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ヒトを呼ぶ市民の祭運営術
定禅寺ストリートジャズフェスティバルのまちづくり
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コメント・書評 |
真価が問われるのはこれから
後藤和智
Apr 10, 2005 5:58:01 PM
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評価 ( ★マーク )
★★★★
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「定禅寺ストリートジャズフェスティバル」(以下「JSF」)をご存知だろうか。JSFは、毎年9月の第2土曜日・日曜日に、仙台を中心に全国からさまざまなジャンルの音楽家たちが集まり、仙台市街地のいたるところで演奏が行なわれるという、もしかしたら世界一の規模を持つのではないか、と思えるほどの音楽会である。平成16年の時点で第14回を迎えた、歴史の浅いフェスティバルであるのだが、このフェスティバルの開催期間中は定禅寺通に交通規制が敷かれるようになるなど、その重要度はきわめて高い。 このフェスティバルを運営するのは、自治体(仙台市や宮城県)ではなく市民による運営団体である、といったら読者諸賢はどう思われるだろうか。しかし、このフェスティバルは、実際に市民の有志によって運営されているのである。 この企画が始まったのは平成2年である。その目的は、平成元年に政令指定都市となり、さらに仙台空港の開港も控えた仙台市のアピールであり、そのシンボルである定禅寺通を音楽で満たすことはできないか、という企画であった。当初は定禅寺通沿いにある141ビルの運営する会社に事務局を設置しており、第4回までは事務局中心の体制を採用していた。また、当初からJSFの実行委員にはさまざまな人が入れるようになっており、実行委員への参入も多くあった。 ところが実行委員会が変容していくにつれて、あるいは財政難などの構造的な理由から、実行委員会の内部から不満が出始めた。そして、第5回以降は、事務局——実行委員会という体制から、実行委員会が独立して企画から運営まで行なう、というスタイルになった。そして、回数を重ねるごとに、市民の注目は増し、参加者数も増加して、JSFは定禅寺通という枠を飛び出して中心市街地全体に広がるようになった。また、JSFは「ストリートジャズ」というジャンルの開拓でもあった。具体的に言えば、狭いジャンルとしてのジャズではなく、本来ジャズが持っていた旺盛な自己表現の精神の解放である。さらにJSFにおいては、街に来た人が参加者として楽しめるようにと、フィルムケースに乾いた珊瑚の欠片を入れた小型のマラカスを配布する、という画期的なアイディアが第8回から導入された。 実行委員は、このフェスティバルが「イヴェント」ではなく「祭り」であることを強調する。その理由は、「イヴェント」は数字や結果を期待するものであるのに対し、「祭り」はたとえ収益がマイナスであってもそれを支える人たちがいる限りやり続ける、というもの。そしてJSFは、仙台市の観光案内に仙台市の重要な祭りの1つとして取り上げられるようになるほど、仙台にとって欠かせないものとなった。さらに、JSFをモデルとして、宮城県石巻市、高知県高知市、青森県弘前市などが街を挙げての音楽祭を始めている。 無論、激増した来場者の動員など、課題も多い。さらに最近の仙台には、新球団「東北楽天ゴールデンイーグルス」の誕生という、極めて重要なサプライズがあった。それによって仙台への観光客は確実に増加するだろう。そこにJSFは、そして仙台の都市計画はどう関わっていくか。いかにして仙台の魅力を発信するか。JSFの真価が問われるのは、おそらく第20回を開催したときではないかと思われる。 さらに本書を通じて、多くの人が「市民の祭」の重要性を実感してほしい。都市再生は、ひとり資本の論理のみによって行われるものでは決してないからだ。 評者のブログはこちら |
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