史に存在している。その鮮やかさが読み終わっても、心から消えなかった。
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