コメント・書評 |
つまりこのブコウスキーというヒトは「悩まない太宰治」みたいなヒトなんだよな
SnakeHole
Aug 14, 2006 2:35:35 AM
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評価 ( ★マーク )
★★★★★
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読んだヒトには説明不要で,読んでないヒトには説明不能(少なくとも読みたくなるような説明は,ね)というのがこの人の作品の最も真実に近い説明のような気がするんだが,読みたくならなくてもいいからどんな本かだけは知っておきたい,できれば他人の書評を根拠にして知ったかぶりだけしたいというヒトのために乱暴に概括を試みると……,こほん,つまりこのブコウスキーというヒトは「悩まない太宰治」みたいなヒトであり,大宰がその自意識ゆえに頭のなかで想像するだけで身もだえしてしまったようなあんなことやこんなことをまんまやってしまい,またやってしまう人たちとつきあい,それを原稿にしてわずかな金で売り渡すとそれをまた全部飲んだり女を買ったりしちゃう,で,その売り渡しちゃった原稿がこれなんである……と,こんな感じだろうか。 例えば表題作,主人公の「私」は町でいちばんみにくい男で,それがなぜか「町でいちばんの美女」であるキャスに惚れられる。キャスは常に容姿ではなく人格として認められることを欲しており,その欲求のあまり無意識のうちにみにくくなろうとして自傷行為を繰り返しているという難しい女。「私」はキャスを本気で心配するが,彼が彼女を気づかうほど,彼女のほうはそれが自分の美しさ故であると苛立つ,そして……。 と,こう慷慨だけ書くとなかなか文学的なんだが,これはオレが意識して作品に使われている隠語や卑語,言い回しを使わず,具体的な場面を描写するのも避けて書いているからで……。あれ? なんだか「ブコウスキーの小説はその卑猥でグロテスクで下品で救いのない描写の底に人生の真実を隠しているんだ」てないい話になっちゃったみたいで困っちゃうんだが,オレが言いたいのはそうではなくて,たとえその底に人生の真実が隠れているとしても,ブコウスキーがそれを覆うのに使っているものの卑猥さグロテスクさ下品さ救いのなさは半端ではなく,しかも時にはそれらをめくっていっても人生の真実なんて隠されてなかったりするんだよ,ということなんである。解りましたか(解んないよね)。 |
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