コメント・書評 |
とても妖しいです
みなとかずあき
Dec 6, 2005 11:21:41 PM
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評価 ( ★マーク )
★★★★
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「ゴシック・ロマン・ミステリ」と帯にあるように、雰囲気は横溝正史などを彷彿とさせます。一度読んだだけでは頭に入らない家族構成や、家屋敷の間取りも、この物語が表そうとしている世界もイメージを膨らませてくれます。ただ、あまり大人の世界ではありません。大人はこの物語の背景に埋もれてしまい、舞台の書割のような行動しかとらないようにも見えます。 そう、この物語は、主人公幹彦が大人になっていくひと夏を綴っていく物語のようです。だから「ミステリ」とコピーにあって、物語の中で何人かも死に、謎の人物や噂も出入りしますが、決して謎解きをしたり、犯人探しをする物語ではありません。 物語の途中途中に出てくる着物の色や、題名にもなっている桜のイメージが溢れかえってくる、その中で主人公が子どもから大人へと変わっていく姿が描かれているようにみえます。誰が、何を、どうしたというでなく、はらはらと花びらを散らしていく桜が、いつまでもいつまでも頭の中に浮かんできます。それが、とても妖しいです。 |
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