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ハチミツとクローバー(クイーンズコミックス)
10巻セット
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コメント・書評 |
久々に漫画の一気買い、一気読みをしてしまいました
栗太郎
Mar 28, 2007 8:39:15 PM
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評価 ( ★マーク )
★★★★
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人はやっぱり一人では生きていけない、一人じゃないから生きていける。と素直に感じられる作品でした。描かれる絆は恋愛だけでなく、師弟、仕事仲間、ライバル、友人、家族、恋敵、親の敵……様々です。 作品の主な舞台は東京にある美術大学。美大に入ったものの自分の目指す場所が今ひとつはっきりしない大学2年生の竹本が、天才的才能を持つが独特なテンポで生きている少女はぐみに一目ぼれしたところから、物語ははじまります。美大の学生を中心とした登場人物たちは個性豊かで心優しく、一見ありふれた少女漫画なのですが、この作品には「恋愛」の他にもう一つ大きな柱があって、それが世界を広げています。 10巻で登場人物の一人が言いました。 生きる意味が何にかかってるか—だと思う それが「恋愛」の人間もいれば 好むと好まざるとにかかわらず 何か「やりとげねばならないモノ」を持って生まれてしまった人間もいる(p56) 「恋愛」と「やりとげねばならないモノ」の両方が描かれるところこそが「ハチミツとクローバー」という作品の魅力だと思います。どちらの立場の人が読んでも、発見と感動があるのではないでしょうか。例えば、恋愛には興味ない、まして他人の惚れた腫れたなんか馬鹿馬鹿しいという人が読んで、「ちょっと恋してみたくなったかも」と感じたり、恋愛至上主義の人が「好きなだけじゃ駄目な時もある」と感じたりすると思うのです。 全10巻のうち前半は、恋愛に重点が置かれています。登場人物の片思い率が高く、切なくキュートで真摯な想いが胸を打ちました。若者たちは気恥ずかしくなるほど一生懸命で、大人たちは複雑で不器用で過去の痛みを引きずっているけれど、人が人を恋する豊かさが穏やかなトーンで描かれます。 けれど季節が移り、主人公たちが進学あるいは卒業していく中で、穏やかで平和な世界にも亀裂や陰が生じます。とりわけ9巻では、世界が一度崩壊するほどの大事件が起こりました。 「恋愛」と「やりとげねばならないモノ」 どちらに重きをおき、何を選ぶのか、竹本とはぐみだけでなく、みなが自分の答を必死で探します。「恋愛」は、どちらかと言えばわかりやすいけれど、「やりとげねばならないモノ」は、登場人物のそれぞれに違い考えさせられました。描くことであったり、大切な誰かを守ることであったり、復讐であったり、家族の再生であったり。 そんな中でやはり作者が描きたかったのは人の絆だったと思うのです。世知辛い世の中だからこそ、おとぎ話と言わずに読んでみて欲しい。ずっと、今ひとつピンとこなかったタイトルでしたが、最終巻には「おお!」と唸るほど、ぴたりとはまるシーンが用意されていました。なるほど、作者はここを目指していたのかと納得の、見事な着地点でした。 |
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