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顔のない裸体たち
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平野 啓一郎著
税込価格:
¥1,365
(本体 : ¥1,300)
出版 : 新潮社
サイズ : 20cm / 155p
ISBN : 4-10-426005-3
発行年月 : 2006.3
利用対象 : 一般
出荷可能時間:
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コメント・書評 |
平野のことを巨匠、って書く人がいて、笑いました。だって、デビュー作以外、大したもの書いていないし、まだ30歳こえたばかりでしょ、持ち上げ過ぎると小説の片原みたいな男になっちゃうぞ
みーちゃん
May 6, 2006 10:56:09 AM
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評価 ( ★マーク )
★★★★
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本を開いた扉には、表紙と違って Nudes without Faces と英語表記のみ。装幀は新潮社装幀室、初出「新潮」2005年12月号です。 この本には、目次がありません。でも、各章にタイトルがないのか、といえば明確にあります。ですから、目次を載せない、ということには作者なり出版社の考えがあることだと思います。それを知りつつ、私はそれを書いてしまいますが、ま、これって目次をつけてもおかしくなかったんじゃない?レベルのものではあります。 冒頭の章は、大阪城を舞台にして撮影された映像の説明です。この画像はDVDの形でインターネットを通じて販売され、静止画の一部はネット上で公開されたもの、ということになっています。公の場を背景に繰り広げられる殆どAV作品のノリの映像ですが、それがどのようにして事件となっていったか、それが本文になります。 まず、主人公の一人は、ごく平凡な女教師・吉田希美子で、年齢は30歳を超えて、とありますが大学卒業後すぐ滋賀県の教員に採用され、学校は変わったものの同じ場所に9年住んでいるとありますから31歳としておきましょう。で彼女は自分が勤める学校の生徒が利用している、ということからとりあえず「出会い系サイト」を覗きます。 ぽっちゃりとして地味以外に特徴のない彼女には現在、恋人もいません。そうしたこともあって、彼女は次第にネットサーフィンにのめりこみ、自分でサイトに登録をします。その名が《ミッキー》で、《ミッキー》に舞い込むメールを通じて知り合ったのが、事件を引き起こすことになる男です。 それが41歳であろう片原盈で、これまた地味で特徴のない男、ということになります。ただし、希美子が穏やかな無名氏であったのに対し、この男は昔から苛めの対象になったというだけあって、視野も狭く交友関係もなく、弱いものに対しては発作的に暴力を振るうという、悪い意味でのオタクといっていい存在です。 二人そろって公務員というところが、案外ミソかな、なんて思います。ほら、すまし顔をして奇麗事ばかりいっている女教師や、カウンターの向うでこちらから声を掛けない限り動こうともしない薄汚れた感じの市役所職員を思い出してください、彼らならいつ事件を起してもおかしくはないでしょ。 そう、受動的な希美子に対し、ただただ女に対してだけは強気に振舞える片原の行為は次第にエスカレートし、自分が毎晩のように利用していたAVの世界を自分の手で再現しようとし、彼女を騙すようにして撮影した画像を無断でネット上に公開してしまいます。ただし、希美子がこれに徹底的に反発したかと言うと、そうではありません。そして・・・ これが事実に基づいた話であるのかどうかは別にして、男性雑誌のグラビアなどを見て、「どうしてこんなに美しい人が、こんな姿を」と思うことがよくありますが、それに対するひとつの答えではあるんでしょうね。東電OL殺人事件を扱った桐野夏生『グロテスク』が、売春を軸に女性の深淵に迫りましたが、今回はAV(ちょっと違うんですが)にまつわる人々の心に迫る、といえないこともありません。 ただし、このオハナシは『グロテスク』同様、まったくエロイものではありません。これでモヤモヤする、なんていう小説では全くないんですね。無論、場面としてはエロシーン満載で、映像にはできないな、と思いますけれど、過激な性用語が殆ど劣情を催さない。むしろ暴力ですね、私が嫌悪して感じるのは。 エロ楽しみたいなら、田口ランディでも選んでください、といっておきます、はい。 |
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