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別れの後の静かな午後
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コメント・書評 |
誰もが経験する別れのあの感覚を見事に言葉で表してくれる、そんな著者の見事なテクニックが詰まった短編集です。
エルフ
May 19, 2005 3:06:03 PM
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人生の中で何度か経験する別れ。 繰り返せば慣れるというものではないのですが、やはり初めての別れというのは強烈でその後の日々を一体どうやって過ごしていたのか、またいつの間にか自分でも気が付かないうちの相手のいない生活に慣れていってしまっていたあの感覚が読んでいて懐かしさとほろ苦さとともに蘇りました。 誰もが感じるあの感覚を言葉で表現出来るのは大崎氏の魅力だと思います。 そして彼の作品は途中までは普通に読めるのですが、途中から急に物語が深みをみせ、優しさや愛情の深さを感じ涙が思わずこぼれてしまうのです。 「別れの後の静かな午後」では、主人公は初めてできた恋人亜希子と結婚か仕事かで意見が合わず、長年付き合ったのにあやふやなまま初めての別れを経験してしまいます。 海外でその別れの痛みに慣れ平穏な日々が訪れた頃、一本の電話が掛かり、思わぬ言葉を聞いてしまいます。 そしてラストに主人公が選んだ一言・・・これが見事に胸に直球で刺さってきます。 何気ない会話のように思わせておいて最後のここ一番の箇所に繋げ読者の胸を揺さぶるこのテクニックは大崎さんならではなんですよね。 他に「空っぽのバケツ」が私は好きで、妻の無口な父が残した無意味に思えたある印が主人公達にとっては言葉にならない言葉となり、また忘れてはならないある言葉を思い出させてくれるのです。 30ページ足らずの短編なのにいつまでも胸に深く残る、そんな6作品でした。 |
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