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中村屋のボース
インド独立運動と近代日本のアジア主義

中村屋のボース(白水社) 中島 岳志著
税込価格: ¥2,310 (本体 : ¥2,200)
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出版 : 白水社
サイズ : 20cm / 340,6p
ISBN : 4-560-02778-1
発行年月 : 2005.4
利用対象 : 一般

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内容説明

【アジア・太平洋賞(第17回)】【大佛次郎論壇賞(第5回)】1915年日本に亡命したインド独立の闘士ボース。新宿中村屋に身を隠し、極東の地からインド独立を画策する。アジア主義と日本帝国主義の狭間で引き裂かれた懊悩の生涯。「大東亜戦争」の意味とナショナリズムの功罪を描く。

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コメント・書評

日本のアジア主義の虚偽に翻弄された若者
かつき
Oct 27, 2006 7:51:12 PM
評価 ( マーク )
★★★★★

第5回(2005年)大仏次郎論壇賞受賞作。
新宿中村屋のインドカリーは、インドの独立運動家ラース・ビハーリー・ボースが伝えたことは有名な話。中村屋のサイトにも載っていますし、店頭のメニューに必ずその写真と由来が紹介されています。
本書はそのボースを追った秀作。
1915年、ボースがやってきた日本には孫文をはじめ、アジア各国から祖国独立をアジアの中心日本の援助を必要とする革命家が集まってきていました。ボースは他のアジア諸国の革命家と知り合い、さらに日本の有力者(頭山満・大川周明ら)たちと交友し、祖国独立への協力を仰ぎます。
ボース自身の人柄の良さ、日本語や日本の風習を積極的に学ぶ姿勢は、瞬く間に知り合う日本人を虜にします。蛇足ながらベトナム王朝の末裔クォン・デは日本に馴染むことができず、祖国独立の情熱も冷めていきます。(『ベトナムから来たもう一人のラストエンペラー』)
どちらの革命家も志を達することができませんでした。日本の建前的な亜細亜主義、大東亜共栄圏構想に阻まれ、妥協し始めたボースは、日本とインドの谷間にはまり、インド人の信頼を失っていきます。
著者は一貫して当時の日本の態度に痛烈な批判の視線を注ぎます。帝国主義排斥を名目に亜細亜に侵出して行った日本。ボースは酒に酔い、寂しさをつのらせると決まって朝鮮人実業家・秦学文に電話をしたといいます。自分がインド独立の拠り所とした日本はまた、朝鮮人にとっては紛れもなく帝国主義国家でした。彼は無言で涙を流したそうです。
日本が掲げたアジア主義という虚偽の帝国主義が、アジアに悲劇をもたらしたのは、歴史が示すとおりです。
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