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『恐怖の報酬』日記
酩酊混乱紀行 イギリス・アイルランド
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コメント・書評 |
作者と読者の共通点
ジェニファー
Dec 19, 2005 8:33:25 AM
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評価 ( ★マーク )
★★★
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人が「作家では○○が好き」と言うとき、「○○の作品が好き」という場合と、「人間として好き」という場合の2パターンがあると思う。もちろん大概は両方を含めての「好き」な訳だが、私はどちらかというと後者の方のニュアンスが強いらしい。どんなに作品が素晴らしくても、人間としての相性が合わないなと思うともう作品も読む気になれない。 そういう意味で言うと、恩田陸は両方含めて「好き」と言える、私にとっては稀有な存在である。別に個人的に知り合いな訳では決してないのだが、小説やエッセイを読んで、恩田陸の価値観が自分と非常に近いのではないかと思っていた。そしてこの「恐怖の報酬日記」を読んで、それは確信に変わった。 わ、私も飛行機が苦手なんですよ!恩田先生! 過去、海外旅行に行った回数は四回と、まあ人並みかやや多いぐらいだと思うのだが、どの旅行でも必ず飛行機の恐怖との闘いだった。特にフィジー旅行のときは飛行機の揺れが激しくて、何度死を覚悟したことか。思えば、大学時代に「生きてこそ」という映画を見たのがいけなかった。ラグビーだかサッカーだかの学生チームが飛行機事故に遭い、何人かは事故で亡くなるのだが生き残った人々は飢えとの闘いが待っており、ついには自分の友人たちの死体を…という話。現実を元にしているというのだから、こんなに恐ろしい話はない。なんでこんな映画を見たんだ…?と自分を責めてももう遅い。「飛行機=落ちる=落ちたあとも悲惨」という図式がしっかりと私の脳裏に焼き付けられたのだった。 恩田陸も、最終的にはその恐怖に打ち勝ち、無事にイギリス&アイルランド旅行を敢行するに至るわけだが、飛行機の中では何をしていても上の空という気持ちは非常によくわかる。エッセイの前半では、上の空の状態で乗る飛行機の中で何を読むべきかと、本の吟味に余念がないのだが、実は私も次に海外旅行に行くときに読むべき本を今から決めているのであった(予定もないのに)。 もちろん、一応紀行エッセイなので、飛行機がメインではないはずなのだが、あまりにもその恐怖感とシンクロしてしまったため、イギリスとアイルランドの部分は印象が薄くなってしまったような気がする。 ともあれ、恩田陸の好きな人はもちろん、飛行機嫌いの人も楽しんで(?)読めるエッセイには間違いない。あ、「地球の歩き方」を意識した装丁も洒落てます。 |
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