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Unknown  講談社ノベルス

Unknown(講談社) 古処 誠二著
税込価格: ¥777 (本体 : ¥740)
出版 : 講談社
サイズ : 18cm / 209p
ISBN : 4-06-182120-2
発行年月 : 2000.4
利用対象 : 一般

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内容説明

【メフィスト賞(第14回)】侵入不可能なはずの部屋の中に何故か盗聴器が仕掛けられた。密室の謎に挑むのは、防諜のエキスパート・防衛部調査班の朝香二尉。犯人の残した微かな痕跡から、朝香は事件の全容を描き出す。

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コメント・書評

声高に国防だ、危機だって騒ぐ奴等が戦争中にやったことをよくよく考えれば、ヘアヌード写真に見入る今の自衛隊員のほうがよっぽど信頼できます
みーちゃん
Jan 9, 2006 11:20:57 AM
評価 ( マーク )
★★★★

《自衛隊の掛川基地、大山三佐の電話から聞こえるノイズ。盗聴が行なわれているのか。捜査は防衛部調査班の朝香二尉に任された》
むかし、むかーしのことですが、アンアンという雑誌を読んでいた少女がいました。はい、私です。で、今回の本にぶつかった時、正直、それを連想したんですね、ごく当たり前に。いや、実はRENOWN(なにも、特定の企業を宣伝する気は無いんだけれどね)を思ったりもしたんです。で、何だ、ナンダ、これはということになるわけです。
ま、講談社ノベルズだし、ファウストと言う文字もカバーには見えるのだから、なに、可愛い子ぶっちゃって、と言われても仕方はないけれど。
自衛隊を舞台にすると言うだけで、なにか内部腐敗を告発とか、あるいは現在の国際情勢を踏まえた情報戦ものと思い込んでしまうけれど、そういったものを期待すると肩透かしを食らうので、最初にことわっておきましょう。ただし悪い意味ではありません。自衛隊とはこれほど気取らない面を持っていたのかということを知ることができるだけでも貴重な作品だといえるでしょう。
事件は自衛隊の掛川基地で起きました。電話から聞こえるノイズに盗聴の気配を感じた大山三佐は、防衛部調査班の朝香二尉に調査を依頼します。機会さえあればコーヒーを飲み、粘土の怪獣を作り、一緒に風呂に入ると思っていた野上に肩透かしを食わせる探偵役の朝香もいいけれど、大山三佐をオヤジと呼ぶワトソン役の野上三曹の、国防だ憂国の士だと肩肘張らず、自然な生き方を模索している姿が好ましいですねえ。こういう隊員ならば、信じることが出来るかな、国民に天皇の名前をかさに銃を向けないって・・・。
この小説に見る彼らはガチガチに規律正しい自衛官ではなく、現代を生きる普通の青年たちです。水着写真を見ては騒ぐ男たちは、単純にお国のためではなく、また金のためでもなく、自然体で生きています。そういった彼らの姿に安心感を覚えるのは私だけでしょうか。国のためと、肩肘張って風を切っていた軍人が、政治家が、官僚が、警察、教育者たちが過去に何をやったのか、考えてみれば、この姿勢がいかに未来を明るくするか分かります。どうも今までの自衛隊を扱った小説は、あまりに世界を深刻に捉えることで、逆に自衛隊員の日常という足元を見ていなかった気がするのです。
政治とか未来を等身大で見る、その心地よさは、世界が激動する中では確かに軽い態度に見えるかも知れません。しかし、深刻ぶって、御託ばかり並べる政界の老人の考えは分かっています。老い先短い自分の人生、国民なんてどうなっても構わない、まさにそれでしょう。そんなジジイのヤケクソに国民が乗せられて、やれ国防だ、改憲だって掛け声だけ勇ましがる義理はないんですよ、ほんと。
俺様が国を率いるなんてふんぞり返る議員や官僚のご機嫌ばかり取って何が嬉しい?個人の人生は、たとえそれが国の命運に係ろうとも、所詮、自分のもの。ノンシャランであっても良い、そのくらいの開き直りがなくて、何の敗戦だったでしょう?そう思わせてくれるのです。それは作者の本意ではないでしょうけれど、私はそこにもっとも共感したのです。もし、自衛隊員がこれほどに自然な人たちなら、ちょっとくらい彼らに、命を預けてもいいかもしれない、そう思わせる説得力があります。
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