コメント・書評 |
探偵冒険小説,変じて明朗不条理漫画
消印所沢
Oct 2, 2006 8:45:58 PM
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評価 ( ★マーク )
★★★
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探偵冒険小説,変じて明朗不条理漫画. 冒頭,例によって怪事件. それまでのごとく,それを秋山親子が活躍して解決するのかと思えば,大治郎はストーリーの展開上,だんだん出番が減少.最後は皆無に近くなる. 冤罪で座敷牢に閉じ込められる大治郎.冤罪で禁足を言い渡される大治郎. このような不条理は「珍しくない」「剣の修行を極めた者には,それがよく分かる」 代わって,傘徳どん,四谷の弥七,飯田粂太郎といったレギュラー・メンバーの他,笹野新五郎,杉本又太郎,杉原秀,又六といった,他の短編のゲスト・キャラだった連中までが次々登場.ビギナーの中には戸惑う人も出るかも.当方自身,杉本はあまり覚えがない. 「真の男というものは,泣くべきときには,ああいうふうに泣かなくてはいけないのじゃ」 事件は拡大一方.松平定信と田沼意次との確執.加えて一橋治済(はるさだ)の暗躍もあって,不条理劇の様相も. 田沼に対する松平の憎悪の理由. 一橋による「田安征服」. 彼らが「濃過ぎる」せいか,悪役,というか,実行犯は,さほど目立たない. 不二屋の次男坊がどう関わってくるだろうかと思えば,最後にそんな関わり方をするとは. エンディングは,他の短編のようにはすっきりしたものとはならず. こういうすっきりしない終わり方をしているのは,著者の体調と関わりが大いにあるだろうことは,常盤新平による「解説」に詳しい. 余談だが,本書を見ても,TVシリーズにおける小林綾子の演ずるおはるが,いかに嵌まり役か分かる.本書を読んでいて脳内で,セリフが極めて自然に俳優の音声に変換されるのは,このおはるだけ. 読めば? |
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