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職業外伝
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コメント・書評 |
職業の物珍しさもさることながら、働く人を支える家族や友人の存在に強く魅かれた
yukkiebeer
May 31, 2005 11:37:49 AM
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評価 ( ★マーク )
★★★★
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俗曲師、銭湯絵師、街頭紙芝居師、能装束師、席亭…。昭和の頃まではまだ街なかで見かけることがまれではなかった日本的職業11種(+真剣師)に今も携わる人々を取材したルポ。著者がいうところの「絶滅危惧種」である職業に携わる人々は皆、私のような給与所得者とはおよそ縁遠い、起伏に富んだ人生を辿っていることが描かれています。 本書で印象深かったのは、彼らの浮沈の激しい人生を静かに支えてくれる家族や仲間の存在です。 幇間・悠玄亭玉八には小学校の校長を務める妻がいて、こんな風に胸を張ります。「これまで夫の職業を隠したことは一度もありません。(中略)自分の身ひとつで人を感動させたり、充足感を与えることができるんだもの。私にとって誇りです、夫の職業は」。 野州麻紙漉人・大森芳紀には二人三脚で麻紙作りに取り組んだ妻・淳子さんがいます。麻紙制作に成功したことを大森が淳子さんに知らせる葉書の挿話には心打たれました。 真剣師・大田学には、金に苦労する息子を黙って支え続けた母がいました。母が亡くなった時その布団の下から出てきたある物は、哀しいまでの母の深い愛情を示しています。 こうした周囲の人々の支えがあってこそなのは、なにもこうした絶滅の危機にある職業ばかりではないでしょう。家族の理解、上司や先輩の励まし、友人の支援。どんな職業に携わる人々にも支えてくれている人がきっとどこかにいるはずです。あなたにも、そして私にも。 本書内の職業が30年後も残っているかどうかは残念ながら怪しいといわざるをえません。本書がやがて、昭和から平成の初期に姿を消した職業図鑑のような存在になってしまうのもやむをえないでしょう。 それでもこれが、人と人との温かい結びつきを見せてくれる書として編まれている点を、私は評価します。職に就くというのは、そうした支援をしてくれる人々にゆっくりと出逢っていくことなのかもしれません。 |
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