コメント・書評 |
人はいかにして静かに狂いはじめるか
どーなつ
Jul 4, 2005 2:05:42 PM
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評価 ( ★マーク )
★★★
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あとがきにある「人はいかにして静かに狂いはじめるか」、この言葉がピッタリの物語です。 内容的にはタイトルで示唆している通り、単純な話なんです。だけどこの内容で600Pも使用していて、少しも退屈という感じがしないのです。相手の心理を深読みして、泥沼にはまっていく心情がリアルに描かれています。 (あらすじは……) 主人公ハンクとその兄ジェイコブ、ジェイコブの兄の友人ルーの3人組が、ある日ひょんなことから墜落した飛行機を発見します。なんとその飛行機の中には大金が。その金を自分達のものにしてしまおうというルーと、それに賛同を示す兄ジェイコブ。ハンクだけはそれに反発するのですが、やがては、「ほとぼりが冷めるまで金は使わない、金は自分が管理する」ということを条件に犯罪に手を出す事に。共犯関係となった3人だが、次第に歯車が狂い始めることになる。 ——というのが大筋。 映画化もしていて、Sキング氏も絶賛のクライムサスペンス。 物語のシンプルさ故に、書評では賛否両論あったようですが、キング氏が著書と共にTV番組に出演し、本書の素晴らしさを語ったりして話題をよんだそうです。 確かに内容的にはありきたりな設定という気がするのですが、心理描写が巧みであり、水面に落ちる一滴の水滴から大きな波紋が広がっていくというストーリー構成が、読者の心を惹き付けます。 誰でもそうですが、大金を手に入れてしまうと人生が狂うもの。 私自身、自分は常識人間だと思っておりますが、いざハンクの立場に立ったなら、彼と同じような行動をとってしまう可能性も否めないのではないのかと感じております(怖ッ) シンプルなのは物語だけでなく、登場人物もそうです。大概海外小説は名前が長いせいもあって、登場人物が多数いる場合、物語が半分進む時点にならないと、誰が誰か理解できないということが多々あると思います。その点、田舎町が本拠地だからなのか、登場人物がそんなに多くないのです。人の名前が出てくる度に1P目に舞い戻って、人物紹介を見ずとも分かります。だから心置きなく物語に集中できるので、大変嬉しいことです。 物語前半は、ルーの横着無人さ、ジェイコブの優柔不断さが、そして物語後半は、犯罪を塗り隠す為にさらに犯罪の上塗りをして二進も三進もいかずに孤軍奮闘するハンクの惨めさと、同時に垣間見れる狂気がキーポイント。 登場人物として注目して欲しいのは、ハンクの奥様のサラさん。 当初は妊婦として登場し、物語後半からはアマンダという少女の母親として物語進行の重要な役目を担いますが、女は強し、ということがすごく文面から伝わってきます。 この犯罪が、最後とういう終着を迎えるのか、ぜひ読んでみて下さい。 読んでる最中は、正直行き着く先が不安定で霧の中でした。いざ終着してみると、なんだか気の抜けたような気になった——とうのが私の感想です。 |
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