コメント・書評 |
若者をなげく年長者たち
ちひ
Sep 4, 2006 1:21:00 AM
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評価 ( ★マーク )
★★
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はたして今の「若者」が本当に他人を見下しているのかどうかが気になって本書を手に取り読み出したわけだが、冒頭からいきなり「実はこの著者が若者を見下しているのでは?」ということが気になってしまう。 他人を見下す行為は他人を決めつける立場から開始される。なぜなら、相手が自分より低いと「決定」しなければ見下すことができないからである。そしてこの著者は科学的とは到底言えない「データ」をもとに若者や子どもの傾向を「決定」し、それから安心して、「最近の若者の傾向にはほとほと困った困った」という趣旨でぼやく。しかしその内容は何も「現在」の「若者」や「子ども」にのみあてはまることではなく、「過去」の時代の若者や子どもたちにも、そして著者の態度を例に引くまでもなく、現在の、かなり年長で、いろんな意味で模範を示さなければならないかもしれない人たちの中にも容易にあてはまる人が多い、そういう傾向であると思うのだ。 それなのになぜ著者は問題を矮小化し、現在の若者にのみタイトルのような問題があるかのように語ってしまうのだろう。若者は若者たちだけで若者になり得るものなのか? 古今東西、世代と世代との間には広くて深い価値観のミゾが走っているものなのではなかろうか。どの世代も若いときには老人から「最近の若いモンは‥‥」と嘆かれるものなのではなかろうか。その証拠として採用できるかどうかわからないが、古代の遺跡から発掘された「くさび形文字」で書かれた文章の中にも「最近の若者はなっとらん」的に書かれているのだそうである。(「最近の学生はちっとも勉強しない」という嘆きも不滅らしい。勉強する学生・しない学生、ともに昔からそれぞれ大量にいたということなのだろうか。) ‥‥この本は、そのような、上の世代が下の世代をわけもなく嘆く、そういう文章の一つであるように思えてならない。 |
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