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いま、大人たちが危ない!
king
Feb 24, 2006 7:43:40 PM
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評価 ( ★マーク )
★★★★★
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一般に「ニート」という言葉でイメージされる人間像とはどんなものか。本文中にもピックアップされている週刊誌などの記事から見れば、「甘えている」「親に寄生している」「自分勝手」「怠けている」「無気力」「ひきこもり」等々、様々なマイナスイメージで彩られていることが分かる。というより、ニートとはいまや否定的な形容詞と化している。 しかし、本田氏の提示する統計資料はまったく違った姿を伝えている。 まず、15〜34歳までの学生・既婚者をのぞく無業者のなかから、就職活動をしている者(希望型・ほぼ失業者と重なる)、就職の意志を示しているけれども具体的な就職活動をしていない者(非求職型)、就職の意志がそもそもない者(非希望型)と、三項目に分類する。 一般にニートと定義されるのは非求職型と非希望型をあわせた数で、2002年段階でおよそ八十五万人。しかし、ニートのなかで、そもそも働きたくないという非希望型はおよそその半分でしかなく、ここ十年でまるで増えていない。就職の意志はあるが就職活動をしていないものが十万人強増えたぐらいだ。 四十万人ほどいる非求職型の男性の半分以上は留学・受験や資格取得の準備をしていて、女性の二割もそれに該当する。非希望型でも、男性の三割以上、女性の二割は留学・受験の準備中である。 いわゆるニートのなかでも、働く意志もなく、特に何もしていない人というのは全体の三分の一に過ぎない。 以上を見ても、怠け者や甘えているというネガティヴイメージがニート全体に無根拠に敷衍されていることが明らかだが、それ以上の問題は若年失業者の問題であるという。 ニートの増え方は十年間に十万人という程度だが、無業者のなかでちゃんと就職活動をしているもの、つまり失業者の数はここ十年で六十万人の増加を見せている。これは十年前に比べて若年失業者が倍増したと言うことを示している。またフリーターもここ十年で百万人増加し、倍になっている。 つまり、ニート議論で見えにくくなっているが、いま現在若年層では、明らかに就職口の不足が起こっているということである。失業者とフリーターの増加はそのことの端的な証左であり、ニートの増え方が問題にならないくらいの激増ぶりである。 いまのニート議論は、数年前の内閣府の国民生活白書ですでに指摘されていた、企業側の採用抑制という問題点を結果的に覆い隠す格好の素材として消費されてしまっている。そしてすべては若者の内面および、親たちの教育不足という問題へと収斂し、企業や社会政策には何の問題もないかのように語られる。 本田氏は上記の点を丁寧に詳述し、それに続く内藤氏のパートでは、そのように若者叩きへと議論が収斂してしまう構造の問題を鋭く追求している。青少年の凶悪事件のみが過度に報道され、大人の凶悪事件はほとんど報道されないというメディアの偏向ぶりや青少年ネガティヴキャンペーンのあり方から、内藤氏は若者だけが危険な存在だと印象づけようとする大人たちこそが幼稚なのだと切り返す。 メディアの重要な役職に就いたり、その基本的な方針を監督することのできるいまの大人たち、そしてそのメディアの消費者たちは、少年犯罪も往時に比べ激減し、中高年に比べ殺人者率も低いいまの若者をことさら危険な者として粉飾する。彼らは自分たちが何かしら問題を抱えていたり、修正しなければならない間違いを犯しているということを決して認めようとはせず、その責をすべて若者に丸投げしようとしている。 だから、それが煽動めいていても、昨今の青少年ネガティヴキャンペーンに対抗する意味において、われわれはこう叫ばなければならないだろう。 いま、大人たちが危ない! 「壁の中」から |
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