コメント・書評 |
ええ、この巻だけ申し訳ないけれど★三つ。でも、宣言しておきますが、続巻の『運命の三人』は★五つですから、ご安心を。やっぱり、プロローグだけでは面白いわきゃないですよ、キングでも
みーちゃん
Feb 26, 2006 9:25:40 PM
|
評価 ( ★マーク )
★★★
|
まず、この文庫版は以前、角川書店からハードカバーで出ていたものの文庫化ではありません。1970年から2003年まで30年以上の時間を費やして書かれた長編を、完結を機に最初の巻から全面的に手を入れたのがこの文庫で、それ以前のオリジナルが角川版ということになるそうです。その経緯は「前書き」に詳しいです。そこには、角川版の訳者が池央 耿で、今回は翻訳者まで変っていることも書かれています。 この文庫に「はじめに」、「まえがき」といった、ともに2003年のキングの文章がついているのは、そういう意味なのです。この巻のオリジナル原書が出たのは1982年ですが、1970年には構想が出来はじめていたとあります。キングはまだ学生だったというのですから驚きです。 キングが60代になって初めて当時の年齢を振り返る、その時間の重さが「はじめに」に滲み出ています。二度と戻ることの無い19歳という意味、その普遍性に改めて驚かされるのは私だけでしょうか。ちなみに、全巻の出版年を書き出しておけば『ガンスリンガー』が1982年、以下『運命の三人』1987、『荒地』1991、『魔術師と水晶球』1997、『カーラの狼』2003、『スザンナの歌』2004、『暗黒の塔』2004、となっています。 70年代、ウッドストックとともに若者を熱狂させていたのがトールキンの『指輪物語』、そしてマカロニ・ウエスタン。トールキンの傑作を全く違う手法で乗り越えることができないか、そういう意味合いで書かれたのがこの物語、と知れば思わず期待が高まろうというものです。 ただし、あとがきにもあるように、序章でしかない、という気がしますね。ローランドと少年との経緯も、この後、ずっと主人公についてまわり一種、トラウマのようになるわけですけれど、それもここでは、え?という感じで終わっています。ですから、私などはこの次『運命の三人』のあまりの面白さに、そうか、訳者がいいたかったのはこれか、と唸ったわけです。そこのところは、また『運命の三人』で語ります。 本から、紹介文を引用すると 「なにもかもが奇妙に歪んだ地、この世ならぬ異郷で〈黒衣の男〉を追い続ける孤高の男がいた。最後の〈ガンスリンガー〉、拳銃使いのローランド。彼はひとりの少年と出会い、ともに旅を続けるが 。〈黒衣の男〉とは何者なのか?ローランドの過去とは?そして〈暗黒の塔〉とは・・・・・・?幾多の謎を秘めた壮大な探求の旅、ダーク・ファンタジーの金字塔が、いま開幕する![全7部]」 カバー装画 Steve Stone、カラーの口絵イラストは Michael Whelan で、見開きのものも含め5葉のものがついている贅沢さです。 内容を全く予感させませんが、とりあえず目次を書いておけば、はじめに「十九歳について(および、いくつかその他のこと)」、前書き、第一章 ガンスリンガー、第二章 中間駅、第三章 山中の神殿、第四章 スロー・ミュータント、第五章 ガンスリンガーと黒衣の男、訳者あとがき、となっています。さあ、以降をより楽しむために、第一巻を何とかクリアしましょう。 |
|
|
| 現在の投票
はい:7人(70%)
いいえ:3人(30%) |
|
|
|