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テクノリテラシーとは何か  講談社選書メチエ
巨大事故を読む技術

テクノリテラシーとは何か(講談社) 齊藤 了文著
税込価格: ¥1,680 (本体 : ¥1,600)
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出版 : 講談社
サイズ : 19cm / 262p
ISBN : 4-06-258323-2
発行年月 : 2005.2
利用対象 : 一般

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内容説明

巨大事故から学ぶことは何か。原発、飛行機事故、頻発する医療ミス、銀行のシステムトラブル等、従来の哲学・法制度では解決できない「人工物」を巡る問題群から失敗の本質を解明。「ものづくりの知」の姿が見えてくる!

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コメント・書評

JR西日本は大丈夫か
k-kana
May 26, 2005 11:45:05 PM
評価 ( マーク )
★★★★

「テクノリテラシー」とは著者の造語のようである。既存の技術を深く知ると同時に、新しい技術を取り入れること、そしてそれに関わる制度の意味を知ること。すなわちテクノロジーの読み書き——これを「テクノリテラシー」と呼んでいる。著者は、このテクノリテラシーが、現代社会を生きる我々にとって必須のテーマであると主張している。
JR福知山線の事故を見るとき、このテクノリテラシーの必要性を強く再認識する。
六本木ヒルズでの回転扉のトラブルのように、いったん深刻な事故が発生すると、製品を支えている基本的なテクノロジーが再点検され、同時にそれと対応する制度が見直される。回転扉のセンサーによる検出範囲や安全基準の問題などである。本書では、多様な側面を含んだ事故を取り上げている。事故を貴重な教訓として、そこからテクノリテラシーを学ぶことが必要だという立場だ。
製品あるいはシステム——本書では人工物と言っている——を作るうえでエンジニアの果たす役割は大きい。製品の設計は、さまざまな部品を組み合わせることである。自動車は3万点の部品から成り立つという。組合せに基づく複雑性の問題がつねにつきまとう。そのために思わぬ副作用が製品やシステムにエラーをもたらすのだ。
エンジニアは局所的な最適化はできるにしても、全体的な最適化はできない。複雑な部品を統合し、さらにヒューマンインターフェイスまでを含めて、すべてに配慮して製品を設計することはできないはずだ。その結果、事故やトラブルが起こる。事故を防ぎ安全を確保するためには、いままでの事故事例を分析し、その原因が複雑な因果関係にあることを認識した上で、テクノロジーの追及だけではなく、社会のデザインがどうあるべきか——社会制度の問題——としてとらえなければいけない。
本書では、コメット空中分解事故(事故調査と新規開発の問題)やスリーマイル島原発事故(ヒューマンファクターの問題)など7つを取り上げている。
情報システムとしては、みずほ銀行のシステムトラブルを挙げている。情報システム開発の課題としては、顧客がエンジニアに対して要求を明示化して伝えることの難しさ、もうひとつは、情報システムの設計と構築という問題があるだろう。
大規模なシステムにおいてはバグ(プログラムの欠陥)をなくせないために、問題を潜在させることになる。だからソフトウェア製品では、製造の管理よりも設計の管理が大きな問題となる。一方で、ソフトウェア工学が、まだ成熟した工学になっていないという証左だ。たたえば、家の建築に代表されるように、欠陥の発見が容易で対処法も確立されているというのが、成熟した工学の姿である。
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