コメント・書評 |
豊穣神と、商人と。
放浪紳士
Jan 9, 2007 2:58:26 PM
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評価 ( ★マーク )
★★★★★
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一人で行商をして七年。 二十五歳の行商人ロレンスは商売のため、荷馬車に乗って世界を回っている。 商売の為に寄った村での祭り。 荷物にまぎれていた少女。 その少女は、この辺りの豊作の神と同じ名前、『ホロ』と名乗った——— 電撃小説大賞にて銀賞を勝ち取った作品。 馬車を操る行商人ロレンスと見目麗しき少女ホロとのお話。 第三幕終盤から始まるロレンスの儲け話はかなり作りこまれており、よくある『お宝で一稼ぎ』のような薄っぺらい話ではなく、地味ながらも納得がいく話であるのが好印象。 敵に捕らわれたホロ、それを助けたいが為に走るロレンス。 最初はホロのことを疑っていたロレンスが段々と信頼し、旅のパートナーとしていく。 ホロを救出して脱出するシーンにてホロが見せた『狼』としての一面を目の当たりにしたロレンスは、ホロに脅えてしまった。 そのロレンスに対して取ったホロの行動は、とても切ない。 ホロの為に叫ぶロレンスの姿が、行商人などではなく一人の女性を想うヒーローのように思えたのは私だけではないはずだ。 ラストのオチは『お約束』のオチではあるが、これこそが最高のオチであろう。 特に最後の一文には「やってくれる!」と言わざるを得ない。 最後の最後の一文も読めていたが、それでもこの物語を締めるのには最高の一文だった。 正直、この物語を書評するにあたって自分の文章が心配でならない。 私の文章などでは到底著せない面白さが、この本にはある。 |
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