コメント・書評 |
今作を読む限りだと、鳥井の巣立ちはまだもう少し先にはなる感じはしますが、確実に一歩づつ、彼の視界は広がりつつあることは間違いないですね。
どーなつ
Nov 24, 2006 4:47:21 PM
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評価 ( ★マーク )
★★★★
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引きこもりの探偵、鳥井真一とその友人(兼・助手)、坂木司が織り成す日常の不思議。 「青空の卵」に続く第2弾。 ●「野生のチェシャキット」 坂木の同僚、吉成くんと佐久間さん。吉成くんはどうやら、佐久間さんに恋をした模様。吉成くんが佐久間さんを見ていて気付いたのが、最近彼女の様子が少しおかしいということ。 そこで、吉成くんは坂木に助言を求め、2人でつぶさに彼女の行動を観察し、謎の行動の解明に挑むことになる。 ●「銀河鉄道を待ちながら」 駅で不信な行動をとる中学生の目的は何なのか? 栄三郎さんのところで木工を習い始めた坂木と鳥井は、そこで知り合った土屋さんと少年との意外な接点を見つけ出す。 ●「カキの中のサンタクロース」 理由は分からないが、坂木は突然女子高生の標的に! いたるところで悪質な嫌がらせを受け、精神的に参ってしまう。そこで、鳥井が見事に解決の糸口を見つけ出すのだが……。「銀河鉄道を待ちながら」で中途半端なまま終わった少年の悩みも、この短編で同時に解決できてしまいます。 —————————————— 前作の「青空の卵」から、今作は「巣」へと成長していってます。 鳥井の心構えも、最初の頃と比べれば少し前向きになってはきているようですが、何が1番の変化かと言えば、やはり彼を取り巻く環境にあるのではないでしょうか。 今まで登場してきたキャラ各々が、鳥井と坂木に感心を示し、2人に好意を寄せています。脇役が1度だけの使い捨てキャラにならずに、物語のはしばしに登場しては、よきアドバイザーとなったりもします。 鳥井自身がひきこもっていたくても、徐々に周りがそれを許さない、という環境になってきつつあります。 けれど、決して無理強いするわけではなく、多少強制的な面もありはしますが、最終的には鳥井自身が自分から扉を開いて外へ出かけるという形を作っています。 こうして彼は少しづつ成長していくんでしょうか。 今回は、鳥井の巣立ちに、喜ばしさと同時に寂しさも感じつつある坂木の心境にもご注目。 なんとか彼を外に出したかったのに、いざ彼の周りに仲間が集まりつつあると、何故か自分が除外されたような孤独感を感じています。自分を1番だと思ってくれている相手が、知らぬ間に別の場所で「1番」を見つけてしまい、自分が「控え」や「2番」になってしまうかもしれないという不安。 とても複雑な心境ではありますよね。 まぁ今作を読む限りだと、鳥井の巣立ちはまだもう少し先にはなる感じはしますが、確実に一歩づつ、彼の視界は広がりつつあることは間違いないですね。 きっと今作で登場したキャラクター達も、今後も1度ならず2度3度と、2人の輪の中に関わってくるようになるはず。これから世界が広がってくるにつけて、いいことばかりではないはずで、ひょっとしたら再び鳥井が固い殻を作ってしまう日がくるかもしれない。 だけれど、今の彼を取り巻く環境がある限り、今度はその殻を壊すのは意外と簡単なのかもしれないな、と感じています。 |
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